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「ミッドサマー」

昨年公開の新作「ミッドサマー(Midsommar)」。米・スウェーデン合作のホラーで、なんか話題になってるから借りて観た。アリ・アスター監督。

アメリカの大学生仲間4人が、スウェーデン・ホルガからの留学生ペレに故郷で行われる夏至祭に招かれる。
夏至祭を主催するのは、古代北欧の異教徒たちのカルト的なコミューンの共同体で、普通の祝祭ではなく、人身御供を中心とした儀式だった。
共同体から外れるような行為をした4人は次々と追い詰められ、神への捧げ物として殺されていく…。

ネットでも、不気味で怖くて衝撃的だとか、大傑作だとか、超ヤバいとか、マジでイカれてるとか、絶賛の感想が多いが、俺的にはそんなに面白くはなかったなぁ。

北欧の異教徒のカルト儀式を永遠と見せられてもシラけちまうよ。早送りしたい衝動に駆られたね。

基本、自然と土地と神を敬う観念論バリバリの世界だけど、そんなものにあまり意味を見出さなくなっちまった俺にはどーでもええし。

ただ、大学生の1人がコミューンの処女の子に見染められ、小屋の中で経験者の女たちが見守る中、引き付けられるように中に入れて激しく腰を動かしてイッちゃうシーンは笑っちゃった。

最初で最後の衝撃は、コミューンの年長者2人が高い崖の上から身を投げるという棄老の儀式で、潰れた頭や脚がグチャッとなってリアル感があるけど(虫の息の老人の頭をハンマーで叩き潰してトドメを刺す)、これ以降はいじくった死体なども出てくるが、ホラーやスプラッターを見慣れた俺にはぬるいものだ。

主人公の女の子が、妹が両親を道連れに心中したことがトラウマとなってパニック障害を患ったメンヘラだから、病んだ心理描写を中心に、異教の儀式にハマっていく様が不気味といえば不気味なのだが。結局、彼女は異教徒たちの女王に祭り上げられるけど。

白夜の北欧で白い衣装を纏い踊る異教徒たちを見てると、やはり北欧ペイガン・ブラメタを思い出すね。バーズム、ダークスローン、エンスレイブド、アブサード、ノクターナル・モルトゥム等NSBMも。

人里離れた神と伝統に固執する異教徒の世界に、現代を象徴するような若者たちが侵入し、異教徒たちの怒りに触れて、一人一人血祭りに挙げられるってのは、すでにいっぱいあるテーマじゃねえのかなぁ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。