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〈働きたくないイタチと言葉がわかるロボット〉で言葉について考える

〈働きたくないイタチと言葉がわかるロボット〉で言葉について考える

【読書記録】
みなさん、ごきげんよう。
突然ですが、「皆でのんびりご飯」と言ってもらってもいいですか?

せぇーーのっ!

「みんなでのんびりごはん!」

さて、お気づきでしょうか。
ここに出てくる「ん」の発音が全て違うということに。

❑みんなの「ん」は舌が前歯の裏に付く「ん」
❑のんびりの「ん」は唇をつける「ん」
❑ごはんの「ん」は舌がどこにもつかず、喉を閉じるようにする「ん」

この音の違う

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パートナーに向ける笑顔

パートナーに向ける笑顔

暑い日が続いているとどうしても余裕がなくなる。
それでも家の中では出来るだけ不機嫌にならないように気をつけているかもしれない。
疲れているとき、笑顔はあまり向けてないかもしれない。

そういう不機嫌さというのは伝播し、相手も不機嫌になるもので、さらにその相手の関係する人たちにも伝播していく。

しんどいときこそ、身近なひとに向ける顔は無理やり笑顔を作る。
ある意味で、アランの幸福論ではないけれど、

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所信表明をするのに必要だったのは、大江健三郎と看護師と大工だった。

所信表明をするのに必要だったのは、大江健三郎と看護師と大工だった。

死者の奢り・飼育
大江健三郎

私と大江健三郎の出会いの本である。
私の初めての大江健三郎は死者の奢りである。
大江健三郎の商業上のデビュー作。
私が決定的に大江健三郎を好きになった本。

そして、私が読書を通じて進みたい道を理解した本。

その後、私は万延元年のフットボールへと進んだ。

これは、読むと約束した本だった。

どうして読もうと考え、どうして約束したか分からないけれど。

自分の心に

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初心に帰る道には、萩原浩と私の20年。忘れられない一冊と忘れられないバストを添えて。

初心に帰る道には、萩原浩と私の20年。忘れられない一冊と忘れられないバストを添えて。

今朝、いつもの通りInstagramを開いた。画面に出てきたその本は、私の忘れられない一冊だった。その人の感想は、

何度も笑いをこらえきれず、涙目に。ユーモアとの絶妙なバランスがまた良かった。

と書いてあった。

やっぱり誰かに笑いを与えている。
それはやっぱり私を初心にさせる。

今週末は私にとって大事な人達に会う日だ。
それは自分の気持ちをあっという間に20年近く戻してくれる大切な時間だ。

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私が描く女性論を、いつか三島由紀夫、谷崎潤一郎に語れのるだろうか

私が描く女性論を、いつか三島由紀夫、谷崎潤一郎に語れのるだろうか

📚 #夏子の冒険 #三島由紀夫

私はよく疲れた時に三島由紀夫を読む。
と言いつつ、そんなに多く読んでいるワケでもないし、理解しているワケでもない。

ただ、日本語というより三島の言葉、熟語の羅列の美しさを魅せてくる手法が読んでみろ、感じろ、俺を視よ、と言われている気がして心地よくなっていく。

三島の文体はそれ単体で美しく、ただ読み進めるだけでも楽しいものだと思っている。

今まで、読書に

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