奈ザレ(の部屋)

(命名)
私が好意を抱いているキャラクターの一人、なざれ(奈坐例)を設定したい。便宜上から此処「fact orの世界」では通称「奈ザレ」と称します。

どのくらい奈ザレを好きかと言うと‥私の感覚には人間(奈ザレ)を罪びとと捉える意味も価値もない。こんな私の感覚を異教徒のものと見做す人は多いとしても、その評価が起きた所以がない訳は無いから‥理解したい。

(部屋の根拠)
何故に、奈ザレの部屋を此処に

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『民俗小説 異教徒』- 脱出 章 - 後半 概要

ベッソーノフは夕方まで彷徨した。岸には崩壊後のゴミが堆積していた。砂の中に捨てられた船の残骸や木材がすっかり腐り、錆びていた。波はこれらをゆっくり飲み込み、鉄と木をなめ、野生の状態に戻し、人間との接触を消した。ユジノクリリスクには何人か知人がいたが、事情を説明するのが億劫だった。彼はポケットに両手を突っ込み、襟を立て、冷たい風に耐えた。黒雲が這い入り、時々とげのある白い穀物が播かれた。どれだけの時

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『民俗小説 異教徒』- 脱出 章 - 前半 概要

第七章 脱出 (前半)

ベッソーノフは、頻繁に生物の誕生と死を見た。その際には他人の喜びや悲しみを感じたが、「同情」「理解」という言葉では説明できなかった。喜びと悲しみ、善と悪、生と死、本質と無意味に満たされた外の世界と自分の間には、子供のころこそ落差があったが、大人になるにつれて自分が何に囲まれているのかが理解でき、感情を持たずにただ世界を感じることができるようになった。「私」と反世界の「彼ら

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『民俗小説 異教徒』- 権力 章 - 概要

第六章 権力
荷を積み過ぎた夏は南へと、暗い緑色の湿気たスカートにもつれながら、重い足を引きずって去っていった。ウミガラスやエトピリカなど極北に定住する鳥は皆、十月になると幾千もの群を成して飛んできて、入り江を覆った。ある人間が、漁船の船首に座り、高まりを抑えられず、銃で鳥の群を撃った。忌まわしい魚の魂が宿るため、海鳥を食べてはいけない。人間は、ただ慰めのためだけに撃つのだ。桟橋にて、人々は細かい

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『民俗小説 異教徒』- 蜃気楼 章 - 概要(後半)

第五章 蜃気楼(後半)

お昼時から、集落では日本人訪問団を待っていた。夕方、太陽がホッカイドウの山々に沈むとようやく、岸から半マイルほどの仮泊場に、白く優雅な小客船がやってきた。入り江の明るい休日を知らない労働者にとっては、美しすぎる船だ。普段見るのは、大砲や探査機のついた船、魚や油の悪臭のする船だけだ。日本人が男女三十五人、ジャーナリスト、聖職者、学生、東京と札幌の年金生活者が、二回の渡し船で

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『民俗小説 異教徒』- 財産 章 - 概要

第一章はこちら*作品についてはこちら*作家についてはこちら

第四章 財産

日の出から日の入まで、一日は一呼吸のように生きる。朝は南のモンスーンを吸って膨らみ、生と喜びに満ちる。夜は逆に、呼吸が途絶える。冷凍庫付きトロール船『平等号』の船長、デニス・グリゴーリエヴィチ・ゾシャートコは、四半世紀以上をそのように生きた。昼には何からも満足を得るように感じたが、夜になると別人になったかのように、暗闇の

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『民俗小説 異教徒』- 水と風 章 - 後半 概要

第一章 火

第二章 土

第三章 水と風 前半

はこちらから

第三章 水と風 後半

何日か後、北東から二度目の台風がやって来た。その兆しとして、近隣の択捉島と色丹島が大気の遠域にくっきりと見えた。漁師たちは十分な準備ができていなかった。生き物は全て、海や陸の奥で息を潜め、大洋は積み重なって唸り、白い塊となって大気中を走った。漁師達はバラックで二十四時間待機したが、チャチャの仮泊場の仲間とは

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