秋山タイジ

曲を配信しています。音楽のほかに哲学や映画、小説なども。最近は宇宙やAIに興味あり。以…

秋山タイジ

曲を配信しています。音楽のほかに哲学や映画、小説なども。最近は宇宙やAIに興味あり。以前、編集の仕事をしていた。プロフィール写真はその頃のものです。HP→https://taizi-website.com/

マガジン

記事一覧

固定された記事

[告知]Nolymuse (EP) - 新しいアルバムが配信されました

noteに最後に投稿してから2年近くが経ち、しばらく御無沙汰しておりましたが、先日、新しいアルバムが配信されました。2020-21年に制作したもので、アルバム名は『Nolymus…

1

神話のファブリケーション

今年(2022年)の1月3日に書き終えた文章です。詩のようなものというか。 見えているのに遠い場所ロマンとは遠さのことかもしれない。そこはただ遠くにあるだけではなく、…

2

ホームページを新しくしました

noteで久しぶりの投稿になります。ホームページを新しくしました。 これまでのホームページは、10年近く前につくって、あとから色々と加えたり外したりしているうちに、い…

5

消滅後の世界

2019年に配信した両A面シングル『東京零年/消滅後の世界』に収録している曲です。1曲目の歌詞内容から随分時がたった、ある日の場面をイメージした歌詞で、主人公は「彼が…

6

サマンサ・リリー

▶ Spotify ▶ Apple Music 「サマンサ・リリー」は、2018年に配信したアルバム『ソラ・アオイデー』に入っている3拍子の曲です。 黄昏に沈む電飾の都會(みやこ) 大虚…

5

8月の緑

昼の緑地。木々は静まり返っていて、生い茂った緑色がちょっと生々しく迫ってくるように感じられる。今年も猛暑だけど、去年までの熱波とは違って暑さは少しマシかなと思う…

11

データ・イン・ダスク- Data in Dusk

00:00 | 00:00

「データ・イン・ダスク」は2018年に配信した『アストロライフ@サイバーパーク』収録曲です。 *************************************** 薄暮れの空に霞んだデータ(架空…

1

暮らしのルナ

00:00 | 00:00

「暮らしのルナ」は、3拍子の、シンプルなフォークソング調の曲です。19歳の頃に作った曲をリメイクして、アコギの伴奏をメインにUTAUで歌わせています。2018年に配信した…

3

どこかの場所からの眺め

写真に写っている光景のなかに自分はいないけれど、どこかからそれを眺めている自分がいる。空とか、遠くの山々、街、木々といったもの。カメラは外界を内側へと裏返して記…

4

感覚の変容と、メディアのなかの音楽

目次 1.メディアがメッセージの時代  ■ テレビ・ラジオ・レコード  ■ ロック 2.デジタルによる再帰的なループ  ■ 音声のメディア  ■ ヒップホップ 3.流通する文…

10

「SF音楽」についての思弁的なメモ

2015年にディープラーニングがブレイクして、人工知能は世界を変えた(のかもしれない)――音楽にも多大な影響を及ぼしていているAIは、いったい何を変えたのか、というこ…

8

planar

00:00 | 00:00

「planar」は短めのインストで、タイトルは「平面の」という意味です。2015年につくったもの。未配信の小曲です。

3

Ambiguity

00:00 | 00:00

「Ambiguity」は2014年に配信した曲です。スローでアンニュイな、5小節のミニマルというか…。タイトルは「曖昧さ」「両義的な」という意味で、アンビバレンスと似ているよ…

4

メトロポリス

昔、どこかで買った「メトロポリス」のビデオ。長いあいだ、観ることなくしまってあるものだけど、映画のなかでアンドロイドが誕生するシーンを、時々、思い出すことがある…

6

ブラウン管テレビ

部屋にはブラウン管のテレビが置きっぱなしになっている。デジタル放送開始前に買ったもので、久しぶりにスイッチを入れてみたら、画面が明るくなった。壊れてはないが、放…

12

アンビエンス[遅れる声と中心からのズレ]

アンビエンス(ambience)とは「環境」「雰囲気」といった意味の言葉で、音楽の場合には「響き」として使われることが多い。「響き」は、音楽を聴くには欠かせない要素だけ…

12
[告知]Nolymuse (EP)  - 新しいアルバムが配信されました

[告知]Nolymuse (EP) - 新しいアルバムが配信されました

noteに最後に投稿してから2年近くが経ち、しばらく御無沙汰しておりましたが、先日、新しいアルバムが配信されました。2020-21年に制作したもので、アルバム名は『Nolymuse(ノリムース)』といいます。曲は、インストゥルメンタルのほか、Merrow,YOKO(NEUTRINO)を使っています。

Nolymuse曲については、下のページでも説明しています。
Nolymuse - アルバム内容

もっとみる
神話のファブリケーション

神話のファブリケーション

今年(2022年)の1月3日に書き終えた文章です。詩のようなものというか。

見えているのに遠い場所ロマンとは遠さのことかもしれない。そこはただ遠くにあるだけではなく、見えているのに、遠すぎて辿り着くことができない場所のことだ。たとえば宇宙。宇宙は見えている。満天の星々として。銀河として。けれども、遠すぎて到達できない。神話も同じだ。知っていても体験できないから、それは物語られるしかないのだ。自分

もっとみる
ホームページを新しくしました

ホームページを新しくしました

noteで久しぶりの投稿になります。ホームページを新しくしました。

これまでのホームページは、10年近く前につくって、あとから色々と加えたり外したりしているうちに、いつの間にか、ゴチャゴチャとなんだかわからないものになってしまい、前々から変更しようと思いつつ放置したまま過ぎていたのですが、

先日、ようやく新しくしました。

とくに凝ったものではないですが、今までより少しはすっきりしたんじゃない

もっとみる
消滅後の世界

消滅後の世界

2019年に配信した両A面シングル『東京零年/消滅後の世界』に収録している曲です。1曲目の歌詞内容から随分時がたった、ある日の場面をイメージした歌詞で、主人公は「彼が見ている世界」のなかにいて、世界が「消えてゆく」ことで始まりを示唆してみた内容です。また、後半にあるピアノ・ソロの箇所は、この曲のサウンド・データを解析し、それをシーケンス・データ化したものを手を加えないまま演奏させてみたものです。

もっとみる
サマンサ・リリー

サマンサ・リリー

▶ Spotify ▶ Apple Music

「サマンサ・リリー」は、2018年に配信したアルバム『ソラ・アオイデー』に入っている3拍子の曲です。

黄昏に沈む電飾の都會(みやこ)
大虚(おおぞら)に輝(ひか)る百千(ももち)のヱレクトロン
星の静寂(しじま)に合成の女神
噫(あゝ)響く聲はソプラノの挽歌(ヱレジー)

官能の廃墟は此処に
目眩(めくるめ)く回路は動き
花咲き謡う機械
サマン

もっとみる
8月の緑

8月の緑

昼の緑地。木々は静まり返っていて、生い茂った緑色がちょっと生々しく迫ってくるように感じられる。今年も猛暑だけど、去年までの熱波とは違って暑さは少しマシかなと思う。帰ったらしなければならないことが残っていて、それが片隅に引っかかっているのだけど、短い時間、目の前の景色を写真に撮っていた。

「データ・イン・ダスク」は2018年に配信した『アストロライフ@サイバーパーク』収録曲です。
***************************************
薄暮れの空に霞んだデータ(架空の)
静かな郊外に出現するあの未来
見慣れないロボット(虚数)装置の残骸
電子の赤い眼がこの場所を覗いている
いま、すべては流れ出し(消える)
浮かぶ記号を拾って
遠くまで情報の霧が、
*****

もっとみる

暮らしのルナ

秋山タイジ

00:00 | 00:00

「暮らしのルナ」は、3拍子の、シンプルなフォークソング調の曲です。19歳の頃に作った曲をリメイクして、アコギの伴奏をメインにUTAUで歌わせています。2018年に配信した『ソラ・アオイデー』収録曲。

*********************************************
G
朝早くから刈り入れものを
大地の奏でる調べのなか

河は流れ雲はちぎれて
山々の楼閣はそびえる

Em

もっとみる
どこかの場所からの眺め

どこかの場所からの眺め

写真に写っている光景のなかに自分はいないけれど、どこかからそれを眺めている自分がいる。空とか、遠くの山々、街、木々といったもの。カメラは外界を内側へと裏返して記録する装置で、写っている景観はどこか特定の場所からの眺めなのだから、その場所から見ている誰かがいなければ、世界は成立しない。どこでもない場所から世界を眺めることはできないだろう。誰の視点でもない眺めというのは想像できないけれど、誰かが見てい

もっとみる
感覚の変容と、メディアのなかの音楽

感覚の変容と、メディアのなかの音楽

目次
1.メディアがメッセージの時代
 ■ テレビ・ラジオ・レコード
 ■ ロック
2.デジタルによる再帰的なループ
 ■ 音声のメディア
 ■ ヒップホップ
3.流通する文字と非実在性
 ■ インターネットと文字入力
 ■ ボーカロイド

1.メディアがメッセージの時代■ テレビ・ラジオ・レコード

1960年代は、音楽が広範囲に普及した時期だった。当時、ビートルズが「若者文化」の在り方を覆すほ

もっとみる
「SF音楽」についての思弁的なメモ

「SF音楽」についての思弁的なメモ

2015年にディープラーニングがブレイクして、人工知能は世界を変えた(のかもしれない)――音楽にも多大な影響を及ぼしていているAIは、いったい何を変えたのか、ということを思弁的に綴ったメモです。

1. 詩人としての人工知能
■ 芸術のサイボーグ化

人工知能がつくりだしている「作品」は、芸術が構築から解体に向かいはじめた頃の、無調的な音楽、シュールな絵、ダダイスティックな詩、といった作風に「似て

もっとみる

planar

秋山タイジ

00:00 | 00:00

「planar」は短めのインストで、タイトルは「平面の」という意味です。2015年につくったもの。未配信の小曲です。

Ambiguity

秋山タイジ

00:00 | 00:00

「Ambiguity」は2014年に配信した曲です。スローでアンニュイな、5小節のミニマルというか…。タイトルは「曖昧さ」「両義的な」という意味で、アンビバレンスと似ているようで違う言葉という。UTAUの歌唱によるループの箇所は「ことばはうたになって」

『Butterfly Mode』というシングルの2曲目として配信しました。
https://linkco.re/1dU6BsxB

メトロポリス

メトロポリス

昔、どこかで買った「メトロポリス」のビデオ。長いあいだ、観ることなくしまってあるものだけど、映画のなかでアンドロイドが誕生するシーンを、時々、思い出すことがある。1927年の映画だから、遠く、かつては存在したものたちの記録のように古く、フィルムにはアンドロイドの精巧な容姿が映しだされる。まるで原型のイメージみたいに、消滅した時間のなかで金属の身体は輝いている。幻影のようなその姿は、時間を超えて顕在

もっとみる
ブラウン管テレビ

ブラウン管テレビ

部屋にはブラウン管のテレビが置きっぱなしになっている。デジタル放送開始前に買ったもので、久しぶりにスイッチを入れてみたら、画面が明るくなった。壊れてはないが、放送は映らない。一昔前の芸術作品のように砂の嵐がうごめいているだけで、使い道もない。昭和のレトロな年代物でもないから、インテリアにもならない。ただ、ビデオデッキと繋げてあって、昔録画した映画などを観れるようにしてある。それが唯一の使い道なのだ

もっとみる
アンビエンス[遅れる声と中心からのズレ]

アンビエンス[遅れる声と中心からのズレ]

アンビエンス(ambience)とは「環境」「雰囲気」といった意味の言葉で、音楽の場合には「響き」として使われることが多い。「響き」は、音楽を聴くには欠かせない要素だけど、どこかで演奏すれば、その「どこか」は必ず地面とか壁とかがある空間だから、音というのはイヤでも響くことになるわけだ。スタジオや、コンサート・ホールといった場所は音楽を演奏するための専用の空間で、音の響き方ということまで計算してつく

もっとみる