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禁書 Avalancheの原点 鷹狩りの書 吉越英之訳 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 イスラエルに駐在したこともありフリードリッヒ二世 については、多少御縁があります。しかも至近本書の訳者吉越さんともお話する機会を得るという望外の幸運に恵まれました。

運と勘としつこさの人生…

ですね。


 タブーを越えて解析的なアプローチをした方の渾身の1作の翻訳です。確か英語版は6部作になっていて、本書はその1-2だと思います。

鷹狩りの書
原タイトル: De arte venandi cum avibus(重訳)

原タイトル: The art of falconry


タイトルは…

鳥の本性と猛禽の馴らし

詳細内容

フリードリッヒ二世 著/吉越英之 訳 / 四六判 / 344ページ

ISBN 978-4-8299-7105-5 2016年8月8日発売

定価3,080円(本体2,800円+10%税)

13世紀半ばの神聖ローマ皇帝フリードリッヒ二世自らが著した原題「鳥による狩りの技術について」の訳書。鷹狩りに使うタカの習性、捕獲方法、飼育・狩猟技術のほか、狩猟対象となる他の鳥の習性なども驚くほど詳細に記述。

キリスト教の教義に支配されていた当時のヨーロッパでは希有な科学的視点に立った記述がなされており、「狩猟の教本」でありながら、記述には近代以降の鳥類学によって実証された知見も数多くみられる。

著者はローマ教皇と対立、破門にされた人物であり、長らく著書は禁書とされ封印、世に出ることはなかった。

出典

鷹狩りの書 吉越英之訳

著者紹介:吉越英之 1937年生まれ。千葉工業大学卒。東京大学生産技術研究所、マックスプランク金属研究所(ドイツ)、東北大学選鉱製錬研究所で鉄製錬反応の基礎研究に従事。日本鋼管(現JFEスチール)で技術開発に従事。私的にはルネサンス前史に興味を持ち、フリードリヒの時代を超えた科学的思考に感銘を受け『ルネサンスを先駆けた皇帝』(2009年、慶友社)を上梓、彼の思想を反映した本書の訳出に至る。元千葉工業大学非常勤講師、工学博士。

 エルサレムをイスラム教徒から奪還した神聖ローマ皇帝フリードリッヒ二世は、ヨーロッパで最初の国法典を制定し、科学や芸術に通じた皇帝。

 私もイスラエルに駐在、テルアビブに事務所が有った頃に神聖ローマ皇帝フリードリッヒ二世がエルサレムを奪還した件は印象に残っていました。

 その前のローマ皇帝時代の遺跡カエサリアの一部がレストランになっていました。遺跡を見学した後にそこで地中海料理と地元産のヤルデンワインを頂き、当時を想ったりしてゆったりと流れる時間を楽しんだものです。

 そもそもカエサリアという街は、ローマ皇帝カエサル・アウグストゥス(在位BC27~AD14)にちなんでヘロデ王(在位BC37~BC4)が作った街です。今はホテルも整備されているようです。

出典

 イスラエルの重層的な歴史は素敵なのです。そんなイスラエルの奪還に関わったフリードリッヒ二世の生涯も極めて興味深いところです。

ルネサンスを先駆けた皇帝
慶友社

出典

フリードリヒの時代を超えた科学的思考に感銘を受け上梓した
『ルネサンスを先駆けた皇帝』(2009年、慶友社)

 ということで、まぁ教養としてルネサンスというAvalanche(アバランシェ 雪崩)の原点たるフリードリッヒ二世の生き方理解への取っ掛かりをご紹介致しました。

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