奥村 美紀 miki okumura

のんびりアカウント。嫌いなもの: 言葉に無責任な人。好きなもの: 天かす。

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消えた縫い糸

分かっていた。 全ての縫い糸を捨てたのは母だ。 きっとなんの躊躇もなく。 うちの地域では燃えるゴミの日は月曜と木曜。ごみ収集車が来る8時前に、私は母が捨てたそれを仕事前に確認した。 今日は何を捨てているのだろうと。 数週間前から、自分の物で捨てられるものを品定めしては、ゴミ袋に詰める母の姿を、私と父は極力見て見ぬ振りをしていた。 その姿はまるで、自らの命を削り取っていくような行為に思えた。 母自身の数少ない服を捨てることはそれこそなかったが、母の最新作である、

    • 「その人の未来を一緒に見たい」って思ったこと生まれてこの方なかったんだけど、その人に出会ってあたしの未来も一緒に見てほしいって思えたから、「日々の良質な継続」こそ大事にしようって改めて心に落とし込まれた。人生っていきなりジェットコースターに乗り込める時がある。

      • 059. 花々は心を豊かにする

        仕事の合間のランチに、六本木の毛利庭園を散歩した。風の強い昼だった。2011年、大阪大学での研究では「人間がもっとも幸福に感じる温度13.9」なのだという。すこし寒いと感じるくらいがいいのだ。 2004年 コーネル大学の論文では仕事に適した温度25度。40パーセントタイピングエラーが減って、仕事の効率が2.5倍良くなったそうだ。 ただ、人間の体はその気温に慣れてしまう。 昼に体を調整させるために外の空気を吸う、というのはだから大事なのだ。 写真の中に現実が閉じ込めれる

        • 058. 小説においての人物造形

          3月9日に「ENOTECA online」に載っていた井上荒野氏のレポート&インタビューはあたしの栄養になっている。小説を書きたいと思っている人には刺さる言葉ばかり。 「小説って人物を造形しなくてはいけないんですよね。私は小説を書く際に、ストーリーよりも先にまず、この人はどういう人なのか、ということを考えます。筋を考えていると食事のシーンって必ず出てきますよね。私はそこをものすごく考えます。例えば、女の人が男に何かいやなことを言われた後にひとりでご飯を食べるとしたら何を食べ

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        • 「その人の未来を一緒に見たい」って思ったこと生まれてこの方なかったんだけど、その人に出会ってあたしの未来も一緒に見てほしいって思えたから、「日々の良質な継続」こそ大事にしようって改めて心に落とし込まれた。人生っていきなりジェットコースターに乗り込める時がある。

        • 059. 花々は心を豊かにする

        • 058. 小説においての人物造形

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          3本
        • 短編小説 「恋」
          16本

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          【ココシャネルの言葉】 「醜いのは許せるけど、 だらしないのは許せない」 ・汚い部屋 ・下品な言葉遣い ・だらしない体型 習慣は、直せます。 生まれ持った素質は仕方ないです。 習慣で直せる部分は直しましょう。 【人生の大体の部分はどうにかなる】

          【ココシャネルの言葉】 「醜いのは許せるけど、 だらしないのは許せない」 ・汚い部屋 ・下品な言葉遣い ・だらしない体型 習慣は、直せます。 生まれ持った素質は仕方ないです。 習慣で直せる部分は直しましょう。 【人生の大体の部分はどうにかなる】

          057. 春が始まる、写真を送ろう

          3月初旬、すでに自宅近くで桜は満開だった。まだまだだと思っていたがあっという間に咲き誇った。美しい写真というのはインスピレーションが湧きやすい。好きな人に送るでもその気持ちは「好き」と言うより伝わりやすい。 近くに寄ってみる。 もっと近くに寄ってみる。 9分咲きといったところか。 昔、好きな人に「もう好きと言わないけど、綺麗な写真撮ったら送ります」と言ったことがある。相手は優しく「うん…」と答えてお互いに120%の満足を得られた覚えがある。 誰でも、綺麗なものは心が

          057. 春が始まる、写真を送ろう

          056. 言葉で表すということ

          文藝春秋BOOKSに載っていた角田光代氏の井上荒野氏に対しての表現が好きだ。 角田氏によると、井上荒野の小説の魅力は“言葉で書かれていないこと”だという。“言葉で書かれていないことがある。作中の現実はこう進行している”のに、それとは別に“もっと違うことが背後で大きく立ち上がってきて、立っている人間の上を雲がざあっと移動して、日向だったのが日陰になっていく”感じだ、“現実がどんどん変わっていってしまう”ことが作品には多く、それが“非常に魅力的だ”というのである。 井上氏は、

          056. 言葉で表すということ

          055. 作者の意図と作品の雰囲気

          読者として、一つの作品の入り口に立ったとき、これは疾走感のあるものなのか、一文章ずつ噛み砕くように読むものなのか予想するが、大体見開き2ページで全体の雰囲気が頭にかぶさってくる。 コロンバニの「三つ編み」は読後、その疾走感に圧倒され、井上荒野氏の「綴られる愛人」は今それこそ噛み砕くように読んでいる。どきどきして一気に読み続けられないが、どんなに時間があいても前回の絵が頭にスッと入ってくる。 疾走感のある方は読み飛ばしているわけではない。表現される文章は的確で、次の頭に浮か

          055. 作者の意図と作品の雰囲気

          054. 掃除と言葉の連鎖

          昨日の帰宅後「一箇所だけでも掃除するか」と床にクイックルワイパーをかけていた。気になる箇所一箇所だけだと決めていたけど、掃除し始めると他のところも気になってきて、いつのまにか部屋中が整ってきた。 あ、整うってこういうことだと身をもって知ると、このまま「小説書ける!」と思って綺麗になったテーブルの前に腰を下ろす。 結局家族が寝る時間になり中断はされたけれど、集中する環境を作るのには「気になる」という意識の流れ一つでこうして連鎖させることができる。 これは文字を書くときに似

          054. 掃除と言葉の連鎖

          053. プロフィールに全て人柄が出る

          プロフィールに嫌いなもの、好きなものを追加してみた。 言葉に無責任な人。天かす。 あたしの場合、プロフィールが面白いとフォローしてしまう。あのたった数行で自分を全て表さなければならない、と思っている。センス、それに伴う技術が必要とされる。そういう人のnoteは読んでても飽きない。 センス……って? 「物事の微妙な味わいを掴み取る働き」 最終的には受け手が捉える気持ちの良さに依存するものだけれど、技術もある人は、受け手にうんと言わせる言葉の力がある。 今まで生きてき

          053. プロフィールに全て人柄が出る

          いつもこの言葉で我に帰る。 「生きた証とは何か。自分は何を残したいのか。それは人それぞれで違うでしょう。財産や地位を残したいと思う人を私は否定しません。それが証なのだと信じているのなら、それでもかまわないと思います。ただ、そんなものはあの世には持っていけませんよ。」

          いつもこの言葉で我に帰る。 「生きた証とは何か。自分は何を残したいのか。それは人それぞれで違うでしょう。財産や地位を残したいと思う人を私は否定しません。それが証なのだと信じているのなら、それでもかまわないと思います。ただ、そんなものはあの世には持っていけませんよ。」

          052. 誰に向かって書くか

          今まで、自分の大賞や入賞作品を振り返ると、いつのまにか書く指が止まらない、みたいなものが結果を残してきたように思う。書いてる時の熱は、やはり読者に届くのだと思う。 でも最近は小説の神様は降りてきてくれない。 生活や、外部から来るメッセとかに気が散っているのと、インプットが足りない。それは圧倒的に読書量ともいえるかもしれない。 実は今日、AmazonからPomera DM200が届いた。 無線LAN搭載の電子メモだ。Kingjimから出ている。 これで外へ持参すれば集中

          052. 誰に向かって書くか

          051. 小説読む意味、書く意味

          小説が読めない病って皆少なからず通る。なぜ役にも立たない他人の書いたノンフィクションなんて読まなきゃならないのか、書いてるのか。 大賞など取り、価値化されて初めて読まれるものも多い。あたし自身の作品も大賞取ったものは読まれがちだけど、他は微妙だもの。 小説は留めておけないものを留めたいという作者のエゴの塊。無意味だなと思ったり、いや意味はあると思い直したり、日々行ったり来たりしている。 下向きの時はプロの言葉にならう。 直木賞作家の井上荒野さんの言葉だ。 井上さんは

          051. 小説読む意味、書く意味

          ‪小説を書く人には2種類いるらしい。‬ ‪人生がかかっているか。‬ ‪生活がかかっているか。‬ ‪人生がかかっていると、一冊は書ける。‬ ‪生活がかかっていると、何冊も書ける。‬ ‪生活がかかってるやつの書く小説が読みたいし、自分も書きたい。‬

          ‪小説を書く人には2種類いるらしい。‬ ‪人生がかかっているか。‬ ‪生活がかかっているか。‬ ‪人生がかかっていると、一冊は書ける。‬ ‪生活がかかっていると、何冊も書ける。‬ ‪生活がかかってるやつの書く小説が読みたいし、自分も書きたい。‬

          ‪ぼぉっと考えていたけれど、私が好きな異性の特徴は「謙虚さ」に尽きる。それは「品性」とイコールで、ふわりとその人の周りに清潔感が漂う。だから好きな人へ見る目線として「あー、あたしはあなたになりたい」になる。だから、「あなたになりたい」と私が言ったら、それは告白と同レベルだ。‬

          ‪ぼぉっと考えていたけれど、私が好きな異性の特徴は「謙虚さ」に尽きる。それは「品性」とイコールで、ふわりとその人の周りに清潔感が漂う。だから好きな人へ見る目線として「あー、あたしはあなたになりたい」になる。だから、「あなたになりたい」と私が言ったら、それは告白と同レベルだ。‬

          バーチャル遠距離

          あらすじ: 好きな人にフラれた。それでもとても優しい「ごめんなさい」だったのに、受け入れきれない。「受け取るあたしの器の問題だ」透子がそう思って意識的に足を向けた場所とは。 --------------------------------------------------  フラれた。  5年勤めてる会社の、3つ年上の、とっても憧れてた人。  その日はもう週末の金曜。休日の土曜がすぐ来て本当に助かった。  半分開いた窓の外、スズメの声と朝の白い光で起きた。鏡を見るま

          バーチャル遠距離