私は、司馬遼太郎が亡くなったのを哀しんで泣いた宮﨑駿が好きだった。映画『もののけ姫』「生きろ。」というメッセージにほんとに生きる力をもらった。宮﨑作品を愛していた。が、司馬遼を語らず半藤一利を語った宮﨑監督は好きではない。半藤氏の司馬遼批判には、担当編集&後輩としての愛があった。
宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』。作品中、主人公が自分で自分の頭に石をぶつけて血をながすシーンがある。あれは、宮﨑監督の「卑下慢」の自覚とその告白である。