マガジンのカバー画像

建築

77
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

【small design】世界一大きなトイレ

【small design】世界一大きなトイレ

お下品かもしれないが、今日はトイレのお話

経営の神様こと松下幸之助はトイレ掃除を欠かさなかったそう
人の嫌がることを率先してやる
そんな心を育てるのがトイレ掃除である
トイレ掃除は経営の基本にまで繋がっている

また先日noteで知り合ったあつこさんの記事には『夫はトイレ掃除をするか』というトイレは流せても、聞き流せないお話があったこともありトイレについて書いてみたいと思う

さて、千葉に『世界

もっとみる
【small design】くぐる

【small design】くぐる

幼い頃から神社が好きだ
今でも神社が好きだ

建築を生業としているから古い寺社建築に魅力を感じる…的な話ではない

単に神社という空間が好きなのだ

昔から神社で遊んだり、なにをするわけでもなく神社でボーっとしていた

あらためて少し神社について考えてみた

『鳥居』というのは不思議な力を持っている
扉もないから常に開けっ放し
しかし鳥居を『くぐる』という動作を伴うだけで異世界に入った感覚をもたら

もっとみる
【architecture】光の教会④|安藤忠雄

【architecture】光の教会④|安藤忠雄

教会完成から10年後、教会の隣の敷地で新たな建築の話が持ち上がった
もちろん選ばれた建築家は安藤忠雄である

『日曜学校』と名付けられたこのホールは教会の増築という形でつくられた

教会がストイックな祈りの場であるのに対して、日曜学校は信者さんやそのお子さんが一緒に学んだりコミュニケーションを取る場である

コンクリートの打ち放しではあるが木が多用され明るく優しい空間である

ここで教会という場に

もっとみる
【architecture】光の教会③|安藤忠雄

【architecture】光の教会③|安藤忠雄

前回までの記事はこちら↓

教会は完成した
少しこの建築に秘められた設計意図を私なりにまとめてみようと思う

(資料は下記のHPより引用)

まずこの建築の肝は正面の十字の切り込みである
(図面の①のところ)
それであれば箱に切り込みさえあれば表現はできる
ではL字型の壁がなぜ貫通しているのか…

ひとつは光の調節である
恐らく法律上の採光を確保することと最低限の明かりをいわゆる窓を設けることなく

もっとみる
【architecture】光の教会②|安藤忠雄

【architecture】光の教会②|安藤忠雄

前回の続きである(前編はこちら↓)

基本設計がまとまり、具体的な詳細設計に入ると単純な箱のはずの設計は困難を極めた

正面にある十字の切り込み
この建築の肝である

一見単純だが切り込みにより構造的には切り込みから上の壁は浮いたことになる
その浮いた壁を支えるためにこの壁の中に大量の鉄筋が埋め込まれているのだ

コンクリートは型枠の中に鉄筋があり、そこにコンクリートの塊を流し込むことでできる

もっとみる
【architecture】光の教会①|安藤忠雄

【architecture】光の教会①|安藤忠雄

ところで、建築家の選択として、あなたがベストだと思うけれど、条件として、われわれにはお金がなない。したがって、これもあなたに頼むのが適当だという理由である

時は1987年。
はじめて建築家安藤忠雄の元に教会建設の依頼に訪れた施主は、建築家にこのように話した

かつて、織田裕二と財前直見が出演したドラマ『お金がない』はトレンディドラマ全盛期にヒットした

建築家の選定に『お金がない』からという理由

もっとみる

【architecture】ベネッセハウス|安藤忠雄

かつて、ここは製錬所の煙害によりハゲ山と化した島だった

このハゲ山をアートの力で世界中の人が訪れる島に生まれ変える

ひとりの熱狂が世界から注目される魅力ある島をつくりだした

直島は瀬戸内海に浮かぶ小さな島である
この島を世界的に有名なアートの島として生まれ変わらせたのが、ベネッセコーポレーションの創業者の福武總一郎氏である
そして、その建築の設計を担ったのが建築家の安藤忠雄氏である

計画の

もっとみる
【architecture】街を眺める建築|塔の家|東孝光

【architecture】街を眺める建築|塔の家|東孝光

梅雨が早く始まった上に緊急事態宣言中の岡山
日中息子と過ごす時間も多いこの頃は、よく息子に抱っこをねだられて道路側の窓辺で、通り過ぎる宅配車や郵便配達のバイク、登下校する小学生などを眺めている

抱っこをしているのはしんどいのだが、私は何気ない人間観察が好きだ
街を歩く人は、ニヤニヤしてる人や、何やら落ち込んでいる人や、小走りに急いでいる人など様々な表情をしている

その姿を見ているのは理由は分か

もっとみる
【architect】母親は建築家|永山祐子

【architect】母親は建築家|永山祐子

2020ドバイ国際万博博覧会が2021年10月からはじまる予定だ

コロナの影響で一年延期になったが着々と準備が進んでいるようだ

そもそも万博とは国際博覧会または万国博覧会のことで、ひろく色々な国や人に新しい文化や技術を紹介し、将来の展望を示すことを目的としたイベントである
世界初の万博は1851年のロンドン万博である
日本では1970年の大阪万博、2005年の愛知万博、そして2025年には大阪

もっとみる
【architecture】森のピロティ|長谷川豪

【architecture】森のピロティ|長谷川豪

前回のnoteでヨコハマアパートメントという建築を紹介した

今回はヨコハマアパートメントでもコミュニティの場である『ピロティ』について考えてみようと思う

今では不動産表示などでも見慣れるようになってきた『ピロティ』という表現であるがどのようなイメージを持っているだろうか

“屋根のついた屋外の部分”といったイメージを持つ方が比較的多いかもしれない

具体的にかっちり決まった定義はないので間違っ

もっとみる
【architect】隈研吾氏に学ぶ

【architect】隈研吾氏に学ぶ

この写真は1991年に完成した隈研吾氏設計の建築『M2』である
時はバブル真っ只中
東京に無秩序にバブルのように、つくられては壊される建築を揶揄するような建築で建築家隈研吾氏はデビューした

『M2』は「第2のMAZDA」の意味で、自動車メーカー・マツダが新商品企画開発の拠点としてつくったビルであるは

世田谷区の環八沿いに堂々と建つこの建築は、古代ギリシャのイオニア式オーダーという柱頭をパロディ

もっとみる
【architecture】ヨコハマアパートメント|オンデザイン

【architecture】ヨコハマアパートメント|オンデザイン

以前TokyoApartmentという共同住宅をこのnoteで取り上げた

今回はヨコハマアパートメントという共同住宅を取り上げてみたいと思う

ヨコハマアパートメントはオンデザインパートナーズという建築家西田司氏が率いる建築家集団による設計である

オンデザインパートナーズはコミュニケーションをデザインしている集団というイメージを私は持っている
コミュニケーションと言うと公共施設や町おこし、再開

もっとみる
【architecture】家型

【architecture】家型

昨日のnoteで『TokyoApartment』という一風変わった建築を取り上げた

おまけではあるが、実は家型を積み上げたような建築は他にもある

ドイツのヴィトラ・デザインミュージアムという施設内の建築である

スイスの建築家でヘルツォーク&ド・ムーロンという建築家ユニットが手がけた12個の家型の箱をランダムに積み重ねた建築だ

(写真はHPより引用しました)

実はこのヴィトラ・デザインミュ

もっとみる
【architecture】Tokyo Apartment|藤本壮介

【architecture】Tokyo Apartment|藤本壮介

ある建築家さんがFacebookでこの建築について投稿したことがちょっとした炎上になっていた

東京都板橋区にある『Tokyo Apartment』という共同住宅である
2010年に完成した、建築家の藤本壮介氏が設計した木造三階建ての建築だ

家型の建物を積み重ねたファサードは完成当時も話題になった
私も幾度となく近くを通った際には外から眺めては色々と考えさせられた

この建築家さんの投稿は、この

もっとみる