夕涼み
「夕涼みイベント」の文字が目に入った
陽が落ちても気温さほどさがらず
翌日、陽がまたのぼろうとする前でも30度弱
日時まで目に入らなかったが
果たして夕涼むこと叶うのか
久しぶりにふれたその言葉にあこがれ
それはもうほとんど幻
夕涼みの涼(すず)の音に
鈴を想ってしまうのか
風鈴や鈴虫の音がきこえ
肌を冷ますしっけた空気
グラスと氷が鳴る
ゆかた うちわ スイカ
手持ち花火に照らされる
親しい人の顔
線香花火が火の姿を変えるのには
気づいていたけれど
それらに名前があることを
今になって知った
つぼみ
牡丹
松葉
散り菊
最後にまた火の玉となって
うるうるして落ちるところも
また好ましいのだか
そこの名前は紹介されず
名前がないのならなんと付ける?
火が潤むというのもおかしいが
潤んで落ちるから
涙?
現実には速報で近隣県に
竜巻注意がくりかえされ
生まれて初めて聞くほど長く轟く雷鳴を伴う雨のあと
下がっても30度弱まで
でもコオロギが聞こえる
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