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Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法
普段書いているイノベーションとは無関係な話題だが、弊社ウェブサイトの最近のアクセス履歴に「Zooom 片方向」という検索キーワードから閲覧者が流れてくるという傾向があった。これはおそらく「Zoomのウェビナーオプションなしにウェビナーを行う方法」を知りたいニーズがあると察し、ここに書いておく。
ウェビナーとオンライン会議との違い
ウェビナー(オンラインセミナー)とオンライン会議の最も大きな違いは、オンライン会議が多対多のコミュニケーションであるのに対し、ウェビナー(オンラインセミナー)は一対多でのコミュニケーションである、という点である。つまりオンライン会議において便利な諸機能のほとんどはウェビナーにおいては無駄、というか邪魔であり、逆にウェビナーにおいてだけ便利な機能が存在するのだ。
だからZoomでウェビナーを開催しようとする主催者は有料のウェビナーオプションを契約するわけだが、ウェビナーオプションはどうにも高い。オプション契約なしで済ませたいと思うのも人情である。
幸い、Zoomにおいては初期設定の変更でウェビナーに邪魔な機能をオフにすることができる。以下に解説する。
常に講師だけにフォーカスを当てたい
問題点
Zoomビデオ会議ではカメラの切替は自動で行われ、必ず現在の発言者が大写しになる。ウェビナーには不要な機能だし、ウェビナー参加者がくしゃみをしただけでその参加者の顔が他の参加者全員のディスプレイに大きく映ってしまう可能性がある。
解決策(1)スポットライトビデオ機能を使う
スポットライトビデオ機能は、自動切替を一時的にオフにして特定の参加者にカメラを固定する機能である。3人以上参加するZoomビデオ会議にて、ホストだけがこの機能を使える。ホストが自分自身にスポットライトを当てれば良い。
スポットライトビデオ機能はギャラリービュー(参加者一覧画面)の各サムネイルの隅にあるポップアップメニューの中にある。
解決策(2)参加者のマイクとカメラをミュートする
ホストがスポットライトビデオ機能を使っている状態でも、各参加者は自分の画面をギャラリービュー(参加者一覧画面)に切り替えることができる。他の参加者の顔を見ることができるわけである。これを阻止するため、Zoom設定画面(https://zoom.us/profile/setting)で以下のように設定する:
<参加者ビデオ=オフ>
また、座学型のウェビナーにおいてはチャット機能があれば参加者のマイクは不要である。これもZoom設定画面(https://zoom.us/profile/setting)で以下のように設定する:
<参加者をエントリ後にミュートする=オン>
解決策(3)参加者にマイクとカメラをミュートするよう呼びかける
ホスト側操作で参加者のマイクとカメラをミュートにすると、参加者がアプリの挙動が不審だと感じる可能性がある。念の為、ウェビナー開始冒頭に「本日は参加者のみなさんのマイクとカメラは不要です、こちら側の設定でミュートにしておきました」と呼びかけることで不安を解消する。
画面共有できるのは常に講師だけとしたい
問題点
ウェビナーの参加者に画面共有を許すと、操作に不慣れな参加者がうっかり自分のPCの画面を画面共有してしまい、セミナーの進行を妨げる可能性がある。
解決策
これを阻止するため、Zoom設定画面(https://zoom.us/profile/setting)で以下のように設定する:
<画面共有 - 共有できるのは誰ですか?=ホストのみ>
<画面共有 - 他の人が共有している場合に共有を開始できるのは誰ですか?=ホストのみ>
参加者の注釈書き込みを禁止したい
問題点
Zoomのオンライン会議では共有された画面に各参加者が自由に注釈を書き込むことができるが、セミナーには不要な機能である。
解決策
これを阻止するため、Zoom設定画面(https://zoom.us/profile/setting)で以下のように設定する:
<注釈=オフ>
生徒によるチャット経由のファイル送信を禁止したい
問題点
Zoomのオンライン会議では参加者同士のチャット経由のファイル送信ができるが、万が一にもコンピュータウイルスに感染しないよう、不用意なファイルの送受信は禁止した方が安全である。
解決策
これを阻止するため、Zoom設定画面(https://zoom.us/profile/setting)で以下のように設定する:
<ファイル送信=オフ>
[備考]ホストもチャットを使ったファイル送信はできなくなる
ハウリングを抑えたい
問題点
ウェビナーに限らずオンライン会議でもハウリングノイズによる中断はよく起きる。原因は、マイクから入ってスピーカーから出た音が再度マイクで拾われてしまいループバックを起こすためである。ハウリングを起こさない「オンライン会議用マイク付スピーカー」という商品もあるのだが高額なので避けたい。
解決策 マイクをミュートする or ヘッドフォンを使う
オンライン会議の場合、参加者の全員がスピーカーを切ってヘッドフォンを使うことで、ハウリングは生じなくなる。
座学型のウェビナーの場合、チャット機能があれば参加者は発言する必要がなく、参加者のマイクがミュートされていればループバックも起きない。参加者のマイクがミュートされていれば参加者はスピーカーを使ってもよい。
できないこと:参加者一覧の隠蔽
問題点
Zoomのオンライン会議では参加者が参加者一覧表を自由に閲覧できる。これを阻止することはできない。対策としてできることは、入室前にペンネームを設定するよう事前に参加者に依頼する程度である。
できないこと:Q&A機能の利用
問題点
Zoomのウェビナーオプションを契約すると「Q&A機能」を使えるようになる。チャット機能に似ているが、質問と回答がワンセットで整理されて表示されるので便利である。ウェビナーオプションの契約のない場合は、機能的には劣るがチャットで代用できる。
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ここまで書いて気づかれた方もおられるであろうが、世間にZoomのライバルと思われているGoogle MeetやMicrosoft Teams ではこのような細かい設定変更はできない。オンラインセミナーに使うことは想定されていないのだ。セキュリティ問題が話題のZoomであるが、オンラインセミナー用途では今後もZoomは健在であり続けると考える。
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