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[日記]【‘‘漂泊の抄’’】

先日、宮崎駿氏の「君たちはどう生きるか」がゴールデングローブ賞を受賞した。
ゴールデングローブ賞の特徴というのは、エンターテインメント性や華やかさを重視する傾向にある作品に与えられる作品であり、アカデミー賞の前哨戦とも呼ばれている。

「君たちはどう生きるか」についての考察、感想は私が以前に書き記したものを参照して頂けると、お分かりになると思います。

*『揺蕩う素養』Ⅳ.心の遍在/参照↑

ゴールデングローブ賞の作品の特徴としては、前述の通りでありますが、アカデミー賞の特徴は芸術性を重視した作品であり、スタジオジブリ作品では過去に「千と千尋の神隠し」でアカデミー賞を取っており、もし本作で受賞すれば二度目の快挙となります。
「君たちはどう生きるか」は、宮崎氏の作品の中でもかなり心身性が投影されている作品であり、私小説的な見方さえも捉えることが出来るのではないかと思います。
「心の遍在」にも記した通り、高畑氏の影響がジブリ作品によって反映されていて、本作は一番濃度が濃いといってもいいぐらいに作品に投影されているということは、宮崎氏のドキュメンタリーから裏付けられるだろうと思われます。
そして、本作の根幹にあるテーマとしては死生観であることは間違いなく、高畑氏の思いを受け継いだ宮崎氏の死生観が抽象的にアニメーションとして描かれている。
抽象的なものを表現する上で、宮崎氏は自身のアニメーション技術でそれを「君たちはどう生きるか」で表現してみせたが、やはり難解であることは変わりはないものがありました。
解像度が高まるにつれて、物語はより芸術性を魅せていく。
芸術性が求められるアカデミー賞の要素は本作こそが相応しいと改めて実感しました。

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