【詩】サイダー1968
ピチピチ、ピチピチ、
ピチピチ、ピチピチ、
宿題帳の横にあるサイダーが、
しきりにピチピチはねている。
この問題を解いたら飲んでやる。
そう心に決めてぼくは、
算数の問題をずっと見ている。
机の上には各科目の教科書と、
読書感想文の課題図書と、
何も書いてない二百字帳と、
噛みあとのあるエンピツと、
コンパスで名前を彫った三角定規と、
あまり使ってない分度器と、
無意味な消しゴムのカスでいっぱいだ。
とりあえず視界から遠ざけた
少年サンデーの今週号が気にかかる。
ピチピチ