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副題から詩(物語)を書く(練習)

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ある言葉を意識しながらも主題にしないで物語風に詩を書いた作品です
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#ショートショート

物語『肝試し』

題名『肝試し』(裏テーマ・真夜中)
(約2190文字)

「本当にやるの?」

「やるよ」

「面白そうじゃん」

「二人は家を抜け出せるの?」

「大丈夫」

「だいじょうぶ」

「バチが当たらないかな?」

「おまえ、怖いならやめれば?」

「やめれば?」

「やる」

「三人でやろう!」

「よし、やろう!」

「やろう!!!」

 まだ小学生だった僕ら三人組はある遊びを思いついた。

 肝

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物語『少し怖い話』

題名
『少し怖い話』
(裏テーマ・愛があれば何でもできる?)(約1140字)

 私の村にはこんな話しがある。

 満月の夜には、誰かに会って話しかけられても決して振り向いてはいけない。もしも女の子の声が聞こえたら全力で逃げなさい。

 

 遠い昔、生まれてすぐ両親や祖父母も流行り病で亡くした女の子が親戚の家で育てられていたけれど、その家の子供たちに虐められていたらしいのです。

 少し離れたお

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物語『不思議なつながり』

題名
『不思議なつながり』
(裏テーマ・後悔) 
【この作品は、2600文字あります】

 昔、テレビドラマで主人公の先生が生徒に言っていた。

「後悔しているのか!
 中途半端に努力もしないでダラダラ生きているからだ。
 一生懸命に生きてみろ、後悔しない人生にしてみろ!」

 先生も生徒も泣いていた。つられて私も泣いた。

 そして思った。

 私は努力をしないから、いつも後悔して辛いのかなぁっ

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物語『スター』

題名
『スター』
(裏テーマ・風に身をまかせ)(約1382文字)

 あれは何年前だろう。

 私はまだ高校生だった。

 友達がアイドルに憧れていて、あるグループのオーディションを受けるのに不安だから一緒に受けて欲しいと懇願された。

 私は歌も下手だし踊れないしリズム感も無いから恥はかきたくないと固く断った。なのに勝手に私の分も応募してて、オーディションの日になかば強制的に付き添わされて参加し

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題名『記憶喪失』

題名
『記憶喪失』
(裏テーマ・失われた時間)
[10228文字以上あります]

 頭が痛い。

 ここは何処だ。

 ハテ?

 俺は誰だ?

 俺は入院していた。

 二日まえに頭を何か鈍器か何かで殴られて路上で倒れていたところを、早朝に犬の散歩をしていたおばさんに発見されて、その方が通報して下さり、救急車でこの病院に運ばれたらしい。

 そして、気がつくと記憶がなかった。

 記憶障害にもい

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題名『八月』

題名
『八月』
(テーマ・子供のままで)

 あれは去年の八月でした。

 私は母方の実家がある田舎に2週間も一人で泊まりに行った。

 大学にも行かず就職もせず恋人も作らず、小遣い稼ぎにバイトをするぐらいのダラダラした生活をしてたら何年か過ぎていた。

 大学に行った友達は就活で忙しい時期だったのかな。

 私はごく僅かな友達としか連絡を取らず、その友達ともしだいに疎遠になっていた。

 そう、

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題名『頭の中心で愛を叫ぶ男』

題名
『頭の中心で愛を叫ぶ男』
(裏テーマ・愛を叫ぶ)

「病院、おつかれー。てか、ガタイ大きいのに弱いよねぇ、昔から」

「うるせぇ、おまえは健康だけが自慢だもんな」

「ねぇねぇねぇ、明日の創作大会の課題見た?」

「見た見た見た、愛を叫ぶ!だってさ」

「昔、セカチューって小説?映画?があったんじゃなかった?」

「なにそれ?」

「世界の中心で愛を叫ぶ、親に聞いたことない?、知らない?」

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題名『令和のウ○トラマン?』

題名
『令和のウ○トラマン?』
(裏テーマ・モンシロチョウ)

 私の名前は、雨流虎満…うりゅう、とらみつ。27才。

 保険のセールスマンとして、地方の田舎を歩き回る生活を続けている。ある秘密を隠して。

 私の先祖は百五十年以上昔に地球にやって来た地球外生命体、つまり宇宙人だ。

 自分たちが住んでいた惑星の終わりに危機を抱いていた先祖がUFOに乗って宇宙に逃げて、住むことが出来る惑星を捜して

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題名『求婚のはなし』

題名
『求婚のはなし』
(裏テーマ・忘れられない、いつまでも)

 六畳一間のアパートで小さなキッチンにバス・トイレ付き。

 西陽が射し込む二階で風呂はとても小さかった。

 家賃は五万で、それに管理費と車の駐車代も取られた。

 それでも僕にはお城だった。

 住めば都だった。

 隣には母子家庭の母娘が住んでいて、保育園に通っている女の子はお転婆で可愛かった。夜中にかんしゃくをおこして泣き叫

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題名『泥棒との約束』

題名
『泥棒との約束』
(裏テーマ・一年後)

 1年後に会う約束をした。

 今日が、その1年後だった。

 私は一人暮らしの老人です。

 そんな私の家に一年前、空き巣に入ったのが彼だった。

 私は熱中症で倒れていて、それに気づいた彼はすぐに救急車を呼んでくれた。 

 私が不安がり頼る親戚もいない天涯孤独と知ると看病までしてくれて、私が貧乏でギリギリの生活だと知ると、病院のお金までこっそり

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題名『世界のスーパースター』

題名
『世界のスーパースター』
(裏テーマ・初恋の日)

 初めての家族旅行で行った東京ディズニーランド。

 我が家は、祖母が倒れ長い介護をして亡くなると追いかけるように祖父が倒れまた介護が必要になり、家族の自由がずっとなかった。宿泊するような家族旅行を一度もすることなく私は義務教育を終わろうとしていた。
 そんな中、介護も虚しく祖父が亡くなった。突然だった。
 深い悲しみはあったけれど忘れたい

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題名『ノストラダムス』

題名
『ノストラダムス』
(裏テーマ・明日世界が終わるなら)

 ノストラダムスの大予言。

 少しまえドラマ「95」の第1話でも少し触れてたなぁ。

 僕らがどんなに勉強しても1999年の7月にはみんな死んでしまうのなら努力しても無駄じゃないか、それまでおもいっきり遊んで楽しんだ方がいいんじゃないかって思いが、常に頭のどこかにあって、空しくなることが多かった青春時代。

 もしも死ななかったら、

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題名『お酒』

題名
『お酒』
(隠しテーマ・君と出逢って)

 君と出逢って、僕は変わった。

 君と出逢って、世界は変わった。

 君と出逢って、人生までが変わっちまった。

 君と逢うたび僕の名前も変わる。

 ほろ酔い、酔っぱらい、呑み助、のん兵衛、酔いどれ、飲んだくれ、アル中、泥酔、大酒飲み、クソ人間、死んじまえ。

 初めて君と出逢ったのはかなり幼い頃だ。
 お正月の父のお屠蘇を少し舐めたとき。
 酔

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詩『腐りかけの乙女』

題名
『腐りかけの乙女』
(隠しテーマ・優しくしないで)(不適切な表現があります。申し訳ございません🙇)

 キム・スヒョンさまーって夢中だった老婆が、ある日からヴィランズの魔女になる。

 て、ファンタジーの世界じゃなくて現実ね。

 もう50才を過ぎて、老後とか年金とか持病のはなしばっかり会う友達としてた。私はもう恋愛もずっとしていない。いや、すみません、していないんじゃなくて、できない!で

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