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瑳月 友(さづき ゆう)
2023年10月9日 18:16
俺は23歳になる今まで、彼女がいたことがない。 正確には、彼女を作ったことがない。 告白されたことはあるんだ。3回は。中学の時に1回。高校の時に2回。 でも、どれも直接ではなくて、「○○さんが立石君のこと好きだってよ」という、代理の女友達からの伝言的な、消極的な告白。 その場に当の本人がいなかった時もあるし、いても物陰から様子を見ていたり、離れたところで俯いていたりで、直接言われたことは
Kusabue/現代俳句 +AI
2024年3月6日 18:50
季語:卒業( 仲春 ) 現代俳句かご=籠卒業は、学校の全課程を学び終えること式のあと、自転車で下校する卒業生のすがたを見かけることもあります◇関連記事◇
時田クリオネ
2023年10月23日 17:00
夢の中で数年ぶりにあの人に会って、目が覚めたら涙で枕が濡れていた。別にあの頃に戻りたいとかじゃないけど、懐かしさと切なさに胸が苦しくなって朝食をスキップする。女の子にはそういう朝がある。それでも満員電車に乗って出社して、お昼に同僚の女の子とペペロンチーノを食べたりする。食後にカフェラテをテイクアウトして午後の仕事もそれなりに頑張る。会社帰りに最近いい感じの男と中華を食べに行く。白いブ
桜小路いをり
2023年4月13日 19:10
青空に触りたかった白鳥は星座になって羽を休める可惜夜を摘んで窓辺に吊るしたら 寂しさに効く薬草になる
ユメノ
2022年11月3日 08:49
狂おしいほど甘やかな花の香りは、容易にユウイの夢に忍び込んで、意識を揺さぶった。遠くから玲瓏と鈴の音がして、ゆっくりと近附いてくる。 すぐ傍らに、跪く人の気配がするけれど、瞼は開けない。瞼は重い。心ゆくまで睡っていたい。目覚めることが尊いとは、とうてい思えないのだし。 ならば飽くまで惰眠を貪っていたい。天成の怠け者の肉躰は、するすると夢の世界へと舞い戻ろうとするけれど、この花の香りが邪魔をす
矢口 慧
2022年10月30日 00:17
ぼんやりと昼寝から目を覚ます。一瞬、ここがどこなのかわからなかった。自分の家ではない天井。ごりごり、と何かを削るような音。漂ってくるコーヒーの香り。 ああ、そうだ。 僕はゆっくりと身体を起こした。「あ、お目覚め?」 僕が起きたことに気付いたのか、キッチンにいた恋人は振り返って微笑んだ。先日買ったばかりのコーヒーミルで、豆を挽いている。 そうだった、昨晩、僕は恋人の家に泊まった。お菓子を
つくも
2022年7月30日 21:58
何を作るにしても、じっくり考えるのと、パッと思いついたのとで分かれる。パッと思いついたものはスッと入ってくるんだとか。これもパッと思いついてサッと書いてるから、スッと入ってくるのかな。
華染凪人
2020年3月29日 07:00
最前列で君に手を振る。 モニターの中で歌う君に、僕は現実の世界から手振るんだ。 ヴァーチャルの身体は、箱の中に隔離された空間で本物になる。 君が歌うその一瞬、その場所は本物の光に輝き始める。 僕が座っているこの場所は、君がそこにいる間だけ、仮想空間に同居して、君の最前列に行くことができる。 鳥の名の衣装を着た君に連れられて、僕は少しの間だけ現実を離れることができるんだ。 わけ