毎日超短話660「ダイバー」
カプセルトイから出てきた彼は、コップの縁に腰掛けるタイプ。
「いつでも、行けます」
ダイバーの装いの彼は、親指を立てている。次の瞬間、アイスコーヒーの中に彼は飛び込んだ。黒い海の中は、外から見えない。しばらくして、彼は縁に戻ってきた。また、親指を立てている。
「いつでも、行けます」
また同じことを言って、笑った。彼をテーブルに置いて、レモンソーダを注文する。こんどは綺麗な海を泳いでほしくて。
「いつでも、行けます」
彼は親指を立てている、少し口角を上げながら。
一年前の超短話↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?