6月の全短歌⑥《終》取ってきた翼

51
ブランコを漕いで生まれた風たちが吾子をくすぐり笑わせている

52
夕暮れを隠した空があるんだねだからまぶたが赤いんだね

53
したいことやってごらんよギリギリのとこまで君を見守る係

54
やり方が100通りある生き方の101個目のことを個性と言う

55
前日の喧嘩が不毛であったことそれとなく知るベランダの服

56
寝るときに邪魔になるから取ってきた翼のない子は天の使い

57
雨と晴れどっちがいいと聞くような空に続きを決めてもらう日

58
「どの傘に当たって落ちるつもりなの？」「少し淋しい人のところに」

←⑤雨の月

6月、58首。
雨のうたが多かったですが、まだ梅雨は続きますね。