NETFLIX『サンクチュアリ-聖域-』のラインプロデューサーの【現場からは以上です】

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【サッカー天皇杯決勝戦2024】ガンバ大阪VSヴィッセル神戸 56824人の観衆

天皇杯2024年決勝戦。 元旦ではなく秋開催、 新しい国立競技場。 ガンバ大阪VSヴィッセル神戸、 56824人の観衆だったそうだ。 良いタイミングで、 ファウル、Yカードで、 ゲームがストップした。 止める必要があるファウルなのか、 多少疑問に思ったが、 ケガ人が出てゲームに影響するよりも、良いことなのかもしれない。

    • 『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』キャスバル・レム・ダイクンとランバ・ラル

      キャスバル・レム・ダイクンとランバ・ラルを、 想起した観客も少なくないのではないだろうか。 もはやシェイクスピア劇や歌舞伎のような、 王位継承権を隠して復讐を誓う物語は古今東西に数多く存在する。 本作も、王座を奪われた風、主人公の怒りを軸に展開する王道の物語だ。 この世界観、スケールであれば、 王道のプロットにアクションや恋愛要素を加えるだけでも十分に成立する。 観客は刺激的な娯楽を求める一方で、 いつものやつ、、、 見慣れた景色で、 安心したいものだ、 ベスセラーや

      • 『ベルナデット 最強のファーストレディ』シラク、サルコジ、ルペンの闘い

        ファーストレディの、 実話ベースの美談の映画、 と予想していたが、 まったく違った。 ドヌーブは、 どれだけ芝居をしてもドヌーブ、 しかし、 ある瞬間から、 ベルナデットに豹変する。 闘い続ける闘士、 ジャック・シラク陣営の、 最強の政治家、 ベルナデット・シラクを、 シニカルなユーモア満載で描いた、 素晴らしい作品だった。 90分程度の尺で、 以下のライバルたちをも散りばめた手腕も高い技術があってこそだ。 風見鶏のユダのようなサルコジ、 懐かしい父ルペンの驚異的躍進

        • 『動物界』使い古された物語のフォーマット

          どこのどこの、 どこの誰から頼まれた♪ 命をかける価値もない、 これほど汚れたニッポンの、 ひとの心が生み出したー・・♪ 川内康範の、子供向け変身ヒーロー作品、 「正義のシンボル コンドールマン」を、 例に挙げるまでもなく、 本作は、 古今東西の、 ヴァンパイア、ゾンビ、 ビースト、モンスター、 DCEU、マーベルといった、 無数に存在する物語フォーマットに則っている。 同種のフォーマットであっても、 観客の記憶から速やかに消え去る作品と、 半世紀を経ても人々の心を

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        • プロデューサーOの独り言 映画製作の現場日記と映画レビュー
          49本

        記事

          『リトル・ワンダーズ』16ミリのフィルムカメラを使いこなすには技術が必要だ

          本作の映像表現は、レトロな世界観と、 雄大な自然を対比させながら、独特の雰囲気を醸し出している。 しかし、その表現には、意図的なのか否か、 いくつかの疑問が残る。 特に印象的なのは、雄大な山々や森といった自然描写だ。 深い緑と青を基調とした色彩は、 クレジットのフォントの色もグリーンで、 懐かしいAGFAフィルムのようなB/Gの発色を、 KODAKで反映させているのだろう。 しかし、これらの自然が、 ほとんどのシーンでピンボケ気味に描かれている点が特徴的である。

          『リトル・ワンダーズ』16ミリのフィルムカメラを使いこなすには技術が必要だ

          『戦と乱』韓国映画の現場で生で見た高技術、メイクアップアーティスト編

          韓国で時代劇の撮影を行った時に、 メイクチームの付け髭技術に深く感銘を受けた。 数本程度のフェイクの髭を小さな束にして、 順番に貼り重ねるという繊細な作業は、 まるで本当に生えているようなリアルな髭を生み出していた。 ハリウッドや英国からも引く手あまたの、 韓国のメイクアップアーティストたちの、 技術力の高さに、改めて驚かされた。 本作はメイクだけでなく、 シナリオ、芝居、アクション、VFX、 カット割り、音楽に至るまで、 細部にわたって作り込まれたエンターテインメン

          『戦と乱』韓国映画の現場で生で見た高技術、メイクアップアーティスト編

          『アウトサイド』渡る世間はゾンビばかり

          「渡る世間はゾンビばかり」 描写は細かい。 動かないゾンビの在り方、 母親ゾンビ、 銃とロレックスを奪う表情、 (後に誰かわかる) 井戸水を毒見しないとけいない、 サトウキビをかじらないとイケナイ飲食事情、 ラジオ放送、電波状況には期待してない世間の状況、 夫婦の間でも何かが起きた、 子どもたちも理解している、 壁の落書き、 神への感謝。 北へ行け。 建物、車、美術、 エイジング(汚し)の技術も高い。 最低限のセリフでの状況説明で、 描写を積み重ねていく表現力は高い

          【マイク・タイソンVSジェイク・ポール】まるでマンガのようだった

          58歳の老ボクサーリングにあがる。 マンガのようだ。 しかもマイク・タイソン。 左右に体を振って、 左フック一閃、 一発だったけどそれだけで十分だった。 満員のダラス・カウボーイズ・スタジアムの歓声、 NFL、MBAのトップスターの観戦、 長い長いリングアナのコール。 ボクシングのリングで、 互いに礼! 初めて観た。 ビジョンに何度も大写しされていた、 「コブラ会」(「The Karate Kid」)の師範のふたり、 の影響が少なからずあったのかもしれない。 ボ

          【マイク・タイソンVSジェイク・ポール】まるでマンガのようだった

          『リトル・ワンダーズ』リトル・ランボーズとは違った・・・

          本作の映像表現は、レトロな世界観と、 雄大な自然を対比させながら、独特の雰囲気を醸し出している。 しかし、その表現には、意図的なのか否か、 いくつかの疑問が残る。 特に印象的なのは、雄大な山々や森といった自然描写だ。 深い緑と青を基調とした色彩は、 クレジットのフォントの色もグリーンで、 懐かしいAGFAフィルムのようなB/Gの発色を、 KODAKで反映させているのだろう。 しかし、これらの自然が、 ほとんどのシーンでピンボケ気味に描かれている点が特徴的である。

          『リトル・ワンダーズ』リトル・ランボーズとは違った・・・

          『ロボット・ドリームズ』ボーヴォワールの回想録のようなストーリーテリング

          実に巧みな技術によって観客を魅了するアニメーション作品である。 その巧みさの要因のひとつは、 リアリティラインの引き方にある。 サッカーのオフサイドラインを、 状況に応じてチームで上げ下げするように、 本作では、それぞれのシーンにおいて、 リアリティのラインが緻密に調整されている。 どういうことか。 キャラクターの芝居、表情、動き、 そして美術、小道具、音楽に至るまで、 あらゆる要素がリアリティラインを形成する。 例えば、 ドッグや他の動物の眉骨や、 ロボットの

          『ロボット・ドリームズ』ボーヴォワールの回想録のようなストーリーテリング

          『ドント・ムーブ』緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・ではなく

          OPの断崖を走るプリウス、 森、岩、絶景の切り取り方、 魅せ方に引き込まれる。 雄大な自然の中でのサスペンス。 サイコ野郎との闘い、 自然との闘い、 演出も芝居も技術は高い、 中盤から事態は急転する。 ありがとう

          『ドント・ムーブ』緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・ではなく

          『トラップ』シャマランが細かいサスペンス手法を・・・

          『シックス・センス』を鑑賞した際は、 吉祥寺の映画館で高イビキをかいている人がいて、 周囲は失笑していて、 あまり良い思い出がない。 そのためか偶然か、 それ以降も、 シャマラン作品に対してはどこか構えてしまうところがあったが、 本作は楽しめた。 こんなサスペンスの王道のストーリーでも、 やはり〈THAT〉が出てくるのか、 〈IT〉は出てこないのか、 ハラハラしていると、 シャマラン本人が登場するという、 お約束ではあるが、 もはや、 最終兵器のような展開にそれはそれ

          『マンガー・ブラザーズ』企画ピッチは、ジョシュ・ブローリンで「ビッグ・リボウスキ」をやりたい、ではなかったか・・・

          ディベロップメントピッチを想像すると・・・ ジェフ・ブリッジスの「ビッグ・リボウスキ」のような、 ハードボイルドのつもりのグダグダの探偵コメディ作品、 もちろん周りは怪演、奇演の名優で固めた。 のような、 ジョシュ・ブローリンが、 生まれてくる赤ちゃんのために、 ファーストフード店でマジメに働くが、 犯罪歴でクビ・・・ グダグダのクライムコメディ作品、 もちろん、周りは変優、オランウータンでユルめる・・固める。 ゴルフ場は、 スナッチみ、 パミョみあり、 のろすぎるデ

          『マンガー・ブラザーズ』企画ピッチは、ジョシュ・ブローリンで「ビッグ・リボウスキ」をやりたい、ではなかったか・・・

          『ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド:Road Diary』Make America Great Again

          リハーサルの風景を撮影をしつつ、 Eストリートバンドのメンバーのインタビューという構成。 セットリストを最初に発表するボス、 新しいアルバムからは少ないようだ。 1985年ジャパンツアーの最終日 (だったような・・バース掛布岡田バックスクリーン3連発の翌週)、 大阪城ホールでボスを見た。 OPで「BORN IN THE U.S.A.」 アンコールにデトロイト・メドレー、 ツイスト&シャウトだったか・・・ 終了の場内の照明が点いても、 スタオベは止まらない・・・ 出口に

          『ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド:Road Diary』Make America Great Again

          『パンプキン』B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。

          汚染物質に侵された村を舞台にしたスラッシャー映画。 冒頭から緻密な描写が積み重ねられ、 村のイベントにおけるルネサンス「ベイウォッチ」風の演出や、 照明・スモークの巧みな使い方は、 B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。 シナリオ、演出、芝居、いずれも高い技術が光る。 特に、スラッシュシーンは丁寧に作り込まれており、 その臭いも漂ってきそうなグロテスクな描写は、 マニアの評価も低くはないだろう。 しかし、その丁寧さが裏目に出たのか、 物語の展開はやや遅く感

          『パンプキン』B級ゴアテイストの中に洗練された映像美を見出す。

          【諸橋近代美術館】ダリはここにいる。

          ダリはここにいる。 フィゲラスのダリ美術館に続いて、 裏磐梯の諸橋近代美術館。 まるでダリが、時空を超えてここにもいるような感覚だ。 5度目だが、 毎回新たな発見がある、 今回は無かったが、 「アンダルシアの犬」の上映もあった。 展示の仕方を少しずつ変え、 来館者に飽きさせない工夫をしているのだろう。 学芸員の皆さんの【DALImo】というパンフは、 皆さんそれぞれの推し作品の紹介、 絵画技法の調査、修復のレポート等、 充実していてユニークでおもしろい。 更に、