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映画の感想

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2021年2月の記事一覧

「推し、燃ゆ」と「あの頃。」

「推し、燃ゆ」と「あの頃。」

トレイラーで松坂桃李があややのMVを観て泣くシーンで思い出す。2015年1月末、インフルエンザで苦しむ僕がたまたま開いたニコニコ生放送で目撃したエビ中の24時間特番。あれ以来、しばらく1日1回なんらかのエビ中コンテンツを摂取しなければならない体になってしまった。というような経験さえあれば2/19公開の映画・今泉力哉監督「あの頃。」の入り口に立っている。そして、第164回芥川賞を受賞した宇佐見りん「

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麦と絹が聴かなくなったロックたち〜「花束みたいな恋をした」空想前日譚の・ようなもの

麦と絹が聴かなくなったロックたち〜「花束みたいな恋をした」空想前日譚の・ようなもの

上のツイート、自分ながら笑ってしまうほど無茶苦茶な放り出し方だなぁと思っていたのだけど想定以上に多く拡散されて、意外とみんなそう思ってたのかも、、と。そう、この映画、所謂ロックミュージックへの言及がワンオク以外にほとんどない。あるとしたら麦くんの来てたナンバーガールのTシャツか、家にあったくるり『ファンデリア』のレコードくらいか。いや絶対聴いてたはずじゃん2人とも!昔は聴いてたロックバンド、いるで

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[Real Sound寄稿記事]映画「花束みたいな恋をした」を彩る音楽たち+もう少しだけ映画について語らせてほしい

[Real Sound寄稿記事]映画「花束みたいな恋をした」を彩る音楽たち+もう少しだけ映画について語らせてほしい

Real Soundに35回目の寄稿をしました。今回は映画「花束みたいな恋をした」の劇中音楽について、その演出効果や選曲の素晴らしさについて語ったものです。きのこ帝国、フレンズ、Awesome City Clubについて書いてます。先日noteに書いた内容からは大幅に変えました。書きごたえのある映画。

映画と音楽の相乗効果が見える作品だと、そのどちらも大好きな身からすると2倍嬉しいと思うのですが

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最近浴びたシュール(前田司郎「THE ORINGPIC」/野澤輸出のお笑い大喜利)

最近浴びたシュール(前田司郎「THE ORINGPIC」/野澤輸出のお笑い大喜利)

現実が不条理な世界だと、もはや何がシュール=超・現実的なのか分からなくなるけれど、それでもなおこれはシュールだ、と思うしかないコンテンツもある。最近立て続けに浴びてしまったのでその2本を紹介させてください。

前田司郎 新年工場見学会2021 オンライン配信映画「THE ORINGPIC」(2/14まで)

「ふきげんな過去」や「ジ、エクストリーム、スキヤキ」などの映画監督でも知られる舞台演出・脚

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「花束みたいな恋をした」って知ってる

「花束みたいな恋をした」って知ってる

※若干のネタバレを含みますが、絶対に観てほしいポイントだけは頑張って伏せてます。

ポップカルチャーとの距離<摘み取って 束ねて 抱えた 花束の 最初の一輪を いまでも おぼえていますか?>

"花束"と聞いて真っ先に思い出すのがこの歌詞。Base Ball Bear「逆バタフライ・エフェクト」だ。全ての選択は決められた場所に辿り着くという運命について歌った曲でギタリストが脱退した当時のバンドの心

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