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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#FRB

ECB「利上げから一抜けた!」- 「インフレ」抑制の役割は日銀に交代?

ECB「利上げから一抜けた!」- 「インフレ」抑制の役割は日銀に交代?

 昨日(1/25)金利を据え置いたECBだが、理事会後のラガルド総裁の発言がマーケットに波紋を投げかけている

 これが筆者の正直な感想(苦笑)。スキーのルールにしてもEV(電気自動車)にしても自分の都合で勝手に変えるのがヨーロッパ。表向きは ”綺麗事” ばかりだが、いつでも "自分本位" 。悪く言えば傲慢。「インフレ」抑制はどこへやら。いつまでナポレオン時代の栄光にすがっているのか、とも言いたく

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市場に身を任せるFRB

市場に身を任せるFRB

 この流れになると 続・「利下げ」はまだ気が早過ぎる ー 「時間」を買うか「リスク」を買うか|損切丸 (note.com) はややミスリーディング(苦笑)。筆者の反省としては前稿でも書いた ”大統領選への配慮” への踏み込みが甘かったこと。

 2021.11.30.に パウエル議長の "心変わり" 。|損切丸 (note.com) で取り消された「インフレは一時的」発言が典型だが、ずっと大統領の

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 ”狼少年” 化する「FRBの利下げ」。ー ビットコイン等 ”煽り運転” も縮小へ。

”狼少年” 化する「FRBの利下げ」。ー ビットコイン等 ”煽り運転” も縮小へ。

 " The boy who cried Wolf." (狼少年)

 ご存知イソップ童話の有名な「嘘をつく子供」(邦題)。「狼が来た!」と嘘をついて騒ぎを起こす羊飼いの少年の話だが、今マーケットでは「FRBの利下げ」が ”狼少年” 化している。

 PMIが弱かったとか色々書いているメディアもあるが、昨日(8/23)米国債の強烈な買い戻しが始まったのはアジア時間から欧州時間にかけて。 ”後講釈”

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マーケット概観 ー 金利、FX、株、etc. @01 Aug 23

マーケット概観 ー 金利、FX、株、etc. @01 Aug 23

 さて日銀YCCの「7月の変」を経てマーケットも徐々に夏休みモードに。FRBによる+5%もの「世紀の利上げ」も終焉に向かいつつあり、「損切丸」で書けるネタも尽きてきた(?苦笑)。ここで一旦総括してみよう。

 <金利>

 アメリカ

 たった1年半で4回連続+0.75%を含む+5%の「世紀の利上げ」を成し遂げたFRB。かつてはメキシコやタイが国家危機に陥ったが、クレディスイスが無くなったりシリコ

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3京円もの「大借金」のツケは一体誰が払うのか?。ー 急浮上した銀行の「信用問題」。

3京円もの「大借金」のツケは一体誰が払うのか?。ー 急浮上した銀行の「信用問題」。

 まずは出たばかりの米雇用統計。時間当り賃金は上昇しているものの、失業率は上昇、NFPの増加数は前月から減っているし3/22FOMCでの+0.50%「利上げ」観測は後退している。

 それよりも急浮上したのが*銀行の「信用問題」だ。カリフォルニアに拠点を置くシリコンバレー銀行(SVB)が国の管理下に入り実質破綻。一気に「信用不安」が拡大している。元々「高金利」を謳い文句に預金を掻き集めていたようだ

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やっと動き出す ”低金利の巨人” 。- アルゼンチンの二の舞を避けるために。

やっと動き出す ”低金利の巨人” 。- アルゼンチンの二の舞を避けるために。

 先週末(12/17土)にこの報が出てビックリした市場関係者が多かったかもしれない。「増税」ばかりが先行する現政権で、初めて「お金」を国民に還元させる政策「利上げ」。最も影響を受けたのはドル円 ↓ だろう。

 ただJGB(Japanese Government Bond、日本国債)をじっくり見てきた「損切丸」にはその "臭い" はしていた。主な理由は2つ:

 ①じわじわと上昇していた5年JGB

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FRBの "本音" 。マーケットの "願望" 。

FRBの "本音" 。マーケットの "願望" 。

 前稿.「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? Ⅲ - 米CPIの中味。|損切丸|note でFRBの "本音" について述べたが、「損切丸」の見立てはそれ程ずれてはいない。FED Dot Plot ( ↑ 標題添付)を見るとターミナルレート@5~5.5%の理事も数人おり、@4.75%止まりですぐ「利下げ」転換を "要求" しているマーケットに釘を刺した印象だ。

 これを受けて米国債はやや売

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続・「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? - 今回のパウエル発言は "とても大事" 。

続・「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? - 今回のパウエル発言は "とても大事" 。

 「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの?|損切丸|note の続編。そこで挙げた2つの比較基準をここで抽出しておく:

 さて今回のパウエル議長のスピーチだが「早ければ12月にも利上げ幅が縮小される」( ↓ 英原文)に焦点が当たっている。

 これを受けてNYダウ、ナスダックとも急反発したような捉え方がされているが、実はちょっと違う。今回のパウエル発言は "とても大事" なので、少し長くなって

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FRBは ”肉”(=株価)を斬らせて "骨"(=インフレ) を断てるのか?

FRBは ”肉”(=株価)を斬らせて "骨"(=インフレ) を断てるのか?

 FOMC@11/2を直前に控え、米国債が金利低下方向に突っ込んでいる。これまでマーケットは+0.50~+0.75%もの「大幅利上げ」に脅え、米国債を売り込んできたが、今回はどうも様子が違う。

 絶対金利 が@5%に接近し「最終局面」と見る向きは多い。 ”複利効果” ↓ も考慮すれば@5%は「金利」が急激に効き始めるポイント。住宅ローンも@7%を突破し、20年で元金の約4倍も払う負担は半端ではな

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FRBの苦悩。- 米雇用統計が導く「逆イールド」の深化。

FRBの苦悩。- 米雇用統計が導く「逆イールド」の深化。

 今度は本物?「逆イールド」。-「日中のドル売り介入」vs 「リセッション」。|損切丸|note からの繋がりとして。

 注目された米雇用統計だが、FRBにとっては悩ましい結果となった。まずまず強い内容だが、時間当り賃金(年率)+5.0% ← 前月+5.2%を見ると「賃金インフレ」には鈍化の傾向も見える。

 だがマーケットの信認が薄いパウエル議長では11月の「利上げ」幅を+0.75% → +0

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「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」完結編。

「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」完結編。

 「強い」

 8月米雇用統計をパッと見た印象である。ドル円が一時@141円直前まで急騰したのも頷ける。

 指標の内容としては、労働参加率が@62.4%に上昇し、2020年3月の「コロナ暴落」前の@64%台までもう一息。その結果、失業率は上昇し、時間当り賃金の上昇圧力が緩和し始めた、とういうのが市場の解釈。

 米国債市場は事前にかなり売り込まれていたため買い戻しが先行したが、相変わらず「強い雇

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続・「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」。ー FXでは「通貨安競争」が激化。

続・「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」。ー FXでは「通貨安競争」が激化。

 「FRBの総意」=「@4%」。「利上げ」の鍵は「雇用コスト」。 ー ”買いたければ売れ” 。|損切丸|note の続報。9/2の米雇用統計発表後に note. しようと "予定" していたが、「損切丸」同様、みんな気が早いというか、何というか...(苦笑)。まあ筆者としては相場 ”勘” がそれ程鈍っていなかったということで…ほっと一息。

 米国債が売られ「金利水準」の上方修正が起きている。まあ

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いよいよ突入?「選挙相場」。ー 大統領になるためなら何でもアリ。相場には必ず "理由" がある。

いよいよ突入?「選挙相場」。ー 大統領になるためなら何でもアリ。相場には必ず "理由" がある。

 結構 ”プロ” の間では先行指標として注目されるミシガン大消費者マインド指数。予想を大きく超える改善で、特に家計の意識改善が示された。NYダウやナスダックの続伸も当然だろう。

 理由は明解。「インフレ」、特に食品・エネルギー価格の下落が家計に "慈雨" となっていること。原油(WTI)、小麦(シカゴ先物)のチャートで見ても、ほぼ「戦争」前に戻している ↓ 。

 どちらも「戦争」のドサクサに紛

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「利上げ」予報 @6/10/2022。ー まずは「インフレ」退治を最優先。「株価維持」は一旦あきらめるしかない。

「利上げ」予報 @6/10/2022。ー まずは「インフレ」退治を最優先。「株価維持」は一旦あきらめるしかない。

 5月米CPI(年率) +8.6% 予想 +8.3% 前月 +8.3%

 「そろそろインフレは沈静化するだろう」

 ウォール街を中心とした ”願望” に近い予測は粉々に打ち砕かれ、金利低下 → 株価上昇のシナリオは頓挫。金利は低下するどころか、米国債1~5年債で+20BPも上昇した。

  "ささやかな抵抗" が5~10年債の ”逆イールド” だが、現時点ではこれも無理筋。何とか金利を下がる方

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