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副題から詩(物語)を書く(練習)

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ある言葉を意識しながらも主題にしないで物語風に詩を書いた作品です
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記事一覧

題名『八月』

題名
『八月』
(テーマ・子供のままで)

 あれは去年の八月でした。

 私は母方の実家がある田舎に2週間も一人で泊まりに行った。

 大学にも行かず就職もせず恋人も作らず、小遣い稼ぎにバイトをするぐらいのダラダラした生活をしてたら何年か過ぎていた。

 大学に行った友達は就活で忙しい時期だったのかな。

 私はごく僅かな友達としか連絡を取らず、その友達ともしだいに疎遠になっていた。

 そう、

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題名『頭の中心で愛を叫ぶ男』

題名
『頭の中心で愛を叫ぶ男』
(裏テーマ・愛を叫ぶ)

「病院、おつかれー。てか、ガタイ大きいのに弱いよねぇ、昔から」

「うるせぇ、おまえは健康だけが自慢だもんな」

「ねぇねぇねぇ、明日の創作大会の課題見た?」

「見た見た見た、愛を叫ぶ!だってさ」

「昔、セカチューって小説?映画?があったんじゃなかった?」

「なにそれ?」

「世界の中心で愛を叫ぶ、親に聞いたことない?、知らない?」

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題名『令和のウ○トラマン?』

題名
『令和のウ○トラマン?』
(裏テーマ・モンシロチョウ)

 私の名前は、雨流虎満…うりゅう、とらみつ。27才。

 保険のセールスマンとして、地方の田舎を歩き回る生活を続けている。ある秘密を隠して。

 私の先祖は百五十年以上昔に地球にやって来た地球外生命体、つまり宇宙人だ。

 自分たちが住んでいた惑星の終わりに危機を抱いていた先祖がUFOに乗って宇宙に逃げて、住むことが出来る惑星を捜して

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題名『求婚のはなし』

題名
『求婚のはなし』
(裏テーマ・忘れられない、いつまでも)

 六畳一間のアパートで小さなキッチンにバス・トイレ付き。

 西陽が射し込む二階で風呂はとても小さかった。

 家賃は五万で、それに管理費と車の駐車代も取られた。

 それでも僕にはお城だった。

 住めば都だった。

 隣には母子家庭の母娘が住んでいて、保育園に通っている女の子はお転婆で可愛かった。夜中にかんしゃくをおこして泣き叫

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題名『泥棒との約束』

題名
『泥棒との約束』
(裏テーマ・一年後)

 1年後に会う約束をした。

 今日が、その1年後だった。

 私は一人暮らしの老人です。

 そんな私の家に一年前、空き巣に入ったのが彼だった。

 私は熱中症で倒れていて、それに気づいた彼はすぐに救急車を呼んでくれた。 

 私が不安がり頼る親戚もいない天涯孤独と知ると看病までしてくれて、私が貧乏でギリギリの生活だと知ると、病院のお金までこっそり

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題名『世界のスーパースター』

題名
『世界のスーパースター』
(裏テーマ・初恋の日)

 初めての家族旅行で行った東京ディズニーランド。

 我が家は、祖母が倒れ長い介護をして亡くなると追いかけるように祖父が倒れまた介護が必要になり、家族の自由がずっとなかった。宿泊するような家族旅行を一度もすることなく私は義務教育を終わろうとしていた。
 そんな中、介護も虚しく祖父が亡くなった。突然だった。
 深い悲しみはあったけれど忘れたい

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題名『ノストラダムス』

題名
『ノストラダムス』
(裏テーマ・明日世界が終わるなら)

 ノストラダムスの大予言。

 少しまえドラマ「95」の第1話でも少し触れてたなぁ。

 僕らがどんなに勉強しても1999年の7月にはみんな死んでしまうのなら努力しても無駄じゃないか、それまでおもいっきり遊んで楽しんだ方がいいんじゃないかって思いが、常に頭のどこかにあって、空しくなることが多かった青春時代。

 もしも死ななかったら、

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題名『お酒』

題名
『お酒』
(隠しテーマ・君と出逢って)

 君と出逢って、僕は変わった。

 君と出逢って、世界は変わった。

 君と出逢って、人生までが変わっちまった。

 君と逢うたび僕の名前も変わる。

 ほろ酔い、酔っぱらい、呑み助、のん兵衛、酔いどれ、飲んだくれ、アル中、泥酔、大酒飲み、クソ人間、死んじまえ。

 初めて君と出逢ったのはかなり幼い頃だ。
 お正月の父のお屠蘇を少し舐めたとき。
 酔

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題名『再会』

題名
『再会』
(隠しテーマ・耳を澄ますと)

 耳を澄ますと、サクッ、サクッ、カカカ、カカカ、まな板の上で包丁がリズムを奏でる音がした。

 俺はベッドでまどろみ、夢と現実のブランコに乗り、まぶたを開けることを必死に我慢していた。布団を引き寄せ頭まで覆い、寝ている部屋と扉1つで区切られた台所の様子を想像した。

 お母さんが朝食を作っているのかな、キャベツの千切りとソーセージと目玉焼きかな、半熟

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詩『私をさがして』

題名
『私をさがして』
(隠しテーマ・二人だけの秘密)

 高校の教師を今年定年退職して妻との二人暮らしの余生をやっと楽しみ始めたある朝、台所のテーブルの上に私宛の手紙が一通、置いてあった。

「その手紙の差出人の名前、教え子じゃない?」

 妻の言葉が気になり確かめると去年に卒業した高坂蘭だった。

「そうだけど、何でお前が知って、る?」

 妻はその言葉を待っていたように話しだした。

「実は

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詩『腐りかけの乙女』

題名
『腐りかけの乙女』
(隠しテーマ・優しくしないで)(不適切な表現があります。申し訳ございません🙇)

 キム・スヒョンさまーって夢中だった老婆が、ある日からヴィランズの魔女になる。

 て、ファンタジーの世界じゃなくて現実ね。

 もう50才を過ぎて、老後とか年金とか持病のはなしばっかり会う友達としてた。私はもう恋愛もずっとしていない。いや、すみません、していないんじゃなくて、できない!で

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詩『10キロの契約』

題名
『10キロの契約』
(隠しテーマ・カラフル)

 今日は少ないバイト代から奮発してピンク色のカーネーションの花を1輪とぼた餅を1個買った。
 子供の頃から貧しさには慣れている。それに私は引きこもりをしていて母と二人暮らしをしていました。そして母が突然に亡くなり、私は生活のためにバイトをしなくてはいけないようになりました。

 5月○日。母の命日です。
 あれからもう一年が過ぎた。

 ゴール

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詩『恋心』

題名
『恋心』
(隠しテーマ・楽園)

 最近はいろいろ問題にされているホストクラブ。
 実は私も通っている。

 私は異色で最初からお金が無いことも話しているし、借金も嫌いで性格も生真面目だと知られているからハナから相手にしてもらえていない。
 それでいい。
 月に一回でもいいから彼の声が直接に聞こえる近い距離で彼の様子を見たいだけなんです。

 ここはまさに楽園です。
 女の子はみんな好きな自

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詩『花の種』

題名
『花の種』
(隠しテーマ・風に乗って)

 私は何かの種のようです。
 ふわふわとした白い羽根があり、風が吹くと空高く舞い上がります。どこかに落ちていつか花を咲かせると聞いてます。

 自分の行きたい場所には行けません。
 海や山や都会も知らないままかもしれません。

 風に乗って、遠い知らない世界へ。
 意思ではなく運命が私の人生。

 私は地味で辛い暮らしですが、つぼみから花を咲かせると

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