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午後のティー劇場こどもスペシャル 茶葉を踏んだ娘
今までのあらすじ
お金持ちの家に養子にいった、わがまま娘インゲルは、親のすすめで故郷へ帰る。途中水たまりがあり、靴が汚れるのを嫌ったインゲルは、お土産にと持たされた茶葉をばらまき、その上を歩こうとする。足を茶葉に置いた瞬間、水たまりの中に引きづりこまれ、地獄まで落ちたのだった
茶葉を踏んだ娘
茶葉を踏んだ罪で
地獄に落ちた
神様に背いたインゲル
神様に背いたインゲル
地獄に落ちた
インゲルは地
倉科カナコの幸せなひと時
買ったばかりのティーポットに勢いよくお湯を注ぎフタをする。すばやく手元のタイマーをセット。これが鳴る頃にはすてきなアフタヌーンティーの時間だ。わたしはそれを何より大事にしている。
ふとつけっぱなしのテレビに目をやる。午後のワイドショーは大臣が失言したとかなにかで、トゲトゲしい言葉が飛び交っている。その前は女優同士の確執がどうとか、そんなニュースばかりだ。
誰もが幸せになりたくて日々生きてるはず
◆Born in Red Black Tea◆
「見ィーつけ茶」
午後三時。オチャノミズ・スゴイタカイビル中階層の喫茶店は、粉塵と瓦礫にまみれ、静寂に包まれていた。突如として爆発に巻き込まれたこの店に、既に動く者はいない。いや……一人いる。彼は、うつ伏せに倒れていた息のある者を発見して甲高い声を挙げた。出血が酷く、今にも死にそうだが。
「お前が最後だな! 起きろ!」
タキシードに身を包み、黒い覆面をつけた男が、サラリマン風の男の襟首を掴み
午後のティー劇場特別編 女ターザン
ゴリラが自転車を捩じる!ゴリラが自動車を潰す!雄叫びをあげ、大自然の怒りをぶつけるかのように文明社会の象徴を破壊する!
「大変!ジェシーが暴れているわ!」
「大丈夫さ、マリア。ゴリラは紅茶を飲むと大人しくなるんだ」
マイクは得意げにティーカップを取り出し、ジェシーに差し出す。ジェシーは受け取り、香りを確かめる。
「スゴイわ!マイク!さっきまで暴れてたジェシーが大人しく紅茶を受け取ってる!」
絶対安全ティータイム
世界で一番安全なティータイムを楽しめるのはネオアルカトラズスーパーマックス刑務所である。
それがアメリカ紅茶党が一致した見解である。
彼らはボストン茶会事件の生き残りの末裔、紅茶への拘りは英国紳士にも勝るとも劣らない。
ネオアルカトラズスーパーマックス刑務所、絶海の孤島にハイテク警備システム、猟犬に高射砲と脱獄を阻むものには事欠かないし、核兵器にも耐えられるほど頑強な刑務所施設と、心穏やか
アフタヌーン・ティー
(これが「ティー」か……煎じ薬みたいだな)
テーブルの並ぶ喫茶室。黒髪の青年は、ティーカップを手にして香りを嗅ぐ。いい香りだ。葡萄酒や麦酒より刺激は少ないが、酔っ払うことはなさそうだ。毒味をする前に、周囲を見回す。
「こりゃ何だ?」
「ああ……角砂糖だよ。シュガー。甘い粉末状のものを固めてある。紅茶の中に入れて、溶かして、かき混ぜて飲む」
「へえ……すげェな。イスパニアのカリフはともかく、フラ
下町ボトルキャップ #紅茶のある風景
「新型ボトルのキャップ開発を他社に任せるって…… 話が違うじゃないですか前財さん!」
帝麟飲料の製造工場に呼ばれていたトゥクダ製作所 社長、トゥクダ紅平が吼えた。
「トゥクダさん…… 誠に申し訳ないっ……!」
帝麟の主力商品『GOGOの紅茶』開発部長、前財ミティオが深々と頭を下げる。
「前財さん、説明してくださいよ。一体どういうことなんですか。おたくの紅茶を安心安全、ホカホカな状態で消費者に届
王国の革命を阻止する戦士は紅茶を嗜む
「茶葉は多めにしてくれ。ああ、そうだ。砂糖もたっぷりといれてくれ。いや、ミルクはいい。俺は砂糖だけでいいんだ・・・。」
男は熱い紅茶に口をつけるとホゥと大きく息を吐いて筋肉を弛緩させて死んだ。
末期の水は午後の紅茶だった。
珈琲党過激派はついに議会を乗っ取り、暴力によるクーデターを企てた。
我々は由緒正しき紅茶党午後派だ。(午前派は国王の「ねむいのだ」という一言で解散した。)
過激派は暴力革命を
【これまでのあらすじ】三宅つの、紅茶パルプを書く。
おれだ。もう知ってるだろうが、noteでは11月1日の「紅茶の日」にあわせて、「紅茶のある風景」というタグでそういう作品(エッセイ、小説、イラスト、漫画など)を募集している。12月2日までだ。賞金と賞品も出る。
ハッシュタグをジャラジャラつけていると、そういうのも目には入る。どうせハイソなバターコーヒー野郎どもが紅茶にバターを入れて喜ぶような集まりだろう。おれはそう思って、特に興味も抱かずにいた