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#大学

方便と対症療法まみれの表面的な世界

私は以前から勉強、学問、試験、大学などについて色々と語ることが多いのですが、世に言う「勉強」≒「試験勉強」や大学という存在そのものについて、まさに「方便」だなぁと思うことが多いです。過去にも試験勉強は作業、本当の勉強は独学という記事に似たようなことを書きました。ある目的のために便宜上行うこと、便宜上の存在、というようなニュアンスです。本質的ではなく、中身がない、中身が問われない。また、「試験」とい

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身分制に学歴に、序列をつけずにはいられない人間様

少し前に書いた大学のあり方に見る「求められる人物像」の変化という記事で、大学の主な設立理由は官僚養成と選抜であり、それが身分制度や藩閥の時代から実力主義や学閥の時代へ変わる変革であったということを書きました。そして現在はどうなったかというと、身分制(血族)と学歴主義と実力主義が混在している世の中だなぁと感じることが多いです。世の中の最トップ層は血族や世襲が主流で、ちょっと下のクラスでは学歴と実力が

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なぜ親は子に「勉強しろ」と言うのか

これまで自分自身の人生を振り返る中で何度も親子関係については考え、noteでも取り上げてきました。「もっとこうしてほしかった」とか色々な思いはありつつも、これだけは本当にありがたかったと思っているのが、親は私に「勉強しろ」と言ったことがない、ということです。このことは何度も書いていますが、本当に言われた記憶はなく、いつも自ら進んで勉強していたように思います。中学受験についても自分の意志で決めたこと

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大学のあり方に見る「求められる人物像」の変化

大学について色々掘り下げてみようと思ったのは、私自身が受験戦争で疲弊してきた学生時代を送ってきたということもありますし、大学というのはそこに至るまでの教育にも、そこから先の雇用や就職にも深くかかわる機関なので、社会を見つめる上で重要なポイントになるなと思ったからです。一般的に「教育」と言うと、どうしても「いい大学にいくためには」的な話になりがちなのも気になっていました。そこで、大学に関する本をいろ

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信念・前提・常識を捨てることの難しさ

今も昔も興味の対象が多すぎて、なかなか一つのテーマを集中して学んだり書いたりすることができないのですが(汗)、最近は大学や教育に関することを書くと言いながら、古代文明の本などを読み漁っています。全然テーマ違うじゃん!という感じなのですが、古代文明の本を読みながら大学や教育のあり方について考えさせられることもかなりありました。

どの分野にせよ、「アカデミズム」や「学問」における「正統派」、「権威」

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権威の解体と情報のフラット化についての考察

昨年末の引きこもり生活で改めて向き合う自分自身 という記事で予告していた、「大学」や「教育」についての考えを少しずつ書いていきたいと思います。昨年12月に起きた土星と木星が重なるグレートコンジャンクションという出来事を境に、「風の時代」が到来するといった話が、占星術やスピ系を中心に話題となっています。これまでは「地の時代」、これからは「風の時代」に変わるよ、と言われても…という人も多いかもしれませ

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就活や婚活も、「偏差値」至上主義?

先日、例によって心の友と話していて気づいたことがあったので書いてみたいと思います。最近は大学に通う意味や奨学金について考える記事を書いていて(大学に通う意味と金銭的負担のしわ寄せ、奨学金が「就職するための借金」になっているの記事参照)、結局大学に行くのが「当たり前」で、そうしないと就職できなくなっているから行くだけという人が大半なのではないかと考察していました。そして、そのことが教育費の増大、少子

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大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい

大学の存在意義や奨学金、働く女性と子育てなど、社会にまつわるあれこれを考察する続きの記事です。先日書いた、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事でも触れましたが、大学全入時代と言われて久しい現代において、大学に進学する理由として一番大きいのは「みんな行ってるから」「就職に大卒の肩書が必要だから」ということではないかと思っています。私も何も考えずに大学に進学した一人ですが、大学に高等教

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理念は「平等」、しかし性差は超えられない

前回まで、教育や大学進学について思うところを書いてきました。大学全入時代と言われて久しいですが、大学進学率のデータを見てみると確かに年々上昇していて、特に女性の大学進学率はここ数十年で急激に増加しています。私が大学に入るころのH18年には約40%、最新のデータでは約48%と、半数近くにも上っているようです(参考:平成29年版男女共同参画白書 概要版 )。女性が高い教育を受けられなかった時代から、女

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大学に通う意味と金銭的負担のしわ寄せ

2月に入り受験シーズンもいよいよ本番。これまでも受験、勉強、大学などをテーマに色々と書いてきました。前回は、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事を書き、大学で学ぶためではなく、就職で有利なように大学卒という肩書が欲しいがために、若いうちに借金を背負わなければならない現状をやや批判的に見てみました。低賃金で借金返済の負担もあれば、晩婚化になるのも頷けます。少子化問題も耳にタコができる

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奨学金が「就職するための借金」になっている

1~2月は受験シーズンということもあり、教育に関する話題が多めです。例によって心の友とやりとりをしていて、「大学は(いい会社に)就職するために行くだけになっていて、奨学金は実質就職するための借金みたいなもんだよね」という話になりました。大学や教育といったものも資本主義の原理に取り込まれてお金!お金!となり、本来的ではなくなっているのではないかという考察をしていました。

人々が大して勉強する気もな

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勉強嫌いを量産する「比較」「テスト」

世の中の人々に勉強が好きかどうか、アンケートを取ったらどのような結果になるのでしょうね。多くのお父さんお母さんが「子どもが勉強しなくて…」と嘆いているという状況(それも本当かどうか…)を考えると、勉強大好きで学習意欲に満ちた人というのは割と少数派のような気がします。「勉強」とひとくくりにしてしまいましたが、学校の勉強は嫌いだけど好きなことに対してはすごく熱心に学ぶとか、逆に受験や資格試験の勉強には

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試験勉強は作業、本当の勉強は独学

明日はセンター試験。私も12年前は受験生でした。中学受験、高校受験、大学受験を経験し、公務員試験を受け、宅建試験も受けたりと、受験勉強や試験勉強に随分と時間と労力を割いてきた人生だったと思います。noteにおいても勉強や賢さ、知識や教育といったことを話題にすることも多く、私にとって「NO勉強、NO LIFE」(古い?)と言ってもいいくらい、非常に重要な関心事です。

親しい人や初めて会った人に「普

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自発的に学ぶからこそ知恵がつく

ここ2回に渡る記事で、学歴や会社がステイタスとなっている社会だからこそ「それが当たり前だから」と漠然と大学に進学してしまった自分を振り返っていました(漠然と流されて生きる人生の無意味さ、学歴・会社がステイタス=人を見る目がない社会の記事参照)。大学受験から12年、大学卒業から8年ほど経って、当時勉強していたことがどれだけ今も身についているか考えてみると、ほとんど忘れてしまっていて役に立たないものに

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