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白いシャツの店レタルのデザインと経営の話

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白いシャツの店レタルのデザインや経営についての考え方をまとめたマガジンです。
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#ヒグチトモミ

レタル展示会記録9:セミオーダーをやめられなかった。

レタル展示会記録9:セミオーダーをやめられなかった。

なんと今日から展示会!

お客様たくさん来るといいなぁ。

今回、実はセミオーダーをやめようかと思ったんです。

コストもかかるし、ミスしたときに大変だし…。

でも、いろいろ制作を通して「やっぱりセミオーダーはやめられないなぁ」と思いました。

今回は特にデザインものが多く、このサイズが正解ってものがない。

展示しているサンプルはあくまでサンプルなので、もっと短く着たいとか、長く着たいとか発生

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レタル展示会記録8:モデル写真はもういらないかも。

レタル展示会記録8:モデル写真はもういらないかも。

今回の展示会、ピカレスクの作家さんの作品を展示するのもそうなんですが、什器にもこだわっていたりします。

以前Twitterで「古着の雑誌が好きなのは、写真が服単体で、服のブツとしての良さがわかる。」みたいなことを書いてる人がいました。

あー、わかるなーと思います。

確かにブランドのイメージやターゲットを伝えるモデル写真は、トータルコーディネートで伝えたいブランドには必要なのかもしれません。

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レタル展示会記録4:「そもそもレタルとはなんなのか?なぜ白いシャツの店なのか?」

レタル展示会記録4:「そもそもレタルとはなんなのか?なぜ白いシャツの店なのか?」

展示会記録を書いていてふと思った。

「レタルの説明してないな!」ということ。

レタルは2011年の5月30日に立ち上げた。

準備期間はその前年の9月くらいから。

そのとき私は27歳だった。

「白いシャツがお好きなんですね?」とよく聞かれるけど、それはそうなんだけど、ブランドを始めたのは「白いシャツが好きだから」ではない。

レタルを始めたのは「自分のブランドを作りたかったから」だ。

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レタル展示会記録1:汐月陽子さんを召喚する。その理由とは?

レタル展示会記録1:汐月陽子さんを召喚する。その理由とは?

展示会の準備を目下している。

今回は進行具合をあんまりTwitterにあげてないんだけど、私が怠惰なこともあるが…一応それなりに意図している。

前まではTwitterで情報垂れ流し、脳内垂れ流し状態だったけど、今はもう、それを少しクローズする段階なのではないかと思ったし、情報のクオリティを少し上げ、少し出し惜しみしようと思ったのだった。

展示会を始めたときの頃は、もうそれは必死で、準備に追わ

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レタルの展示会を5月23日から26日の4日間、西荻窪ギャラリーステラで開催します!

レタルの展示会を5月23日から26日の4日間、西荻窪ギャラリーステラで開催します!

お待たせしました!!!

レタルの展示会のお知らせです!!!

『2019年白いシャツの店レタル展示会 (仮)ネオクラシック』会期:5月23日(木)〜26日(日)
会場:西荻窪ギャラリーステラ
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-13-11-1F
時間:5月23日 16時〜20時
24日・25日 11時〜20時
26日 11時〜18時30分

今回の展示会は(仮)ネオクラシックをテーマにした

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「半・分解展」に行ってきた/展示におけるエモさの重要性

「半・分解展」に行ってきた/展示におけるエモさの重要性

長谷川彰良さん主催の「半・分解展」に行って来ました。

「半・分解展」は古い洋服を半分解体して、パターンを研究している展示です。

パターンを分析し、そのパターンのサイズ展開をしたレプリカを着ることが出来るという、パタンナーとしては興味深い展示でした。

古い洋服は展覧会で見ることはありますが、分解したものを見るというのは初めてです。

分解して展示出来るのは、長谷川さんが自費で購入しているからで

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売れたいという目標は一旦忘れよう。

売れたいという目標は一旦忘れよう。

今日はチームレタルで打ち合わせました。

私の確定申告のことやら、展示会のことやら。

打ち合わせしたら、めちゃくちゃスムーズに展示会の日程や場所が決まりました。

本決定したらお知らせ致しますので、何卒、何卒。

今日はVOGUE GIRLのしいたけ占いを見たら、「蟹座は勢いに乗ると周りなんてお構いなしだけど、そこはちょっと立ち止まって、まわりとコンセンサスを取り、地味な案件とかに目を向けてやり

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Twitter上で55人の人に着て欲しい服を投げつけてみた1

Twitter上で55人の人に着て欲しい服を投げつけてみた1

狸くんというフォロワーさんが、#いいねした人に着て欲しい服を投げつける というハッシュタグを作っていました。

面白そうなので私もやってみたところ、あれよあれよといいねがついて、しばらく忙しかったです(笑)。

すぐに20くらいいいねがついて、一瞬ひぇ〜〜!って思ったんですが、せっかくならデータ収集もかねて50名くらいやりたいなとせっせと呼びかけて、今のところ55名服を選びました。

いやー、面白

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デザインは幸せを運ぶものでなくてはならない。

デザインは幸せを運ぶものでなくてはならない。

たまにはデザイナーらしいことを書かないと、なんの人かわからなくなりそうだから、デザインのこと、自分のブランド「白いシャツの店レタル」のことを書こうと思う。

学生にデザインの授業をするときに、最初に言うのは「デザインとは問題解決である」ということだ。

これはあくまで私の考えであるので、「他に定義する人もいる」という前置詞を添える。

学生には、自分の教えだけが全てと思って欲しくないので、私の考え

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他人の「美しくなりたい」という切実さを笑うな。

他人の「美しくなりたい」という切実さを笑うな。

ドルチェ&ガッバーナでの中国での炎上が大問題になっています。

一晩で中国市場を全て失ってしまったドルガバ炎上事件の衝撃(徳力基彦)
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20181123-00105139/

箸でピザやパスタを食べるCMが中国文化を侮辱しているということで批判を受けましたが、その後創業者のステファノが個人宛のInsta

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詩を書くように、音楽を作るように、白いシャツを作る。

詩を書くように、音楽を作るように、白いシャツを作る。

今作ってるシャツの名前は『私は海を抱きしめていたい』。

これは私が好きな坂口安吾の小説のタイトルだ。

レタルのシャツには一枚一枚名前がある。

一番初めに作ったシャツは『はじめましてのシャツ』。

セーラーなのに大人っぽい、を目指した『ちょっと大人っぽいセーラーシャツ』。

メンズのフォーマルシャツの形をそのままレディスに落とし込んだ『オトコマエなシャツ』。

ビッグシルエットの『ガリバーのシ

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軽やかな炎/雨宮まみさんの思い出

軽やかな炎/雨宮まみさんの思い出

ある人は雨宮まみさんのことを「東京が歩いてくる」と言った。

軽やかな炎のような、水の中をスイスイと泳ぐ金魚のような、雨宮まみさんの第一印象はそんな人だった。

少年アヤさんの『焦心日記』のトークショーで見た雨宮まみさんは、真っ赤なワンピースを着ていて、嬉しそうにアヤさんの本を持っていた。

サインなんていつでももらえるはずなのに、少女のような気恥ずかしさと、悪戯っ子のようなユーモアと、だけどそれ

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