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市場に身を任せるFRB

 " our policy rate is likely at or near its peak for this tightening cycle, ~ While participants do not view it as likely to be appropriate to raise interest rates further, ~ the appropriate level of the federal funds rate will be 4.6 % at the end of 2024, 3.6 % at the end of 2025, and 2.9 % at the end of 2026, ~ These projections are not a Committee decision or plan."
 “growth in economic activity has slowed substantially from the outsized pace seen in the 3rd quarter. "
 “ always a probability that there will be a recession in the next year. "

 この流れになると 続・「利下げ」はまだ気が早過ぎる ー 「時間」を買うか「リスク」を買うか|損切丸 (note.com) はややミスリーディング(苦笑)。筆者の反省としては前稿でも書いた ”大統領選への配慮” への踏み込みが甘かったこと

 2021.11.30.に パウエル議長の "心変わり" 。|損切丸 (note.com) で取り消された「インフレは一時的」発言が典型だが、ずっと大統領の方を向いて金融政策を運営してきた。その後「インフレを何とかしろ!」との命を受け3回連続+0.75%「利上げ」という離れ業をやってのけ、政策金利は「中立金利」(@4.0~4.5%)を大きく上回る@5.25%まで上昇。今回も上げ過ぎた分を戻すだけと考えられなくもないが、 "忠誠心" がここまでとは。

 今回特筆すべきは "a recession" という言葉まで用いて景気の後退リスクに言及した点。その上でマーケットの「利下げ」織込みを追認FED Dot Plot (  標題添付)にも現れている通り、政策金利の推移を2024年@4.6% → 2025年@3.6% → 2026年@2.9%と明示している。

 これを ”免罪符” と受け止めた市場参加者は米国債買いに殺到。溜まりに溜まったエネルギーが噴き出した。「利下げ」開始時期は2024年5月に前倒しされ、イールドカーブはブルスティープ(金利低下を伴う傾斜化)。まさに 今度こそ ”3度目の正直” ? FRBの「利下げ」|損切丸 (note.com)

 これでまだまだお腹ペコペコの株式市場が貪り付くNYダウはあっさり最高値を更新「株本位制」アメリカの本領発揮である。

 ”株安に再選無し”

 大統領選ではこう言われるアメリカだけに今回のパウエル議長には十分な "配慮" が覗える。民主党政権としては1994~1995に「利上げ」を前倒しで進めその後「利下げ」に転じて再選を果たした「クリントンーグリーンスパン戦略」を想起。金融危機に近い中国への "配慮" もあるのかもしれない。

 さてドル円の急落で日銀の判断はどうか

 米国債の急騰(金利は急低下)に連れる形でJGBも買われているが、 「JGB」と「ドル円」をぶん投げているのは誰? ー オモチャにされる「日本」もう懲り懲り|損切丸 (note.com) の観点で見ると「キャリートレード」で突っかけているのは海外ファンドではないか。欧米国債と違いJGBはきれいな「順イールド」(長期金利>短期金利)だけに手掛けやすい。

 今後の国債入札、e.g., 本日20年債入札、で確認されるだろうが「日本金融村」は意外と冷静「XXノミクス」推進派の混乱で「利上げ」に対する障壁は下がるし、財務省としても+1.5%程度で済めば御の字のはず。今回の「増税」騒ぎで "本丸" の「社会保障費」、特に「医療費」の国民負担に対する議論を提起できたのは狙い通りだ。

 ドル円が@142円台ではまだまだ「超円安」。国民の不満を抑えるには@130~135円ぐらいまで持っていきたいところ。昨日(12/12)に発表になった短観も力強い内容で「金利正常化」を妨げる要素はどこにもない「マイナス金利廃止」も含め、こちらも着々と作業が続くものと予想する。

 




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