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星野源『よみがえる変態』
源さんの『よみがえる変態』の文庫版。
先の2泊3日の東京旅行と、帰ってきてからの数日をかけて、読了した。
もう、なんて言葉にしたらいいのだろうか。
1994年生まれのわたしは、いま29歳、今年30歳になる。
で、この『よみがえる変態』のもとのエッセイが連載されていたのが、2011年の春ころから。
源さんは1981年生まれだから、ちょうど源さんが30歳前後の頃の日々や風景や思いがつづられて
坂元裕二『花束みたいな恋をした』(シナリオ版)
京王線に揺られながら読んだこの本が沁みまくる週末だった。
絹と麦の日々を描いた、5年間の物語。変わりゆく景色、流れゆく時間がこんなにいとおしくて切ないなんて。数ある花々の中から好きなものを選んで集めて束ねていく過程と、できた花束を大事に愛でる時間と、それが色とうるおいを失っていく様と。すべて込みで「花束」だなと思うなどした。一つの恋ではなく、二人分の、それぞれの恋の物語だった。
坂元さんのあと
若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
「ぼくは今から5日間だけ、灰色の街と無関係になる」
キューバに向かう飛行機に乗った若林さんが、東京のまちを見下ろしたときのことばだ。これを読んだわたしは、いろんな含みを込めた結果「街が灰色」なのだと思っていた。しかしキューバ編を読み終わる頃には、これが「自分の目が、心が、街を灰色に映していた」という意味なのだと気づいた。
この本を読むまでわたしは、旅に出る行為は「逃げる」ことに等しいと思ってい