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「共感という価値」を図示せよ

noteには「ビジネスモデル図解シリーズ」というビジネスモデル可視化手法を解説するマガジンがある。素晴らしい手法であるが一点付け加えて欲しいことがある。「共感という価値」の図示である。

ビジネスモデル図解とは

「ビジネスモデル図解」とはチャーリー氏と有志の手によるビジネスモデル可視化の手法である。noteに作成手順や作例が掲載されている。過去にも「ピクト図解」と呼ばれるビジネスモデル可視化手法があったが、ビジネスモデル図解はさらに洗練された手法である。

とても素晴らしい手法であるのでぜひ一読していただきたい。

共感は金銭と交換できる、故に共感は価値である

さて、ビジネスモデル図解は素晴らしい可視化手法であるのだが一点付け加えて欲しいことがある。「共感という価値」の図示である。ここでいう「共感」とは「利他的な行動の誘発につながる多種多様な心理変化の総称」である。

たとえば募金という活動は、一見すると一方通行の金銭提供であって交換取引ではないように見える。しかしそれでは募金活動というビジネスモデルを説明できない。ビジネスは価値と価値の交換でなければならないからだ。

ここで仮に、寄付金提供者が社会貢献団体や社会弱者に覚える「共感」を価値の一種だと定義したらどうだろう? 共感は「覚える」のではなく「他から与えられる」ものだとしたら? 募金活動は共感と現金の交換取引として図示することができる。そしてそのビジネスモデル図解を見た人はすぐに気づくはずだ。「もっと共感を喚起する広報を行えば、もっと募金が集まる」と。

募金活動に代表されるように、共感は金銭と交換できる。故に共感は価値(Value, 経済学用語)なのである。

共感という価値を提供するビジネスは募金活動に限らない。たとえばキャラクターグッズはキャラへの共感を主たる価値とする商材であり、大企業のCSR活動は消費者に共感を提供して集客を図る活動である。

共感の図示からはじめる視座の転換

ビジネスモデル図解を拡張して共感を図示するのは簡単である。「モノ」「カネ」「情報」に次ぐ第4の価値要素として「共感」を定義すればよい。

共感は価値であるという新たな認識は、ビジネスマン諸氏の視座の転換を引き起こし、新しいビジネスアイデアのきっかけとなるはずだ。ビジネスモデルを図示する際は、「モノ」「カネ」「情報」だけでなく「共感」の流れにも着目していただきたい。


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