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#コラム

『読む』というクリエイティブの力 #BOOKTALK

『読む』というクリエイティブの力 #BOOKTALK

読書は情報をインプットするための受身な行為である。
世の中はアウトプットの重要性を説く言説で溢れているし、読むだけ・見るだけではたしかにお金は稼げない。

しかしインプットが人間の行為である限り、全員が同じ感じ方をすることは不可能だ。
さらにアウトプットはインプットに対する個人のフィルターありきのものだから、インプットの時点で私たちは創造性を発揮している。

読むことは、それ自体がクリエイティブな

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これから子育てする親が、子どもの事以上に気を付けなくてはいけない事。

これから子育てする親が、子どもの事以上に気を付けなくてはいけない事。

記念すべき第一子が産まれ、これからはじめての子育てをするパパ、ママへどうしても伝えたいことがあります。
それは、

何よりも、親の体調を第一に。

と言うこと。
子どもが産まれたばかりで、可愛くて、愛しくて、でも色んなことがとにかく不安だったり心配だったりすると思います。わが家も、出産後数日で娘の黄疸の値が下がらずに急遽転院して入院したり、授乳がなかなかうまくいかなくて大変だったりいろいろありまし

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ほんとうのものに触れたくて。

最近、エッセイが好きだ。

昔は、大人がエッセイを読むのを見て、小説より面白いものなのか疑念を持っていたけれど、今noteではエッセイばかり読んでいる。
面白いというか、浄化される気がするんだなぁ。私の代わりに私のどろどろを浄化してくれる。

なんというか、いろいろと包装されていない、ほんとうのものが、そこにあるように思う。
悩みや、真剣に考えたこと、心動かされたこと、日常から紡ぎ出される特別、そ

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"大いなる疑問"を追っているか

"大いなる疑問"を追っているか

「禅には3つの柱がある。1つは"大いなる信仰心"、1つは"大いなる精進"、そして最後は"大いなる疑問"だ」

臨済宗寺院の副住職にインタビューした時、そんな話を聞かせてくれた。ここで言う「信仰心」とは「基準を設定する」ことに近いという。何事もまず始める時は、それの基準となる教えが必要。それを忠実に守ることに努力を重ね、ある所まで来たらそれを疑え、ということのようだ。

ライティングでも似たことが言

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世界を変えるかもしれない”問いかけ”の話

世界を変えるかもしれない”問いかけ”の話

「スタニスラフスキーという人が書いた『俳優修業』という本があってね」
と、教えてくれたのはシナリオの教室に通っていた頃、特別講師として来てくれたベテラン脚本家の方でした。

『俳優修業』はタイトルの通り、俳優を志す人や俳優としての成長を目指す人のため本なんですが、脚本を書く人間にとっても重要なことがたくさん書かれているというお話だったので、張り切って読み始めたわけです。

ところが正直、読むのがと

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ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

ブックレビュー ロバート・マッキー著『ストーリー』(7)前半 第3部 ストーリー設計の原則 ストーリーの本質 

更新の間が空いてしまい、申し訳ありません。
『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』のレビュー第七回を投稿します。
(各回をまとめたマガジンはこちらです。)

※これまで1章分ごとにレビューをしてきましたが、第7章にあたる『第3部 ストーリー設計の原則 7 ストーリーの本質』はボリュームが大きいため、投稿を前、後半に分けます。
この投稿は「前半分」です。

※ こちらのレビューは

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怒りと嫉妬と執着はすぐに書いてはいけない

怒りと嫉妬と執着はすぐに書いてはいけない

ほとんどの情報は食材と一緒で鮮度が大事だ。つまり、なるべく早く調理・加工したほうが美味しくいただけますってことだ。でも、一部の情報や感情に関しては鮮度があると全然美味しくないものもある。その代表的なものが「怒り」と「嫉妬」と「執着」だ。

たとえば、ちらっと見かけたものについイラっとした時に、脊髄反射でその反論を書いてしまう。原文をろくに見もせずに。

たとえば、別れた恋人のことが忘れられずに数ヶ

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つい読んでしまう文章とは?文章力はインプットとアウトプットの掛け算なのかもしれない説

つい読んでしまう文章とは?文章力はインプットとアウトプットの掛け算なのかもしれない説

昨日の続きで、うまいと思う文章を書く人にある秘訣がなにかを探ってみよう。

まず、僕が思う文章がうまい人をいくつかあげておく。

前提としてこのnoteの運用上で役立つヒントが欲しいので、SNSで発信している人であり、基本的には小説家やエッセイストというよりはもう少し目指しやすく親しみやすさを感じるコピーライターさんなどに狙いを絞っている。

ほぼ日の糸井重里さん

cakes連載のBarBoss

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死ぬ事以外はかすり傷だがそれでも痛い

死ぬ事以外はかすり傷だがそれでも痛い

少し前の一時期に「死ぬ事以外かすり傷」って言葉が流行っていた。言葉の出元や詳細を知っている訳では無いが、どうやら死んでしまう以外の悪い物事は所詮かすり傷なので気にするな、的な意味合いらしい。

言いたい事は分かるしそれぐらい前向きにいきたいものだ、とは思うが、それでも傷は痛いのだ。痛いのを好きな人は(あまり)いないと思う。

大きい傷よりかすり傷の方が妙に痛かったり、ずっとチクチクして気になり続け

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エモい文章の作り方

エモい文章の作り方

エモい。この不明瞭な形容詞が定着するなんて思わなかった。

エモさとは何なのか? Wikipediaには「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動きなどを意味する日本語の形容詞」と書いてあるけれど、いまいちよくわからない。

一方で、私の文章は、「エモい」と評価をもらうことが多い。謎めいた形容詞で言い表される文章とは一体どういうことなのか?

こんなことを書きながらも、自分自身

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優れた編集者は「引き算の技術」「割り算の技術」を持っている

優れた編集者は「引き算の技術」「割り算の技術」を持っている

興味のある情報であるのにも関わらず、その情報量の多さゆえにウッとなってしまうことが、たまにある。

今回は、優れた編集者は、そのウッを「引き算の技術」と「割り算の技術」で上手に取り除いているのではないか、という考察コラムである。

そもそも、そのウッの正体とはなんだろう。

例えば、長野県出身の私は、東京に初めて上京した時、景色の情報量が多すぎてウッ!!!となった。一つ一つの情報が新鮮でキラキラし

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ごく普通の会社員が365日noteを書き続けたらどうなったか

ごく普通の会社員が365日noteを書き続けたらどうなったか

noteの毎日更新を始めてから、今日でとうとう365日です。シンプルに、うれしい!

でもね、厳密に言えば、始めのころは24時間以内に更新していたわけではありませんでした。最初の2か月くらいは、自分が起きてるあいだに1投稿できればOKというルールでやってました(今は24時間以内に書いてます。なぜならnoteからの〇日連続更新おめでとうメッセージが嬉しいから)。

1度だけですが、起きてるうちの投稿

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思ってもないほめ言葉は身を滅ぼす

思ってもないほめ言葉は身を滅ぼす

SNSの時代になって、自分の言葉は遠くまで届くようになった。極端な話、部屋のなかで小声で言ったひとことが、Wi-fiとやらに乗って、ブラジルのサンパウロ市まで秒で届くみたいな感じだ。こんな時代になると、人々は互いの言葉を待ち受けるようになる。建物の陰に隠れ、酔っ払いながら言った不用意な言葉をひとつ聞くと、「言った!」という感じで建物の陰から出てきて、その言葉の狩りを始める。

こうした世界では、言

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noteを続けて学んだ3つのこと

noteを続けて学んだ3つのこと

noteで発信し始めてから、もう一年になる。

ある日の夜、心のモヤモヤをどこかにぶつけたい!と強く思って、夜中に取り憑いたように書いたのが土屋鞄さんのnoteだった。

このnoteは、未だに一番お気に入りで、これからもこれ以上のものは書けない気がする。

こんなに短い言葉で、これほどまで思いを十分伝えられたことはないと思う。

まだ一年しか経っていないけれど、noteを始めて本当に良かっ

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