松永ねる

エッセイスト兼ピアノ弾き。1987年生まれの静岡産。ポケモンとスタバとお花が好き。役に立たないことを、思ったり感じたりしながら書いています。

松永ねる

エッセイスト兼ピアノ弾き。1987年生まれの静岡産。ポケモンとスタバとお花が好き。役に立たないことを、思ったり感じたりしながら書いています。

マガジン

  • わたしのはなし

    あったことを、あったまま。わたくしごと。日常、頭の中、日記と記憶の話が中心。

  • 君に伝えたい百の言葉

    あなたに伝えたい言葉が残っている。見失っても、百個積んだ先に何かがあるかもしれない。光を追う者のエッセイ集

  • 砂時計が落ちるまで

    音の日記。メインはピアノ即興日記。まとめ動画はYouTubeにて → https://www.youtube.com/channel/UCjLbPL5sZuwpiix5nXo80jA

  • クッキーはいかが?

    1200文字以下のエッセイ集。クッキーをつまむような気軽さで、かじっているうちに終わってしまう、短めの物語たち

  • 会社をクビになりました\(^o^)/

    2020年3月31日。流行り病の大打撃を受け、アルバイトをクビになった30代の起死回生物語。無職期間:5/1 〜 翌1月。現在は社会復帰済み。生きること、働くこと、お金のこと、会社や社会のことなど語ります。トップがは作者近影

最近の記事

  • 固定された記事

2023年。めざせポケモンマスターに泣いている

わたしは、泣いている。 何度でも泣く。 静かに、なみだを落とす。 わたしは、さびしい。 この春、サトシが アニメ「ポケットモンスター」の主人公を、卒業する。 サトシがマサラタウンを旅立ってから こちらの世界で言うところの、約25年の歴史をぎゅっとまとめた映像が、新宿の屋外広告に掲載されるらしい。 わかっている、わかっていた。 もう、ずいぶん前からわかっていた。 わかっている、ということは さびしいという気持ちとは、まったくの無関係なのだ。 わたしは、さびしい。 卒

    • 人間に戻るためにしたこと

      わざわざ言うことでもないから黙っていたけれど、五月病だった。 なんていうか、様子のおかしい5月だった。 五月病じゃなくてコロナだっただろ、とか オマエ楽しそうに同窓会やってただろ、とか 外から見ればそういう感じだったと思う。 そうだろうそうだろう、そういうふうに見せようと努めていたからね。 でも、なんかおかしくて、朝起きれなくて、仕事に行くのがつらかった。 いや、これって字面にすれば「そんなのフツーでしょ」「みんなそういうもんだって」「朝起きるのがつらくなくて、仕事に楽し

      • 鳥のカバンで飛べる

        会社から、パソコンを持って帰ってきた。 土日の、空いた時間に仕事を進めようと思って 「自由に生きて、自由に働きたい」という理想を、少しずつ勝手に、叶えさせていただいている。 今までは「絶対休みの日に、家でなんか働きたくない」と思っていたけれど 「出掛ける前に、1〜2時間取れそう」とか、「会社行くの面倒だけど、ちょっとだけ進めちゃおう」とか、そういうふうに思えるようになった。 そういう気持ちもあってか、パソコンは軽く感じた。 大雨の中だったのに、身軽だった。 なんて書くと

        • 2023_0601_遥か

          春が霞んで ずいぶん遠くまで来たけれど あの日の歌の 続きを探している 【photo】 amano yasuhiro https://note.com/hiro_pic09 https://twitter.com/hiro_57p https://www.instagram.com/hiro.pic09/

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • わたしのはなし
          松永ねる
        • 君に伝えたい百の言葉
          松永ねる
        • 砂時計が落ちるまで
          松永ねる
        • クッキーはいかが?
          松永ねる
        • 会社をクビになりました\(^o^)/
          松永ねる
        • 拝啓 スガシカオさま
          松永ねる

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          好きなこと、生きること

          季節を感じる瞬間っていくつかある。 多くは”着るもの”で、ついこのあいだまでヒートテックを着ていたのに、いまではもうエアリズム。 コートが、もふもふのMA-1に変わって、毛のないMA-1でも平気になって、最近はそれも着ていない。 花屋ではミモザが並び、芍薬の季節はもうすぐ終わるだろうか。我が家では紫陽花を飾り、向日葵もよく見かける。 職場では、来客用のお茶が、温かいものから冷たいものに変わった。 温かいのは、湯呑に粉とお湯を入れるタイプのやつ。 冷たいのは、小さなグラスに

          小さな生まれ変わり

          ねむい、と思う。 いつも、だいたい眠い。 眠いけどお風呂に入ろうと思って、ずいぶん時間が経ってしまった。 シャワーを浴びるだけなのに、どうしてもめんどうな気持ちになる。 なにより眠い。 シャワーが夜でも朝でも、わたしは眠いのだ。 その日は、夜のシャワーだった。 早く寝なくては、という心は消え失せ、まあ4時くらいに寝られればいいや、と思ったらもうしばらく時間もあった。 気分もよかった。 エッセイを書き終えてからもう2時間もソファーでごろごろしていたのに、ようやくシャワーに

          ライブハウスにコーヒーを

          ライブハウスで、同窓会と誕生会を開催した。 わたしたちは軽音部の同期で、となりには現役のライブハウススタッフの友人が座っていた。 わたしも20代の多くの時間をライブハウスで過ごし、 それは、パーティー会場や居酒屋を予約するよりも、至極当然の流れだった。 あれやこれや企画を詰めて、 誰も来なかったらどうしよう、という不安を乗り越えて 1ヶ月前にはすべての詳細を決めて、フライヤーの準備をして、なかなかに完璧だった。 そして、当日をイメージする。 ふたりの友人のライブ時間を

          どうでもいいこと / 覚えていたいこと

          5月27日 町田プレイハウスにて、大学軽音部の同窓会を企画しました。 大切なこと、よろこばしいこと、嬉しいこと。 ほんとうにたくさんあった。 でも、誰も気づいていないと思うけれど これがいちばんだった。 今日は、そのことを書き残したくて この日のイベントを組むための紆余曲折も聞いて欲しいんだけど、そこがガツッと割愛して 結局、「身内だけの同窓会」+「現役で音楽活動を頑張っている山さん(山岡くん)の誕生会」を兼ねて開催することに 身内の同窓会は、こちらの不安をぶっ壊すく

          2023_0527_不平等も等しく平等な事実も

          僕には あなたにないものばかりで 足りないばかりの 人生かもしれないけれど 光は在る 平等に在る 手を伸ばせば在る その眩しさ 認めることができないのが 僕だったのかもしれない 【photo】 amano yasuhiro https://note.com/hiro_pic09 https://twitter.com/hiro_57p https://www.instagram.com/hiro.pic09/ 光は在る まだ、在る

          ガソリンを入れる、コロッケを揚げる

          夏には少し早いけれど 夏は夜、だと思う。 高校生で、初めて枕草子を読んだときは感動した。 春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて。 ああ、まったくその通りだ。 春になったら使い倒そうと思っていたバルコニーは、早々に午後の日差しに焼かれてしまった。 極端に、暑いか寒かで、なかなか快適には使えないなあ、と思ったいたけれど この季節の夜。 夕暮れの、少しあと。 太陽の残り香と、デスクライトで照らされたバルコニーの幸福たるや。 仕事が終わって、体力が残っているそのときに

          運命と生きてゆく

          引っ越してよかったことは、バルコニーだ。 そう、ルーフバルコニー。 自分の部屋がすっぽり収まってしまいそうなその空間は、いまもなおわたしの心を踊らせている。 ふたり分の、ふとんを干して、そのうえで洗ったシーツまで干せちゃうのは感動モノだ。 ああ、腫れた日の午後のルーフバルコニーの美しさたるや わたしはまた、ふとんを干す。 時折、ふとんと一緒に干される。 近くを走る車の音、明滅する信号機、ときおり響く子どもの声。 たっぷりと吸い込む。 このあいだの休みも、またふとんを干し

          傘に祈り

          最近、雨の日がちょっとたのしい。 お気に入りの傘を、使っている。 その傘は、同居人の友達の忘れ物で、ずうっと家にある。 申し訳ないくらい、ずっと家にある。 もちろん、忘れた本人が悪いのでこちらが気にすることではないのだけれど、「はやく返さなくちゃいけないなあ」と思いながらも、1年以上は経ったと思う。 きれいな傘だったら。 オーロラのビニール傘。 それはわたしが、いつか欲しい、と思っていた傘だった。 何度も、何度も 「ちょっと借りちゃおうかな」と思った。 傘を借りたくら

          2023_0523_有り難う

          気持ちがバタバタして 誰かのあくびに安心する午後 ああ、あくびくらいしても大丈夫なのに 言葉に少し、とげが混ざる。 情けないなぁ、と思いつつも 出てしまった言葉は消えなくて 電話を切ったあと、椅子のキャスターをコロコロ転がす 「あの、ありがとうございます」 何がって、ぜんぶ。 手の回らないわたしの代わりに、電話対応してくれて あなたはもしかしたら「うまくできていない」って思うかもしれない たぶん、わたしが自分でやったほうがはやい。 でも、ありがとう。 すごく助かった。 ほんとうだよ。 言葉足らずになっちゃうくらいなら いくらでも言葉にしたほうがいいよ 誰かのために生きているわけじゃなくても 誰かからの「ありがとう」をガソリンに生きている。 あなたの横顔も、照れたみたいにうつむいて ああ、伝えてよかったな。と思っている。 【photo】 amano yasuhiro https://note.com/hiro_pic09 https://twitter.com/hiro_57p https://www.instagram.com/hiro.pic09/

          妖怪歩行

          今日は眠い。 どうしても眠い。 松永”爆睡”の二つ名が炸裂している。 それでも、帰ってきてシャワーを浴びて、洗濯をして、ごはんを食べてから昼寝したのはほんとうにえらい。 あんなにもずっと、すぐに眠れる状態だったのに。 深く眠らないように、ソファーに転がる。 22時10分の目覚ましで起きて、それからごろごろして、ごろごろして、上半身を起こしてみたけれど、ぜんぜんダメだった。 そうだ。 わたしの人生っていつも、ぜんぜんダメだ。 ダメはダメなりに生きていくのだ。 開き直って

          5月20日(新宿にて)

          仕事をする。 なんとか、こなす。 鼻の奥というか、上というか、ずうんと痛い。 それが頭痛と繋がる。 また、味や匂いがわかりづらくなってしまった。 コロナウイルスに2度めの罹患、心当たりのある症状だった。 また、身体が動かなくなってしまったらどうしよう。 だから「身体が動かなくなる前」に仕事を切り上げなければいけない。 むかしから、腹八分目ってやつがわからないというのに。 出社して、短い時間で、最低限の仕事を片付ける。 明日もそれを、繰り返す。 家では食べて、眠って、家事

          2023_0520_君は、最後まで信じないで欲しい

          物語は順番に 然るべきときに始まり そして終わりゆくものだと 疑いもしなかったけれど サビの直前の そのいちばんのブレスだけを 大切な言葉だけを 切り取ってはいけないと 誰が、決めただろうか 【photo】 amano yasuhiro https://note.com/hiro_pic09 https://twitter.com/hiro_57p https://www.instagram.com/hiro.pic09/