加納朋子著「カーテンコール!」に登場する理事長の「あなた自身の物語を読ませて下さい」という語り掛けに応えてみたいと思う。勿論理事長の言葉は私宛ではない。でも私宛だったらと仮定すると物語が次々生まれてきて、書いてみたくなる衝動に自分自身驚いている。まずは物語の声に耳を傾けたい。
加納朋子の小説「カーテンコール」の一場面に涙腺が震えた。生きづらさを抱えて苦悩する女学生達の語りが、かつて私の側で死にたがっていた人を思い起こさせる。私はただ懸命にご飯を作って、出来るだけ面白い話をした。彼は今生きている。死ぬ程辛い思いをしなければ見えなかったであろう景色の中で。