yuhi(ゆひ)

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79年生まれ|一児の父|短い小説&短歌|春ピリカグランプリ2023 すまスパ賞受賞|ダウン症の我が子のインスタ&短歌中心のX(Twitter)もどうぞ↓

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    日々の思いと発見を綴った文章とかです。

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【書籍化】毎日超短話(歌)2023 amazon/楽天ブックス

2023年に書いた「毎日超短話」ほぼ全話、そして2023年の短歌の中から71首を、一冊にまとめました。 タイトルは「毎日超短話(歌)2023 」。 全272ページ。 ※画像は見本版…

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2週間前
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毎日超短話603「ホームラン」

それは打った瞬間にわかる花火のようなホームランだった。バッターは「いってきます」と言って悠々とバッターボックスを出た。ダイヤモンドをまわる途中で、花を愛でたり、…

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7時間前
17

5月の全短歌①リトルジャーニー

1 しあわせがあふれてしまって淋しさが旅に出てる日少し淋しい 2 乗り換えをしたはずなのに行き先はふるさとまでのリトルジャーニー 3 俺の中モンシロチョウが棲んでいて…

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23時間前
23

毎日超短話602「靴の絵本」

息子が絵本を踏んでいる。踏まないよって声をかけようと思ったところで、やめる。表紙の靴の絵を履こうとしてるところだったから。 一年前の超短話↓

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1日前
33

毎日超短話601「しあわせ沸点計」

片想いをしている友だちが、「しあわせ沸点計」のテスターを手に取った。体温計みたいなそれは、しあわせの沸点を100℃として、現在どれくらいのしあわせかを測ることがで…

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2日前
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毎日超短話600「曇り傘」

曇りの日は頭痛がするという彼女は、傘を差している。雨傘でも日傘でもなくそれは、内側に青空が描かれている、曇りの日の傘。少しでも頭痛が和らぐようにって、彼女は言う…

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毎日超短話599「三日月と猫」

いつもうちに来ている野良猫が最近来なくなった。猫は死に際がわかるっていうからね。とおばあちゃんが言う。死んでしまったかどうかはわからないけれど、三日月の日には、…

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4日前
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毎日超短話598「小さなアスリート」 #青ブラ文学部

小さなオルゴールの中に小さなアスリートがいて、オルゴールの中の出っ張りのところを乗り越えている。こんど「SASUKE」に出るんでね。と小さなアスリートは言った。同じと…

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5日前
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4月の全短歌⑤《終》ボンジョルノプリンチペッサ

41 好きじゃないわけを並べて泣くほどの恋をしているあなたを見てる 42 雲間からこぼれる青がほらねって出口はあるよとささやいている 43 ふわふわの羽毛がひとつ取れる…

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6日前
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毎日超短話597「ナビゲーター」

行きたくない場所をカーナビに入力しようとすると、なんどやっても「目的地が見つかりません」と言われる。試しに行きたい場所を入力すると、「目的地付近です」と言われた…

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6日前
23

毎日超短話596「休」

ぼくはあした木になろうと思ってるよ、休みだからね。と言った昨日のともだちを、川沿いで見かけた。すっかり緑になった桜の木を抱きしめている。一日中それを見ていて、日…

yuhi(ゆひ)
7日前
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毎日超短話595「泡」

見間違いだと思うけど、ビールの泡の中に人魚姫が映っていた。泡になるとは聞いていたけど、ビールとは。お疲れさま、と言ってあげたい。 一年前の超短話↓

yuhi(ゆひ)
8日前
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毎日超短話594「ミニシアター」

ふらりと入ったミニシアターで観た映画に、ぼくがちょこちょこと出ていた。配役でいうと、エキストラの立ち位置。喫茶店とかエスカレーターとか通勤路あたりにちらちらと。…

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9日前
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毎日超短話593「ペンギンの名残り」

ペンギンだったころの名残りで飛べないんだけど。と、彼は空を見上げている。でも、ペンギンの名残りで、並んで歩くのは好きなんだよね。告白の返事がイエスかノーかはわか…

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10日前
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毎日超短話592「モバイルオーダー」

ファストフードのモバイルオーダーのメニューに「エール」という文字があった。ジンジャエールの間違いかと思いながら、ポチッとそれを購入する。やってきたのはやっぱりジ…

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11日前
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4月の全短歌④一億超の

31 脳内の総再生数一億超終わることない思春期がある 32 思い出を一枚一枚スクショして君に手渡す秘密の答え 33 脈なしの恋でも拍を打っている等間隔を装いながら 34 背…

yuhi(ゆひ)
12日前
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【書籍化】毎日超短話(歌)2023 amazon/楽天ブックス

【書籍化】毎日超短話(歌)2023 amazon/楽天ブックス

2023年に書いた「毎日超短話」ほぼ全話、そして2023年の短歌の中から71首を、一冊にまとめました。

タイトルは「毎日超短話(歌)2023 」。
全272ページ。

※画像は見本版のため、実際の色合い、紙質などと異なります🙇

簡易的な作りのため、背表紙は入れられませんでした。自分でラベルしてもいいかも。

4月から3月へと流れていく構成。
文字はちょっと小さめ。
歌詞カードのようなイメージ

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毎日超短話603「ホームラン」

毎日超短話603「ホームラン」

それは打った瞬間にわかる花火のようなホームランだった。バッターは「いってきます」と言って悠々とバッターボックスを出た。ダイヤモンドをまわる途中で、花を愛でたり、アリの行列に並んだり、たんぽぽのわたげに息を吹きかけたりしてるものだから、なかなかホームに帰ってこない。まあ、いいか。ゆっくり帰っておいで。

*
妻の詩↓

一年前の超短話↓

5月の全短歌①リトルジャーニー

5月の全短歌①リトルジャーニー

1
しあわせがあふれてしまって淋しさが旅に出てる日少し淋しい

2
乗り換えをしたはずなのに行き先はふるさとまでのリトルジャーニー

3
俺の中モンシロチョウが棲んでいておまえでいけと粉を振りまく

4
君にしか見えない地図が埋まっててどうやらぼくは照らす係だ

5
もしかして違う世界があるかもと手をかけるドアとりあえずノック

6
この腕は羽根なんだよというように風を切り裂きベビーカーが浮く

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毎日超短話602「靴の絵本」

毎日超短話602「靴の絵本」

息子が絵本を踏んでいる。踏まないよって声をかけようと思ったところで、やめる。表紙の靴の絵を履こうとしてるところだったから。

一年前の超短話↓

毎日超短話601「しあわせ沸点計」

毎日超短話601「しあわせ沸点計」

片想いをしている友だちが、「しあわせ沸点計」のテスターを手に取った。体温計みたいなそれは、しあわせの沸点を100℃として、現在どれくらいのしあわせかを測ることができるのだという。

「41℃だって。お風呂だったら、ちょうどいいね」

ちょうどいいなら、このままのほうがいいのかもしれない。同じくらいの温度なら、の話だけど。

一年前の超短話↓

毎日超短話600「曇り傘」

毎日超短話600「曇り傘」

曇りの日は頭痛がするという彼女は、傘を差している。雨傘でも日傘でもなくそれは、内側に青空が描かれている、曇りの日の傘。少しでも頭痛が和らぐようにって、彼女は言う。なんにもできないぼくは辛くて少し泣いてしまった。

あ、虹。

傘の青空に虹が架かっている。
ありがとうと言った彼女を、ぎゅっと抱きしめる。

一年前の超短話↓

毎日超短話599「三日月と猫」

毎日超短話599「三日月と猫」

いつもうちに来ている野良猫が最近来なくなった。猫は死に際がわかるっていうからね。とおばあちゃんが言う。死んでしまったかどうかはわからないけれど、三日月の日には、月に腰掛けているのを、わたしは何度も見かけている。

一年前の超短話↓

毎日超短話598「小さなアスリート」 #青ブラ文学部

毎日超短話598「小さなアスリート」 #青ブラ文学部

小さなオルゴールの中に小さなアスリートがいて、オルゴールの中の出っ張りのところを乗り越えている。こんど「SASUKE」に出るんでね。と小さなアスリートは言った。同じところで転んでいるので、ゆっくり回すことにする。

こちらのお題で投稿させて頂きました〜🙇

一年前の超短話↓

4月の全短歌⑤《終》ボンジョルノプリンチペッサ

4月の全短歌⑤《終》ボンジョルノプリンチペッサ

41
好きじゃないわけを並べて泣くほどの恋をしているあなたを見てる

42
雲間からこぼれる青がほらねって出口はあるよとささやいている

43
ふわふわの羽毛がひとつ取れるごとわたしの中の夕陽が落ちる

44
今日君が「アンパンマン」と言ったから愛と勇気が友だちになる

45
からっぽの心に水をやるように君の涙がわたしを潤す

46
何にでもなれるわけではないけれど一秒あれば幸せになる

47

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毎日超短話597「ナビゲーター」

毎日超短話597「ナビゲーター」

行きたくない場所をカーナビに入力しようとすると、なんどやっても「目的地が見つかりません」と言われる。試しに行きたい場所を入力すると、「目的地付近です」と言われた。そっか、もう目的地に着いてたんだっけと、車を降りて家に戻る。家族が「おかえり」と迎えている。

*
先日、ライブでブルーハーツの「ナビゲーター」を歌いました。ノリノリの息子の様子をよかったらご覧ください。

一年前の超短話↓

毎日超短話596「休」

毎日超短話596「休」

ぼくはあした木になろうと思ってるよ、休みだからね。と言った昨日のともだちを、川沿いで見かけた。すっかり緑になった桜の木を抱きしめている。一日中それを見ていて、日が暮れた。ともだちが木から離れて、ぼくらの休みは終わった。

一年前の超短話↓

毎日超短話595「泡」

毎日超短話595「泡」

見間違いだと思うけど、ビールの泡の中に人魚姫が映っていた。泡になるとは聞いていたけど、ビールとは。お疲れさま、と言ってあげたい。

一年前の超短話↓

毎日超短話594「ミニシアター」

毎日超短話594「ミニシアター」

ふらりと入ったミニシアターで観た映画に、ぼくがちょこちょこと出ていた。配役でいうと、エキストラの立ち位置。喫茶店とかエスカレーターとか通勤路あたりにちらちらと。

映画が終わって明かりがつくと、観客が一人だけいた。主人公だと思う。会ったことはないけど、ずっと隣の隣の隣あたりにいた人だ。お互い気付かないまま。そういう映画の一員がぼくにもたくさんいるのだろう。

一年前の超短話↓

書籍版毎日超短話&

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毎日超短話593「ペンギンの名残り」

毎日超短話593「ペンギンの名残り」

ペンギンだったころの名残りで飛べないんだけど。と、彼は空を見上げている。でも、ペンギンの名残りで、並んで歩くのは好きなんだよね。告白の返事がイエスかノーかはわからないけれど、わたしにもきっと、ペンギンの名残りがある。

一年前の超短話↓

書籍版↓

毎日超短話592「モバイルオーダー」

毎日超短話592「モバイルオーダー」

ファストフードのモバイルオーダーのメニューに「エール」という文字があった。ジンジャエールの間違いかと思いながら、ポチッとそれを購入する。やってきたのはやっぱりジンジャエールだったけれど、紙ナプキンに「フレー!フレー!」という文字と、チアリーダーが踊る絵が描かれていた。

「応援してます」

店員さんは、そう言って握手を求めた。思わず手を差し出して握り返す。そのぬくもりで、静かに涙をこぼした。

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4月の全短歌④一億超の

4月の全短歌④一億超の

31
脳内の総再生数一億超終わることない思春期がある

32
思い出を一枚一枚スクショして君に手渡す秘密の答え

33
脈なしの恋でも拍を打っている等間隔を装いながら

34
背中とか腕とか手にはないけれどどこでもいける羽根があるから

35
夕方に目覚めた猫と目が合っておまえは帰れとビームを放つ

36
あしたまた会うために言うさよならの軽さで心が空をゆく

37
この海の広さは知らなくてもいい

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