新谷雅先

新谷雅先(しんたにまさき) 昭和32年福岡県くきなみ村生まれ。詩やエッセイを書いて、今…

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新谷雅先(しんたにまさき) 昭和32年福岡県くきなみ村生まれ。詩やエッセイを書いて、今世を遊んでいます。ここでは高校時代から作っている詩や歌を紹介しています。日記は⇒https://blog.goo.ne.jp/shinta1488 で書いています。

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【music】湖上

中原中也の詩『湖上』をイメージして作った曲です。

    • 【詩】ぼくは忘れない

      転校した小学校の同級生から 声変わりしたおっさん声で 電話がかかった時の ショックをぼくは忘れない 二十歳の頃、久しぶりに 初恋の人と会った時に その人が孕んでいた ショックをぼくは忘れない 高校の同窓会名簿 親しかった友人の欄に 物故と書かれていた時の ショックをぼくは忘れない 若い頃に好きだった人が おばちゃんになって 目の前に現れた時の ショックをぼくは忘れない 更にその人にはすでに 数人の孫がいると 聞いた時の ショックをぼくは忘れない

      • 【詩】ゲリラ豪雨

        ・・・・ ドブドブ、ドブドブ、ドブドブと 聞き慣れない音の雨が降る。 ブカブカ、ブカブカ、ブカブカと 聞き慣れない音が窓を打つ。 もはや意味のなくなったワイパーは 面倒くさそうに水の中を泳いでいる。 窓の外はゆがんでいるのか。 いやいや、雨でにじんでいるのだ。 水と空気の対比はほとんど9:1で 10:0にならないのは、何とか地面に タイヤが触れているからなんだな。 いずれにしても、このまま走っていては 危ない。と、さっきからぼくは 広めの路肩を探している。・・・・

        • 【詩】元気に小便

          古い思考に頼っていても 今ある問題は片付かない なぜなら今ある問題は 古い思考の積み重ね 今の思想に頼ってみても 今ある問題は片付かない 理想ばかりが先走っては 新たな問題を生んでいく 今ある問題に対処するには そこから吹いてくる風を 焦らず騒がず期待して 待っているのが一番だ 元気に小便、風が吹く 元気に小便、夢がわく 今日も焦らずやっていこう 今日も楽しく待ってみよう

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        【music】湖上

        【music】湖上

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        記事

          【詩】空のスイマー

          空のスイマーは 両手を大きく広げ スイスイと流れるように 風の中を泳いでいく。 遠い日の 水の中の想い出が 空のスイマーの 頭の中を駆け巡る。 暑い日、水の中を 懐かしむかのように 空のスイマーは スイスイと流れるように 風の中を泳いでいく。

          【詩】空のスイマー

          【詩】確かに今でも君はぼくの中にいる

          あれは高校一年、 国語の授業の時だった。 何となく後ろを振り向くと 君がぼくを見ていた。 その時からいくつもの歌を 君のために作った。 だけど君にその歌を 聞かせることもなく。  時は過ぎて行った、  ドラマなど起こらないままに。  だけど、  確かに今でも君はぼくの中にいる。 高校二年の秋、 ひとりで校庭を歩いてた。 その時君が現れて ぼくに話しかけた。 ぼくは何と言っていいのか わからず言葉を伏せた。 あれが運命の 分かれ道だったと思う。  それ以来君と話すことに  た

          【詩】確かに今でも君はぼくの中にいる

          【詩】汗

          頭の上に重く大きな塊が乗っている 塊には猛暑という名前がついている その重さに押されて汗が染出てくる 塊の中にはいろんな夏が入っている 声を発して塊の中を飛び回っている その声に刺激されて汗が染出てくる

          【詩】汗

          【詩】サイダー1968

          ピチピチ、ピチピチ、 ピチピチ、ピチピチ、 宿題帳の横にあるサイダーが、 しきりにピチピチはねている。 この問題を解いたら飲んでやる。 そう心に決めてぼくは、 算数の問題をずっと見ている。 机の上には各科目の教科書と、 読書感想文の課題図書と、 何も書いてない二百字帳と、 噛みあとのあるエンピツと、 コンパスで名前を彫った三角定規と、 あまり使ってない分度器と、 無意味な消しゴムのカスでいっぱいだ。 とりあえず視界から遠ざけた 少年サンデーの今週号が気にかかる。 ピチピチ

          【詩】サイダー1968

          【詩】満員電車

          飽くことのない人の夢が 真夏の日々の汗に消えていく 取り乱さずに言葉を吐けば 見えぬ疲れが息を詰まらす  幸せかい、こんな人混みが  楽しいかい、こんな人混みが 休む間もなく満員電車で 生暖かい風、身にくらって 夜はまだかと時を恨んで 帰るまではと体裁つける  幸せかい、こんな人混みが  楽しいかい、こんな人混みが 憂いに満ちた満員電車で 今日はどこへと曇り空を見る  幸せかい、こんな人混みが  楽しいかい、こんな人混みが

          【詩】満員電車

          【詩】来世人事

          神さまお願いがあるのです。 次の人事のことなのですが、 私を口元が針になっている 奇怪な容姿の生き物として 誕生させないでくださいな。 動物の血を頂戴することが 究極の目標のような人生を、 動物の血を頂戴することで 目のかたきにされる人生を、 あゆませないでくださいな。 種族を絶やさないためにと ひ弱そうな男と交わった後、 狂ったように生き物の血を 求めて飛ぶ悲しい女の性を 背負わせないでくださいな 叩き潰される人生が嫌です。 煙に巻かれ命を落とすのも、 新種殺虫剤を試

          【詩】来世人事

          【詩】19歳のお盆

          一人前に恋をしてるんだよと 母が息子の秘め事を触れ回る。 まあ、お盆に恋の話なんてと 近所のおばさんが笑い出す。 仕事を探す方が先だろうがと 親戚のおじさんが怒り出す。 そもそも恋とは何であるかと 読経後に坊さんが語り出す。 その恋のお裾分けをせよと 仏壇のご先祖様が迫って来る。

          【詩】19歳のお盆

          【詩】今日を前に進もう

          何ごとも前に進むためには 前を向かなければならない ところが今日という一日は 後を向くことで美化される 前が後になってしまうんだ だから前に進めないんだよ

          【詩】今日を前に進もう

          仏罰

          上の記事は、22年前の3月のお彼岸に書いたものです。 内容は書いてある通りです。

          【詩】早口経

          チーン、チーン、チーン 坊主は上手に屏風に 隠れてそろばんはじく 坊主は上手に屏風に 隠れて金貯める 坊主は上手に屏風に 隠れて寄付つのる 坊主は上手に屏風に 隠れて土地を買う 坊主は上手に屏風に 隠れて毒を吐く 坊主は上手に屏風に 隠れて嘘をつく 坊主は上手に屏風に 隠れて酒を飲む 坊主は上手に屏風に 隠れて女抱く 坊主は上手に屏風に 隠れて咳をする 坊主は上手に屏風に 隠れて手抜きする チーン、チーン、チーン

          【詩】早口経

          「あなかしこ」なんて書いたら、宗派がわかりますよね。

          「あなかしこ」なんて書いたら、宗派がわかりますよね。

          【詩】お盆

          風の通らぬ仏間に、 線香と蒸れた果物のにおい 色とりどりの落雁 テーブルの上にならぶ、 瓶ビールと栓抜きと ビール会社のロゴ入りグラス 枝豆、ピーナツ、柿の種 肩幅の広い黒衣の坊主 分厚い経本と南無阿弥陀仏 足のしびれと扇風機 常に誰かがいる、お盆 あなかしこ、あなかしこ

          【詩】お盆