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「こんなミステリ、初めての体験です」「何が嘘で何が真実なのか」「終盤はまさかの展開に驚愕」――エヴァ・ドーラン『終着点』感想コメントご紹介!!!
こんにちは翻訳班のKMです。 暑い日が続きますね。帰宅して冷房がつけっぱなしでも、「座敷わらしが気を利かせて部屋を冷やしてくれたのだな」と涼やかな気持ちでいられます。電気代を思うとさらにほんのり涼しくなれます。 さて8月22日、エヴァ・ドーラン『終着点』(玉木亨訳/創元推理文庫)が刊行されました。事件発生後、過去へさかのぼる章と未来へ進む章が交互するという、ミステリ好きにはたまらない構造で紡がれる傑作です。まずはあらすじをどうぞ。 本書は多くの謎を内包しています。殺したの
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青崎有吾『地雷グリコ』、楠谷佑『案山子の村の殺人』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 宇田川拓也[国内ミステリ]その1
【編集部から:この記事は東京創元社の文芸誌〈紙魚の手帖〉vol.15(2024年2月号)掲載の記事を転載したものです】 一見すると型から外れているように思えるが、いざ読んでみると見事なまでに本格ミステリであり、さらにめっぽう面白く仕上がっているのだから感嘆するしかない。 青崎有吾 『地雷グリコ』(KADOKAWA 一七五〇円+税)には、よく知られる遊びやゲームをアレンジした対戦型遊戯が登場する。たとえば、グーは「グリコ」、チョキは「チヨコレート」、パーは「パイナツプル
ジョン・コナリー『失われたものたちの国』刊行記念、翻訳者・田内志文先生のトークイベント&サイン会開催(東京・御茶ノ水、9月6日)
みなさまこんにちは。東京創元社編集部の翻訳班HSと申します。 主に翻訳ミステリの編集に携わっておりまして、『そしてミランダを殺す』のピーター・スワンソン、『自由研究には向かない殺人』のホリー・ジャクソンなどを担当しております。好きなものは駄菓子のラムネ、好きな動物はフェレット(イタチ)です。 さて、今回は9月6日(金)開催のイベントについてお知らせいたします! ジョン・コナリーの、本にまつわるダーク・ファンタジイ『失われたものたちの国』の刊行を記念し、同書を翻訳された田内志
一穂ミチ『ツミデミック』、綿矢りさ『パッキパキ北京』、森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 瀧井朝世[文芸全般]その2
【編集部から:この記事は東京創元社の文芸誌〈紙魚の手帖〉vol.15(2024年2月号)掲載の記事を転載したものです】 一穂ミチ『ツミデミック』(光文社 一七〇〇円+税)もコロナ禍を舞台に、犯罪、あるいは犯罪めいたものに触れる人々が登場する六編を収録。 たとえば「ロマンス☆」は、幼い子供を育てる母親が近所でイケメンの配達員を見かけ、彼が来ることを期待してフードデリバリーサービスの注文を繰り返す。しかし、彼はなかなか来ない……。まるでギャンブル依存症のようで十分怖いのだ