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#読書日記
境界散文【引用】Gabor Mate, M.D.『身体がノーと言うとき』
うわ、と思う。
わたしは、人体と、中身が分離している感覚がある。これは今に始まったことではなく、ではいつからかと問われると、分からない。それこそ、拒食症になった頃からかもしれない。わたしは生きるのが下手なので、いつもヘトヘトに疲れている。生きていくことは苦しい。死ぬのも苦しい。何もしたくない。だけどもわたしは体力がある。人より長時間働いても売上は伸びるし、人体の回復は早い。
看護助手をして
痛みと神散文 - 『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉』外 須美夫【書評】
麻酔科医で現在ペインクリニックの医師である外 須美夫氏の著者『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉臨床ノオト』を読んだ。
彼の、まるで医師とは思えない文学的センス、そして麻酔科医という視点からの衝撃的な臨床の記録に大変感銘を受けたため、軽く紹介させてほしい。
本書では麻酔の歴史や麻酔科医の誕生に触れたのち、著書である外氏の長い麻酔科医としての印象的な臨床経験が語られる。随所に彼のセンスを伺える詩や俳
軽石散文 - 『嘔吐』サルトル
我々は信じたくない。思い出とは、過去とは、経験とは、ただ、自分のなかに佇むだけで、その体積のわりに、現在に一切の知恵も利益も与えてないことを。それどころか、その思い出のせいで我々は怖気づき、行動は制限され、退化しているとさえいえる状態に陥っている。スピッツの草野さんだって言っている。「君が思い出になる前に、もう一度笑って見せて」と。
成長は退化だ。時間が経てば精神は朽ちる。自分を含めて、人類は
花のノートルダム【ジュネ書評】
読み終わる。
巻末。
手紙の出だし。
本を閉じる
1942年
創造を終え、
この手紙を書いているときのジュネ、貴方は
心底、物語を作る喜びを感じていただろう。
(本作は獄中で書かれた)
すくなくともわたしならそう感じる。
この美しい手紙を読んだら
わたしは泣くかもしれないし、
はたまた、
さすがジュネ、とでもいえるような可憐な裏切りに直面し
苛立つかもしれない
期待は恐
レインとカフカとシェイクスピア【引き裂かれた自己(R.D.Laing)から見るカフカの魅力】
レインの『狂気の現象学』の改訳版である、『引き裂かれた自己』天野衛訳を読んでいて目にとまった箇所があったので紹介させてほしい。
ロナルド・ディヴィッド・レインは20世紀イギリスの精神科医。
狂気を了解可能なものとして認識する論文を数々発表。統合失調症をメインに、" 人が狂気を作りだし、しかし人との関係が患者を治療する" いう寛解モデルを実際の臨床を通して世間に伝えた。
レインの研究はざっくり言