森山 明宏

ユーリカ株式会社代表, UXデザイナー, 認定人間中心設計専門家, 岩崎学園情報科学専…

森山 明宏

ユーリカ株式会社代表, UXデザイナー, 認定人間中心設計専門家, 岩崎学園情報科学専門学校非常勤講師。講義資料は全て手作りする主義。

マガジン

  • オンラインセミナーの小ネタ

    最近オンラインセミナーやオンラインミーティングを開催する機会が増えました。試行錯誤の中で得た小ネタを共有します。

  • イノベーションについての駄論と雑論

    最近世間で話題のイノベーションについてのコラムです。景気の悪くなった今になってイノベーションを実現しようと必死になるのはなんか格好悪いですね。ビジョナリー・カンパニー衰退の第四段階「博打をうつような施策」みたいですね。

記事一覧

Zoomでスライドショーを画面共有しつつ発表者画面を操作する方法

Zoomを使ったオンラインセミナーを行う場合、講師がPowerPointやKeynoteの資料をスライドショー再生してZoomで画面共有することが大半に思う。しかし講師としては発表者画…

森山 明宏
3年前
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オンラインセミナーで是非使いたいオンラインホワイトボード「miro」

2021年3月現在、感染症騒動はいまだに収まらず、オンラインセミナーの需要も減ることはない。しかしビデオ会議ツール「Zoom」では実習やグループワークをオンライン化する…

森山 明宏
3年前
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「データ共同利用権」がやってくる

デジタル庁創設に絡んで議論されている新しい権利概念「データ共同利用権」は個人情報の無断収集を良しとしており「社会全体の価値の最大化は基本的人権より重要である」と…

森山 明宏
3年前
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最近横行しているサイバー犯罪の件

先週土曜9/5あたりからTwitterでは話題になっていた「自分の銀行口座から"ドコモコウザ"宛に、身に覚えのない送金が行われる」という怪事件、ついにテレビのニュースに取り…

森山 明宏
3年前
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Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法

普段書いているイノベーションとは無関係な話題だが、弊社ウェブサイトの最近のアクセス履歴に「Zooom 片方向」という検索キーワードから閲覧者が流れてくるという傾向があ…

森山 明宏
4年前
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場の空気を読むデザイン

安倍首相のSNSに投稿した動画が炎上している。場の空気を読まない独善的な内容であったからだ。これでは電子掲示板荒らしと変わりない。そして日本企業はこれまでそのよう…

森山 明宏
4年前
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政策と「人を動かすためのデザイン」

安倍政権の布マスク全世帯配布計画は嘲笑を浴びるだけの結果に終わった。医学的合理性があるにも関わらずである。人を動かすにはそれなりの工夫がいる。そしてそれはデザイ…

森山 明宏
4年前
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良いUXこそ市場シェアを握る鍵

昨今の流感騒動でオンライン会議ニーズが増えた。今Zoomが一番人気である理由は「不安を感じない」からである。イノベーションが世の中に受け入れられるには不安の解消もあ…

森山 明宏
4年前
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デザイン外注でデザイン経営は実践できるのか

結論からいうとできない。外注のデザイナーが経営の根幹に関わるような提案をした際に快く採用する経営者がいないからである。デザイン経営に必要なのは経営者の覚悟である…

森山 明宏
4年前
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「共感という価値」を図示せよ

noteには「ビジネスモデル図解シリーズ」というビジネスモデル可視化手法を解説するマガジンがある。素晴らしい手法であるが一点付け加えて欲しいことがある。「共感という…

森山 明宏
4年前
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最近流行のカスタマージャーニーマップはイノベーションの役に立つのか

結論から書く。カスタマージャーニーマップは現状をわかりやすく表現するためのツールに過ぎない。そこから画期的なアイデアを思いつくかどうかは個人の力量次第である。し…

森山 明宏
4年前
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共創というよくわからない概念

近年流行っている「共創」という言葉、いまいち分かりづらい概念である。以下に解説する。 最近流行の「共創」とは近年「企業は顧客との共創を推し進めるべきである」とい…

森山 明宏
4年前
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サービスデザインでイノベーションを起こせる(起こせない)理由

二番煎じ的なタイトルで申し訳ない。UXデザインとよく似た概念「サービスデザイン 」とイノベーションの関係性について説明したい。 サービスデザインとはサービスデザイ…

森山 明宏
4年前
7

デザイン思考はデザイナー的なものの考え方ではない

デザイン思考とは本来は「デザイナー的なものの考え方」の意味だが、いま流行しているデザイン思考は微妙に違うものである。違いは「無秩序性」である。以下に解説する。 …

森山 明宏
4年前
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事業部をデザイン部門の下部組織にしてみては?

イノベーションを実現するための組織の在り方について、21世紀の今もまだ定番がない。なので本稿では思いつきを提案する。 デザイン部門主導のイノベーション?先日、ニコ…

森山 明宏
4年前
5

シリアル・イノベーターという超人待望論

結論から言おう。超人など存在しない。多様な才能を持った凡人達が結集することでシリアルイノベーションチームとなることを目指すべきだ。 シリアル・イノベーターとはシ…

森山 明宏
4年前
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Zoomでスライドショーを画面共有しつつ発表者画面を操作する方法

Zoomでスライドショーを画面共有しつつ発表者画面を操作する方法

Zoomを使ったオンラインセミナーを行う場合、講師がPowerPointやKeynoteの資料をスライドショー再生してZoomで画面共有することが大半に思う。しかし講師としては発表者画面を使って講義を進めたいし、Zoomのチャットウインドウも常時表示させておきたい。外付けのセカンドディスプレイがあれば可能だが全員がセカンドディスプレイを持っているわけではない。そんなときに良い方法がある。

Mac

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オンラインセミナーで是非使いたいオンラインホワイトボード「miro」

オンラインセミナーで是非使いたいオンラインホワイトボード「miro」

2021年3月現在、感染症騒動はいまだに収まらず、オンラインセミナーの需要も減ることはない。しかしビデオ会議ツール「Zoom」では実習やグループワークをオンライン化することができず困っている方も多いと思う。「模造紙と付箋紙を使ったグループワーク」に限った話ではあるものの、オンラインホワイトボード「miro」の利用が筆者の個人的お勧めである。

オンラインホワイトボード「miro」とはオンラインホワ

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「データ共同利用権」がやってくる

「データ共同利用権」がやってくる

デジタル庁創設に絡んで議論されている新しい権利概念「データ共同利用権」は個人情報の無断収集を良しとしており「社会全体の価値の最大化は基本的人権より重要である」という思想に基づいている。もちろん基本的人権の方が重要であるのでデータ共同利用権という権利概念は棄却すべきである。

SFの世界が近づいてきた例えばの話をしよう。近未来、「あたまのいいひとたち」が全国民を常時監視することと引き換えに、社会福祉

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最近横行しているサイバー犯罪の件

最近横行しているサイバー犯罪の件

先週土曜9/5あたりからTwitterでは話題になっていた「自分の銀行口座から"ドコモコウザ"宛に、身に覚えのない送金が行われる」という怪事件、ついにテレビのニュースに取り上げられた。調べていくにつれ、これは銀行のセキュリティの甘さが原因であり消費者にできる対策はほとんどないことがわかった。ここで情報を共有したい。

「ドコモコウザ」宛の不審な送金に要注意事件のあらましは以下のとおり。

1. 銀

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Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法

Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法

普段書いているイノベーションとは無関係な話題だが、弊社ウェブサイトの最近のアクセス履歴に「Zooom 片方向」という検索キーワードから閲覧者が流れてくるという傾向があった。これはおそらく「Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法」を知りたいニーズがあると察し、ここに書いておく。

ウェビナーとオンライン会議との違いウェビナー(オンラインセミナー)とオンライン会議の最も大きな違いは、

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場の空気を読むデザイン

場の空気を読むデザイン

安倍首相のSNSに投稿した動画が炎上している。場の空気を読まない独善的な内容であったからだ。これでは電子掲示板荒らしと変わりない。そして日本企業はこれまでそのような消費者の場の空気「利用文脈」を読まない独善的な製品を多数商品化し、惨敗してきた。

「#うちで踊ろう」ムーブメント
事の発端はミュージシャンの星野源氏が動画をSNSに投稿し「(この動画に皆さんの)伴奏やコーラス、イラストやダンスを重ねて

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政策と「人を動かすためのデザイン」

政策と「人を動かすためのデザイン」

安倍政権の布マスク全世帯配布計画は嘲笑を浴びるだけの結果に終わった。医学的合理性があるにも関わらずである。人を動かすにはそれなりの工夫がいる。そしてそれはデザインできる。

日本政府はなにをすべきだったか結論を先に言う。以下4点を守ればもっとマシな結果になったはずだ。安倍首相は英国ボリス・ジョンソン首相のビデオメッセージを見習うべきである。

・情に訴え共感を獲得する
・状況を論理的に説明する

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良いUXこそ市場シェアを握る鍵

良いUXこそ市場シェアを握る鍵

昨今の流感騒動でオンライン会議ニーズが増えた。今Zoomが一番人気である理由は「不安を感じない」からである。イノベーションが世の中に受け入れられるには不安の解消もあわせてデザインする必要がある。

オンライン会議ブーム昨今の流感騒動により、卒業式を取りやめた学校が多発しオンラインで入社式を開催する企業も出たと聞いた。オンライン会議システムのニーズは急上昇である。もちろん全社員にシスコの高額な会議シ

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デザイン外注でデザイン経営は実践できるのか

デザイン外注でデザイン経営は実践できるのか

結論からいうとできない。外注のデザイナーが経営の根幹に関わるような提案をした際に快く採用する経営者がいないからである。デザイン経営に必要なのは経営者の覚悟である。

デザイン経営とはデザイン経営とは、経済産業省と特許庁が提唱する新しい経営コンセプトで、デザイン(ビジネス課題を創造的に解決する行為)を実践できる組織体制を経営者が整備することにより、企業のブランド価値向上とイノベーション実現の両方が実

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「共感という価値」を図示せよ

「共感という価値」を図示せよ

noteには「ビジネスモデル図解シリーズ」というビジネスモデル可視化手法を解説するマガジンがある。素晴らしい手法であるが一点付け加えて欲しいことがある。「共感という価値」の図示である。

ビジネスモデル図解とは
「ビジネスモデル図解」とはチャーリー氏と有志の手によるビジネスモデル可視化の手法である。noteに作成手順や作例が掲載されている。過去にも「ピクト図解」と呼ばれるビジネスモデル可視化手法が

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最近流行のカスタマージャーニーマップはイノベーションの役に立つのか

最近流行のカスタマージャーニーマップはイノベーションの役に立つのか

結論から書く。カスタマージャーニーマップは現状をわかりやすく表現するためのツールに過ぎない。そこから画期的なアイデアを思いつくかどうかは個人の力量次第である。しかしカスタマージャーニーマップを作るには前提として深い顧客理解が必要である。深い顧客理解は画期的なアイデアに必要である。

最近流行のカスタマージャーニーマップとはものづくりの現場においてカスタマージャーニーマップが流行っているようだ。実際

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共創というよくわからない概念

共創というよくわからない概念

近年流行っている「共創」という言葉、いまいち分かりづらい概念である。以下に解説する。

最近流行の「共創」とは近年「企業は顧客との共創を推し進めるべきである」という論調が盛んである。この「共創」という言葉、CSV(Creating Shared Value)の日本語訳も「共創価値」であることから混同されやすいが、共創とCSVとは異なる概念である。

CSVは、社会課題解決と企業収益を両立させる活動

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サービスデザインでイノベーションを起こせる(起こせない)理由

サービスデザインでイノベーションを起こせる(起こせない)理由

二番煎じ的なタイトルで申し訳ない。UXデザインとよく似た概念「サービスデザイン 」とイノベーションの関係性について説明したい。

サービスデザインとはサービスデザインとは、ようするにサービス業で実践することを前提としたUXデザインのことである。UXデザインとの差異は「サービス・ドミナント・ロジックに従う」「包括的設計の原則に従う」の2点である。

「サービス・ドミナント・ロジック」とは、2004年

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デザイン思考はデザイナー的なものの考え方ではない

デザイン思考はデザイナー的なものの考え方ではない

デザイン思考とは本来は「デザイナー的なものの考え方」の意味だが、いま流行しているデザイン思考は微妙に違うものである。違いは「無秩序性」である。以下に解説する。

デザイナーと幼稚園児の粘土細工まずは読者諸兄に小学校の頃を思い出していただきたい。粘土細工を作るとき、小学生の諸兄はロジカルに土台・骨格・肉付・表層の階層構造を意識しながら粘土細工を作っただろうか?

そんな小学生はほぼいないだろう。まず

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事業部をデザイン部門の下部組織にしてみては?

事業部をデザイン部門の下部組織にしてみては?

イノベーションを実現するための組織の在り方について、21世紀の今もまだ定番がない。なので本稿では思いつきを提案する。

デザイン部門主導のイノベーション?先日、ニコンが社内のデザイン組織を社長直属にするというニュースがやや話題になった。ブランド価値向上と新規事業創出が目的とのことである。

実は筆者は上述ニュースのような「デザイン部門が事業部から独立している某一部上場企業」に勤務していたことがある

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シリアル・イノベーターという超人待望論

シリアル・イノベーターという超人待望論

結論から言おう。超人など存在しない。多様な才能を持った凡人達が結集することでシリアルイノベーションチームとなることを目指すべきだ。

シリアル・イノベーターとはシリアル・イノベーターとは、アビー・グリフィンらが書籍「シリアル・イノベーター 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀」で提唱した概念で、組織に属しながらブレイクスルーイノベーションを繰り返し起こせる人の意味である。シリアルイノベーター

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