六月の 最初に見た山 霧揺蕩う
意味もなく焦る
季節を生活の中に取り込む。簡単そうに見えて、忙しいとついつい取り逃がしてしまう「特別な日常」に、ふと立ち止まる。追熟のために部屋に置いている梅の実が、じわじわと色を変えていい香りをまとい始める。 世の中は気がつくともう六月が始まっていたので、私は慌てて羽毛布団を片付けたのでした。