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やっぱり自由の喜び〜何年ぶりかの東北は、青空で迎えてくれた。春爛漫の旅日記 その2 秋田編〜横手増田まんが美術館は、遠かった〜けど、素晴らしい場所だった

仙台駅から新幹線で秋田県大曲まで150分。普段はもっと早く1時間半くらいで着くらしい「こまち」だったが、先だっての東北地震で安全運転のため盛岡からは、在来線の急行くらいの感じで、ゆったりのんびりの車窓になった。(そのためか切符は各種割引がありました)

この日も快晴で、遠くの山並みまでくっきりと全てが見える。盛岡で一旦切り替え、秋田県に入ると深い山の中を鈍行並みにゆっくり走る。森の中を探索してるみ

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北海道に居ながらにして、世界中の映画を体験するー平和の恵みを、当たり前と思うかたまたま偶然と思うかー

わたしは、札幌に住んでいる。新型コロナ感染症が広がる前は、年に数回は、各地へ旅行していた。主にファイターズのビジター観戦のためだが、函館、仙台、東京、大阪、神戸、名古屋、福岡、広島… 見知らぬ土地、食べたことのない美味しい食べ物、体感する全てが新鮮で楽しかった。

同時に、知らない所にいるのは、不安と緊張が伴う。ドキドキして疲れる。だけど、その刺激が、大抵の場合、単調で退屈なーつまりは平和な人生に

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もしかすれば、もう会えない、あなたのためにー『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督作品『春原さんのうた』杉田協士監督作品

 夜中に目が覚めた。
どこかで誰かと話している場面で。スマホで誰かに連絡してたら、突然ラジオ番組がかかり、相手の言葉が聞こえないが「○○ちゃんが飛び降りて死んだ」と挟まれてくる。

聞いているわたしは、びっくりと驚いて、そして泣き叫び始めた。
「◯◯ちゃんが、死んだって言ってる!」
「◯◯ちゃんが、飛び降りたって言ってる!」

会話していた人たちは、見知らぬ人たちで。「〇〇ちゃん」は、現実の親しい

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この国に生きるわたしはー大島新監督作品『香川一区』

大島新監督は、故大島渚監督の息子である。国会議員の世襲制、二世三世議員が溢れる現実について、さまざまな議論があるが、映画監督も「二世監督」と呼ばれることがあるのだろうか。

といっても、わたしは今のところ大島新監督について「二世監督だよねー」なんて噂話は、見聞きしたことはない。そもそも世間一般では「大島渚って誰?」なのかもしれない(わからない人は、検索して調べてみてね)

てなことを思い致していた

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その2 世界が逆転する時ー「ポーの一族」新シリーズ『春の夢』『秘密の花園』ー女たちは生きている。生きているのだ!

(その1から読んでもらえると幸いです)

2017年から再開されたポーの一族、新シリーズ『春の夢』『ユニコーン』『秘密の花園』で、とりわけ特徴的なのは、女性の描き方である。

これまで萩尾マンガの世界で、女である者は、大概殺されるか、消えてなくなるか、その扱いは、酷薄だった。エドガーの大事な妹、メリーベルは、オズワルドの十字架に焼かれ、エディスの姉、シャーロットは火事に焼かれ、ポーツネル夫人も砂粒

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『秘密の花園』萩尾望都(小学館) エドガーは、眠りの中から飛び出す。目を見開くためにーその1

萩尾望都は、夢を見るー

1979年発刊『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』橋本治による萩尾望都論「眠りの中へ…」は、この一言から始まる。

1972年、わたしは10歳、小学4年生のとき『ポーの一族』とその主人公エドガー・ポーツネルに出会った。橋本治の言葉を借りれば、「世界は滅びてしまった」瞬間。萩尾望都が目を瞑るとき、世界は、金色に輝くーその時、子どもにとっての現実世界は滅び、萩尾マンガがつむぐー

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『MINAMATA』『コレクティブー国家の嘘』たまたま出会った二つの映画。強い者が弱い者をいじめて、奪い去る。この世界のー真実ーを描いて…。

ー史実に基づいた物語ーと映画の字幕にあったら。どう感じるだろうか? 

映画『MINAMATA』の冒頭、こういう表現は、誤解を招くんじゃないのかなと思ったのは、すでにわたしが、映画の中で描かれるユージンのエピソードの一つに「作り話」があるという批判を読んでいたからだった。

お金のかかる映画には、さまざまな制約があり、構成の都合で実際にあった事柄を別のエピソードに転嫁したり、複数の逸話を一つに変え

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愚直に、真っ直ぐにー時代は待ったなしに変化をしているーファイターズの新星今川優馬と話題の本『時給はいつも最低賃金〜』(和田靜香著)え?何にも関係ない?

2021 9/12 札幌ドーム F×E 3対0

「おーーーーー!!!」

階下から大きな声が聞こえる。日曜日、わたしは、仕事でオンライン会議の準備の最中だった。何事かとドタバタと階段を降りて。

テレビ画面には、レフトスタンド上段へ消える、白いボールが映っていた。

「今川くんが打ったの!?」

「すげーホームランだったぞ!」

試合を見ていた夫が笑っている。

 今川優馬、2020年ドラフト6

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1976年のプロ野球ニュース

『オレたちのプロ野球ニュース 野球報道に革命を起こした者たち』長谷川昌一著/TOKYONEWSBOOKS 2017刊(写真は表紙から)

「プロ野球ニュース」って1976年に始まったのかあ…。じゃあ始まった時から見てたってことなのか。45年も前の記憶はあまりにも曖昧で、そして自分が本当に年を取ったんだなあ…とつくづく思い知らされて、なんともいえない気持ちになる。

我が家にカラーテレビがやってきた

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『never rarely sometimes always』 勇敢な旅?少女たちは過酷な旅にしか出られないーそれが、この世界のルールだから。『17歳の瞳に映る世界』エリザ・ヒットマン監督作品

全面的に映画の中身について語りますので、これから観る予定の方、内容を知りたくない方は、後々にお読みください。

『17歳の瞳に映る世界』邦題の意味はよくわからない。原題は『never rarely sometimes always』 「 ない まれに 時々 いつも」。

おそらく配給会社は、こちらの方が意味がわからないし、集客も出来ないと考えたと想像できる。美少女二人がクローズアップされる宣伝ポス

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『アメイジング・グレイスーアレサ・フランクリン』1972年、教会から聞こえる歌声は、神とともにありー

小さなシアターの暗がり。上映が始まる前の広告タイムは、長すぎたり多すぎたりで不満の人も少なからずいるけど、わたしは嫌いじゃない。何事も出会い。映画との出会いのきっかけになるのは、間違いない。

その日、何を見に行ったのか、もうすでに忘れちゃったのに、忘れられなかったのは、前宣伝で聞いたアレサ・フランクリンの歌声だった。誰もが知っている名曲「アメイジング・グレイス」。

アレサ・フランクリンは、超有

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『茜色に焼かれる』石井裕也監督作品 田中良子、理不尽と闘うためのアイテムは「ルール」なのか。「ルール」って何さ?

トップの写真は、リンクした公式サイトより、拝借しました。

2020年、去年の初め。中国武漢の状況から知らされることになった新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に世界に広がり、日本でも緊急事態宣言が出され、社会の機能が一時停止した、その頃。

「誰も助けてくれないんだ」

うちの娘がそう話した。若い彼女は、それまでは日本の国の政府や行政は、非常事態が起きたとき、弱い立場の人が困ったとき、助けてくれる

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歌は、どこから来るの? 『ブータン山の教室』(パオ・チェンニ・ドルジ監督)は、ただの遥かなる山の呼び声映画ではない。

トップの写真は、リンクした映画公式サイトから拝借しました。

幸せの国、ブータン王国、と聞いたことはあるけれど、実際ブータンてどこにあるの?

こちらのリンクは、映画『世界で一番美しい村』。ネパールの山村の話でしたが、ネパールとブータンは、お隣同士。文化もよく似ている。標高3000mを超える山岳地帯に、永い時を変わらぬ暮らしを続ける村々がある。

リンクばかりで見づらいですが、こちらは少女マンガに

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「大泉サロンなど、なかった」ー『一度きりの大泉の話』萩尾望都ーから蘇る子どもの記憶は、きっとあなたにも繋がっている。マンガを愛する全ての人たちへ。

今を去ること49年前。ほとんど半世紀が過ぎた昔の話。1972年(昭和47年)わたしは、10歳。小学校4年生。色々なことがあった。鍵っ子になった。隣の仲良しだったえりちゃんが引っ越した。ずい分早い、生理が来た。

そして、生まれて初めてマンガを読んだ。週刊少女コミック。一冊七十円だったか九十円だったか。もう記憶は、さすがに遠く朧げにしかないけれど、マンガ本を手にした興奮は、はっきりと鮮明だ。

その

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