yuhi(ゆひ)

79年生まれ|一児の父|短い小説&短歌|春ピリカグランプリ2023 すまスパ賞…

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79年生まれ|一児の父|短い小説&短歌|春ピリカグランプリ2023 すまスパ賞受賞|ダウン症の我が子のインスタ&短歌中心のX(Twitter)もどうぞ↓

マガジン

  • 神さまたちの詩歌集。

    降りてきた詩や短歌たち。

  • 毎日超短話2024

    超短い話を毎日1話ずつ。2024年版

  • 受賞作品&ご紹介作品記事一覧

    応募企画の受賞作品、ご紹介頂いた作品の記事を収納しています。

  • ショートストーリーまとめ。

    【小説】毎週ショートショートnote&シロクマ文芸部&他短編小説。400〜2000字程度。

  • 日々と世界を思う文章とか2016.1~

    日々の思いと発見を綴った文章とかです。

最近の記事

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【書籍化】毎日超短話(歌)2023

2023年に書いた「毎日超短話」ほぼ全話、そして2023年の短歌の中から71首を、一冊にまとめました。 タイトルは「毎日超短話(歌)2023 」。 全272ページ。 ※一部、校正見落としで重複ページなどがあります、ご容赦くださいませ🙇(改訂予定) 簡易的な作りのため、背表紙は入れられませんでした。自分でラベルしてもいいかも。 4月から3月へと流れていく構成。 文字はちょっと小さめ。 歌詞カードのようなイメージです。 短歌ページは、1ページに一首。 Amazonプリ

    • 4月の全短歌④一億超の

      31 脳内の総再生数一億超終わることない思春期がある 32 思い出を一枚一枚スクショして君に手渡す秘密の答え 33 脈なしの恋でも拍を打っている等間隔を装いながら 34 背中とか腕とか手にはないけれどどこでもいける羽根があるから 35 夕方に目覚めた猫と目が合っておまえは帰れとビームを放つ 36 あしたまた会うために言うさよならの軽さで心が空をゆく 37 この海の広さは知らなくてもいいや深く潜っていけそうだから 38 チアリーダーのポンポン持って踊ってるような木

      • 毎日超短話591「宝箱」

        こどものころに埋めた宝箱は、今はマンションの下に眠っている。もう掘り起こせないけど、そこを通るたびに宝箱を開けているような気持ちになれる。 一年前の超短話↓ 書籍版はこちら↓

        • 毎日超短話590「お通し」

          友だちが遅れるというので、一人で居酒屋に入った。お通しです、と言って出てきた高野豆腐が苦手なので箸を付けられずにいる。しばらくして店員が別のお通しを持ってきた。そら豆。これも苦手だ。ズッキーニ、アボガド、温泉たまご、たこわさ……苦手なものが次々と。お通しでテーブルがいっぱいになったところに、遅れて友だちがやってきた。 全然通してくれないね? と笑いながら友だちはいっぱいのお通しを平らげた。やっと注文できたけど、友だちはお腹いっぱいのようだった。 一年前の超短話↓

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        記事

          毎日超短話589「800と4」

          800と4、どっちが偉いと思う? スマホから目を戻した友だちが聞いてきた。今から悩みを聞いてもらおうと思ってるのに、何の話かまるでわからない。さっき見ていたSNSには、800のいいねがあって、4よりは嬉しいかもしれないと思っている。 でも、その4の中の一人に大ファンがいたら? あー、そしたら4でも1でも、十分かもしれない。なんてそれを想像してうっとりしてしまって、頬杖をついた。 で、なんか悩みあるの? こんなこと言ってくれるたった一人の友だちが、わたしにとっては偉大

          毎日超短話589「800と4」

          毎日超短話588「青と春」

          実家の自分の部屋のクローゼットを開けると、青と春が飛び出してきた。部屋中を飛び回ってはしゃぎまわる。懐かしい歌を歌いながら。やがて満足したのか、クローゼットの中に帰っていった。またね、と挨拶をする。それを見届けて、実家をあとにした。 一年前の超短話↓

          毎日超短話588「青と春」

          毎日超短話587「休日」

          遅刻、遅刻〜 と、パンを口にくわえて駆け抜ける少女を見かける。角を曲がったところで、チーンと音がなったのが聞こえた。トースターでパンを焼いていたと思う。口もとのパンが焦げている。焦げたパンの匂いが漂ってきたとき、今日は休日だと思い出した。いい日になりそう。 一年前の超短話↓

          毎日超短話587「休日」

          【短歌】注目を集めた7選その2

          各所で注目頂けた短歌を7選、紹介します。 あこがれの雪になれずに耳もとで泣いてるみぞれの温かさすき コトバディアへの投稿作品、テーマ「あこがれ」の一首。Xスペースにおいて、丸山永司さんの「短歌と歌の日」に取り上げて頂きました。 みぞれが雪になれないのは、雪より温かいからという思いです。 手に取らず廻る帆立を眺めれば母が隣で笑う気がする ラジオ石巻「たんたか短歌」への投稿作品。テーマ「帆」の一首。ラジオでは放送されませんでしたが、秀歌佳作として会報に載せていただきまし

          【短歌】注目を集めた7選その2

          毎日超短話586「花吹雪」 

          花吹雪が窓から見えるカフェのトイレに財布が置いてあって、それを店員に渡す。コーヒーを飲み終えて、帰る。店のドアを開けるとすれ違い様、慌てた顔で誰かと花びらの集団が舞いながら入ってくる。たぶん、財布を忘れた人だろう。外に出ると花吹雪が花道のように道を開けた。悪い気はしない。 一年前の超短話↓

          毎日超短話586「花吹雪」 

          4月の全短歌③丸くする人

          21 映えるのに疲れたスマホ留守にしてさあ目を閉じて世界を描け 22 もしもしと電話の真似をする君と話してるのは神様か母 23 いつまでも可視化されない傷があり風が撫でてるときだけ気付く 24 「おかえり」と迎えてくれる子のための花火のような「ただいま」がある 25 悲しみよ急いでおいで今やっと涙腺のフタ外したところ 26 花びらが前髪に降り色めいた彼女と春がステップを踏む 27 西日とか赤信号とかチャイムとか教えてくれる限りあるもの 28 起きてまず君がいるこ

          4月の全短歌③丸くする人

          毎日超短話585「夕焼け」

          その人は一日一枚絵を描く。理由は? って聞いたら、毎日誰かの誕生日だから、プレゼント。って言ってた。その人の名は確か、夕焼けだったっけ。 一年前の超短話↓

          毎日超短話585「夕焼け」

          毎日超短話584「決意」

          恋人と恋人になる前の手紙を読み返している。 俺は曇り空が好きだな、雨も晴れもどっちにもなれる、曇り空が。 今、彼はどっちにいきたいんだろうか。手紙をしまって決意する。今日、彼にプロポーズする。 一年前の超短話↓

          毎日超短話584「決意」

          毎日超短話583「蛾とわたし」

          日に焼けただけです、と言いながらバッグに止まったのは、蝶ではなくて蛾。払おとしたけど、コンプレックスだらけの自分みたいに思えて払えなかった。蛾とわたしは、しばらく並んで空を見る。そろそろ行くよ、と蛾が先に飛び立った。わたしもそろそろ行かなくちゃ、わたしの道を。 毎日超短話↓

          毎日超短話583「蛾とわたし」

          毎日超短話582「友だち」

          友だちかどうかは確認していない人とお茶をしている。ドーナツを食べようとすると「半分交換しよう?」と言われる。ドーナツを半分にすると、さっきまであった穴がなくなった。たぶんいま、友だちになった。 一年前の超短話↓

          毎日超短話582「友だち」

          毎日超短話581「秒針」

          リビングの時計を見上げ、カチカチという秒針の音が気になる、と妻は秒針を外した。音はなくなったが、短針と長針は「話す相手が居なくなって寂しいね」と一時間ごとに言葉を交わしている。 一年前の超短話↓

          毎日超短話581「秒針」

          4月の全短歌②桜の教室

          11 一回も話すことなくさよならをする人もいる桜の教室 12 花の名は覚えないけど君の名は忘れることなく庭に咲いてる 13 公園の土管に隠れてキスしたい桜が雨に飛ばされてる日 14 再会の時のくるのを馳せている激流をゆくお魚の群れ 15 ほんとうは聞いてなくても「そうだね」と答えてくれるそれもまた愛 16 ああそうか、今日は今日しかなかったとさよならをする声で気がつく 17 強運の持ち主だから大丈夫、大丈夫だよって抱きしめる吾子 18 この花を君に渡して泣いたな

          4月の全短歌②桜の教室