葛の葉日記

たまたまその辺にあったものに魅入られて

葛の葉日記

たまたまその辺にあったものに魅入られて

記事一覧

落ち葉

陽がおちてからの散歩で 犬が溝を気にするのでのぞくと 流れる落ち葉を追っていたのでした なぜか笑みがこぼれて そのなごみが自分でもわからず でもそれが今日のハイライ…

1

虫展を見に美術館へ 本草学や博物学など今見て科学的と感じる視点と そうでないものを続きで見られたのがおもしろく 一寸の虫にも五分の魂とは いつから言うたか知らんけ…

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前からいまひとつ正体のわからないものに 宝珠や擬宝珠(ぎぼし)がある 橋の欄干に付いていることのある スライムみたいなやつは何か?と 大人にきいたら「『ぎぼし』や…

葛の葉日記
13日前
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国技

相撲中継で相撲場にお神輿が来て 2024年ですが江戸下町の風情とか言う 江戸下町風情には憧れるが、今年は残暑も灼熱で こんななかお神輿とか🫠 昔からのお祭りなどそう簡…

葛の葉日記
2週間前
1

午睡

巻いた葉をまくらに水に浸かり 葉陰に睡るも水面に太陽が添い寝して 暑がる睡蓮

葛の葉日記
3週間前
2

しまつ

イチジクをたくさんもらって 好物だった人のことを思い出す あるとき民族衣装が面白くて 和服のことももっと知りたくなり 近所の和裁ができる方のご厚意で 教えていただい…

葛の葉日記
3週間前
4

MANNENBERG

老ピアニストが南アフリカの砂漠に浜辺に グランドピアノをおいて奏でる その姿にチャンネルを止め耳をかたむける そのなかで聞いた 感情はかたむかずニュートラル かろや…

葛の葉日記
3週間前
2

日の入

借りた犬と歩くマジックアワー 土手の向こうに寺社のうえに 夕やけ色のうつろいや 神様の筆さばきとは誰が言ったか 雲のあらゆるかたちに陶然と 入道雲が染まるのを初めて…

葛の葉日記
1か月前
3

球体

最近TV番組で見た話 お寺の住職が企画した地元の戦中資料の展示 口のついた陶製の球体を見せて 何と思うかと問う 「一輪挿しか何かのよう」と取材者は答え 住職も「お酒も…

葛の葉日記
1か月前
5

夕涼み

「夕涼みイベント」の文字が目に入った 陽が落ちても気温さほどさがらず 翌日、陽がまたのぼろうとする前でも30度弱 日時まで目に入らなかったが 果たして夕涼むこと叶うの…

葛の葉日記
1か月前
4

蜂の巣

へやの窓を開けて風を通してたら 黒っぽいアシナガバチみたいなんが入ってきてん カーテンレールカバーの上を なんか機嫌良さそーに歩いて行き来すんねん まさか巣ぅ作ろ…

葛の葉日記
2か月前
4

見たことのない目ぇ のうなったばっかりの人の目ぇ 光を湛えた真っ黒で なんかちっちゃい星みたいなんも いっぱい見えたような気ぃがするのは ファンタジー? その印象が…

葛の葉日記
2か月前
2

プラグなし

気温30℃をこえない日はすごしやすい 先ほどから聞こえるのは耳鳴か蝉の声か 耳を澄ますこの周期性は蝉 いつ梅雨は明ける 飛行機が通るたび重く鳴る空 暮れかかる部屋を灯…

葛の葉日記
2か月前
5

whole universe

完璧ないろかたちの花を見ておもう かつてスペイン観光ツアーで見た カトリック建築のおびただしい聖人像 イスラム建築の幾何学や植物模様にカリグラフィー 仏像は人がた…

葛の葉日記
3か月前
1

人の寝静まるころ

湯あがりに水分を欲しペットボトル緑茶を ゴクゴク飲んでしまった深夜 うつらうつら蛙の合唱に巻き取られつつ ベッドでずっとぐっすりできず 空がかすかに白み始めたかと見…

葛の葉日記
3か月前
2

子羊の脳4個

体質的にこう暑いと野菜やフルーツしか食べたくなく 食欲増進のためハーブやスパイス、少しのアルコールを 活用しようとなる ヨーグルトもミントもオリーブ油もニンニクも…

葛の葉日記
3か月前
2

落ち葉

陽がおちてからの散歩で
犬が溝を気にするのでのぞくと
流れる落ち葉を追っていたのでした
なぜか笑みがこぼれて
そのなごみが自分でもわからず
でもそれが今日のハイライト

子どものころ溝に葉っぱを流して
追いかけたことでも
意識しないレベルで思い出したのでしょうか

虫

虫展を見に美術館へ
本草学や博物学など今見て科学的と感じる視点と
そうでないものを続きで見られたのがおもしろく

一寸の虫にも五分の魂とは
いつから言うたか知らんけど
小さくふしぎな生命をこんな風に
慈しみ畏れ見立て空想して
色んな角度から心を寄せて来たのだなぁと

昆虫館と三大俳諧コレクションのある街
ならではのキュレーション

これまで博物学っぽいものも好きと思っていたけど
いまぐっときたのは

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蕾

前からいまひとつ正体のわからないものに
宝珠や擬宝珠(ぎぼし)がある

橋の欄干に付いていることのある
スライムみたいなやつは何か?と
大人にきいたら「『ぎぼし』や。」と言われ、
知らないものの名前として
聞いたことのない言葉を投げられただけだった
ぎぼしって何よ?

少し成長すると擬宝珠とは字から
宝珠を模したものであることは想像できたが
そもそも宝珠がわからない

ある時は仏画のなかに
ある時

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国技

相撲中継で相撲場にお神輿が来て
2024年ですが江戸下町の風情とか言う

江戸下町風情には憧れるが、今年は残暑も灼熱で
こんななかお神輿とか🫠
昔からのお祭りなどそう簡単に日程先送りとか
できないのかもしれないけど

最近知ったお相撲さんの寿命、
平均よりだいぶ若く亡くなられるよう
力士の埴輪を見たことがあるくらいなので
それも相当に古い流れを汲むものを
そう簡単に変えられないことと思うが
お相

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午睡

午睡

巻いた葉をまくらに水に浸かり
葉陰に睡るも水面に太陽が添い寝して
暑がる睡蓮

しまつ

イチジクをたくさんもらって
好物だった人のことを思い出す
あるとき民族衣装が面白くて
和服のことももっと知りたくなり
近所の和裁ができる方のご厚意で
教えていただいたことがあった

着物を仕立てていくことも面白かったが
なにか構造が文化をあらわしているようで

着物は直線裁ちなので解くと一枚の反物に戻ると
本で読んではいたが
母の着物を洗いはりに出してみると
バラバラの裂がほんとうに1枚の反物状に

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MANNENBERG

老ピアニストが南アフリカの砂漠に浜辺に
グランドピアノをおいて奏でる
その姿にチャンネルを止め耳をかたむける

そのなかで聞いた
感情はかたむかずニュートラル
かろやかに明るく力まず
淡々と繰り返し
積み重ねられる同じフレーズ

この曲が反アパルトヘイトのテーマとなり
合言葉のように口遊まれたという
目にたまった涙が
扇風機の風で波立ち視界がゆれた

音のしらべが難しいことを成しとげるときの
心の

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日の入

借りた犬と歩くマジックアワー
土手の向こうに寺社のうえに
夕やけ色のうつろいや
神様の筆さばきとは誰が言ったか
雲のあらゆるかたちに陶然と
入道雲が染まるのを初めて見た

薄明かりでも目につく
百日紅の色がそこここに

犬に引かれるまま
ライトをつける暗さになり
知っている家の一本奥の知らない道に
昔ながらの焼杉壁が現れて
違う世界に迷い込んだ心地

球体

球体

最近TV番組で見た話
お寺の住職が企画した地元の戦中資料の展示
口のついた陶製の球体を見せて
何と思うかと問う
「一輪挿しか何かのよう」と取材者は答え
住職も「お酒も入れられそう」といい
実は陶製手榴弾だという

金属の不足した太平洋戦争末期
全国の陶磁器産地で
陶製の地雷や手榴弾が作られたとか
威力は金属より劣ったという

「やっぱりねぇ、身内が攻撃されたりしたら、
(戦いに)行ったるわ!!!っ

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夕涼み

夕涼み

「夕涼みイベント」の文字が目に入った
陽が落ちても気温さほどさがらず
翌日、陽がまたのぼろうとする前でも30度弱
日時まで目に入らなかったが
果たして夕涼むこと叶うのか
久しぶりにふれたその言葉にあこがれ
それはもうほとんど幻

夕涼みの涼(すず)の音に
鈴を想ってしまうのか
風鈴や鈴虫の音がきこえ
肌を冷ますしっけた空気
グラスと氷が鳴る
ゆかた うちわ スイカ
手持ち花火に照らされる
親しい人

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蜂の巣

へやの窓を開けて風を通してたら
黒っぽいアシナガバチみたいなんが入ってきてん

カーテンレールカバーの上を
なんか機嫌良さそーに歩いて行き来すんねん
まさか巣ぅ作ろうとしてるんちゃう?と直感してん
うん!ここにしよ!ゆー蜂の心の声がきこえてん

ここはやめて〜のつもりで
うちわでゆるゆるあおいでみてんけど
小さい生きもんにあんまり強ぉもでられへんし
むこうもあんまり嫌そうにしてるふーもなくて
外に

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見たことのない目ぇ
のうなったばっかりの人の目ぇ
光を湛えた真っ黒で
なんかちっちゃい星みたいなんも
いっぱい見えたような気ぃがするのは
ファンタジー?

その印象が妙に胸にせまって
あとから考えたら
もしかして、瞳孔が開いてたから?
そのとき 光につつまれるってそういうこと?

あのときおっちゃんはもう楽になって
光につつまれてたんやってしんじてる

お棺に入らはって見たときには
なんと歯ぁみせ

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プラグなし

プラグなし

気温30℃をこえない日はすごしやすい
先ほどから聞こえるのは耳鳴か蝉の声か
耳を澄ますこの周期性は蝉
いつ梅雨は明ける
飛行機が通るたび重く鳴る空

暮れかかる部屋を灯さないまま
カーテンや窓、家具、扉がつくる明暗
壁に落ちる影の階調がうつり変わり
ほの白い窓を残すほか
すべてが墨色となった

蛙が鳴く

whole universe

whole universe

完璧ないろかたちの花を見ておもう

かつてスペイン観光ツアーで見た
カトリック建築のおびただしい聖人像
イスラム建築の幾何学や植物模様にカリグラフィー

仏像は人がたの表現としては
うっとりとするものもある
その元となったヒンズー教の神々は強烈で興味深い

どの教典にも参考になる教えがたくさんあるだろう

日本人だからか
“なにごとのおわしますかは知らねども
かたじけなさに涙こぼるる”のは

岩や

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人の寝静まるころ

人の寝静まるころ

湯あがりに水分を欲しペットボトル緑茶を
ゴクゴク飲んでしまった深夜
うつらうつら蛙の合唱に巻き取られつつ
ベッドでずっとぐっすりできず
空がかすかに白み始めたかと見える
まだ暗いそのころ蛙と交代に
鳥のにぎやかなコーラスが始まり
鳥目じゃない鳥もいるのかと
けたたましいのに驚き
その声のくり返すパターンに聞き入り
明けるころようやく静まり
夢か現か分からない

子羊の脳4個

体質的にこう暑いと野菜やフルーツしか食べたくなく
食欲増進のためハーブやスパイス、少しのアルコールを
活用しようとなる

ヨーグルトもミントもオリーブ油もニンニクもあるから
素麺であまった胡瓜をためしに
トルコ風のサラダにしてみようとやってみたら
試しの量に対してニンニクが多すぎてしまい
ちょっと辛かった

昔、トルコで求めた日本語のトルコ料理レシピ本を
確認のため取り出してみると
分量の多くが6

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