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毎日超短話600「曇り傘」

曇りの日は頭痛がするという彼女は、傘を差している。雨傘でも日傘でもなくそれは、内側に青空が描かれている、曇りの日の傘。少しでも頭痛が和らぐようにって、彼女は言う。なんにもできないぼくは辛くて少し泣いてしまった。

あ、虹。

傘の青空に虹が架かっている。
ありがとうと言った彼女を、ぎゅっと抱きしめる。



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