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記事一覧
5月の全短歌①リトルジャーニー
1
しあわせがあふれてしまって淋しさが旅に出てる日少し淋しい
2
乗り換えをしたはずなのに行き先はふるさとまでのリトルジャーニー
3
俺の中モンシロチョウが棲んでいておまえでいけと粉を振りまく
4
君にしか見えない地図が埋まっててどうやらぼくは照らす係だ
5
もしかして違う世界があるかもと手をかけるドアとりあえずノック
6
この腕は羽根なんだよというように風を切り裂きベビーカーが浮く
4月の全短歌⑤《終》ボンジョルノプリンチペッサ
41
好きじゃないわけを並べて泣くほどの恋をしているあなたを見てる
42
雲間からこぼれる青がほらねって出口はあるよとささやいている
43
ふわふわの羽毛がひとつ取れるごとわたしの中の夕陽が落ちる
44
今日君が「アンパンマン」と言ったから愛と勇気が友だちになる
45
からっぽの心に水をやるように君の涙がわたしを潤す
46
何にでもなれるわけではないけれど一秒あれば幸せになる
47
常
【短歌】注目を集めた7選その2
各所で注目頂けた短歌を7選、紹介します。
あこがれの雪になれずに耳もとで泣いてるみぞれの温かさすき
コトバディアへの投稿作品、テーマ「あこがれ」の一首。Xスペースにおいて、丸山永司さんの「短歌と歌の日」に取り上げて頂きました。
みぞれが雪になれないのは、雪より温かいからという思いです。
手に取らず廻る帆立を眺めれば母が隣で笑う気がする
ラジオ石巻「たんたか短歌」への投稿作品。テーマ「帆」
3月の全短歌④RECYCLE
31
急いでる人のつま先止めている寝起きのモグラが春告げるので
32
同じもの食べてきたからぼくたちは点になってもたぶん似ている
33
えいやっと投げたボールが今日やっと届いた気がする君に振られて
34
川上に投げかけたもの川下に流れくるから刃は研がない
35
分度器で測ったように正確に45度だけ心を許す
36
かなしみのすぐとなりではよろこびの花が朝露を注いでいる
37
幼さを内ポケ
3月の全短歌③春待ち
21
遠足の持ち物の欄に書いてあるおやつ、水筒、楽しむ心
22
笑い合う友の目尻の皺を見て生きたよねって送るテレパシー
23
先生が好きじゃないので学校に行かない君の正しさが好き
24
あの店のあの席ふたつ空いているいつかのぼくらリバイバルする
25
上司でも部下でもないね君はただいっしょに暮らす小人のようで
26
先月の一位の雲を眺めてるそのうちきっと忘れる雲を
27
どれくらい調子
3月の全短歌②気がする
11
また会えることを知ってるさようなら響いて誰かそっと傷つく
12
トゲトゲの葉っぱが隣合っている教室の枝、水やりする子
13
アルバムを見ながら吾子が唱えてる喃語はまるで般若心経
14
霧雨がスマホの上に触れていて点々になるあの人の文字
15
「YES以外、NOだよ」っていうやりとりをわかってやれよ、それが愛だろ
16
手に取らず廻る帆立を眺めれば母が隣で笑う気がする
17
いつの