松永ねる

今日も眠ってしまったあなたの味方|毎日更新|ピアノ即興、タロット占い、インタビューと広…

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今日も眠ってしまったあなたの味方|毎日更新|ピアノ即興、タロット占い、インタビューと広告のお手伝い|ポケモンとスターバックスが好き

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記事一覧

#旅の準備

 君が実家に帰るというから、キャリーケースを渡した。  これは10年ほど前、友だちの結婚式にいくときに買った。  もう、人生初めての旅行らしい旅行で、「旅行といえ…

松永ねる
16時間前
8

身軽な時間

 家から遠く離れたスターバックスに来ている。  何をしているかって、ぼおっとしている。  ここへは、花を見に来た。  水槽のあぶくと、花を。  わたしはnoteを毎日…

松永ねる
1日前
9

東京は灯されて

 今日は仕事をして、買い物までした。えらいなあ。  必要なものを買いに行くって立派な家事だし、めんどう。からだが重い。誰かが当たり前に、悩む前にさくっと終えてし…

松永ねる
2日前
20

いつか劣化するとしても

 KALDIのコーヒーキャニスターがかわいい(ハロウィン限定のやつ)  我が家でも、コーヒーミルを導入した今年2月からキャニスターを使っている。いろいろ調べたけれど、…

松永ねる
3日前
10

希望のドーナツ

 人生ってのは、予定と違うことばっかりだ。  予定のわたしだと、もう少し遠くまで電車に乗って、バスに乗って、遊びに行くつもりだったのに、からだがずとんと重たい。…

松永ねる
4日前
13

今日の晩ごはんは月見バーガーだから、書き終わるまで家に帰らない

 毎日noteを更新している。  基本的には毎日書いていて、ときどきピアノを弾いたり、ときどき23時と26時に更新して、そのあとの24時間をサボったりする。  けれども、…

松永ねる
5日前
14

【往復書簡】 手紙を飼う

▼前回の手紙  前回の手紙から、1ヶ月半ほど空いてしまった。  お元気にしていますか?というのはズルいか。  先月遊んでからも、まもなく1ヶ月くらい? 夏がしぼんで…

松永ねる
6日前
14

なんでもいいもの、よくないもの

 むかし、美容院が嫌いだった。  最近は決してそんなことはないのだけれど、思い通りの髪型にならなかったり、その場では良くてもあとで手入れが大変だったり、理由はい…

松永ねる
7日前
9

【20240910】 苦いものは、苦いまま

 いつか、書きたくなるものだと思っていた。  気力が満ち溢れて、選ばれた人間みたいに、書きたくて仕方がなくなるような妄想をしていた。  けれども、そんな人間ではな…

松永ねる
8日前
10

宝の地図

 かばんを覗いたら、新宿御苑の地図が出てきた。このあいだ行ったときのやつ  ひとりのときは、地図を片手に歩くのが好きだ。RPG風に探索したり、目的地に向かったり、た…

松永ねる
9日前
10

ワンピースを、いくつかと

 時折する想像がある。  定期的に訪れる、という意味では病と言っていいかもしれない。  あるいは、癖、とか。  YouTubeを徘徊していたらルームツアーの動画を見つけ…

松永ねる
10日前
14

ズルと贅沢

 会社をちょっと早めに切り上げて、散歩に来た。  最近ちょっと忙しくて帰りは遅めだったし、今日はちょっと手が空いた。やらなきゃいけないことはたくさんある。でも、…

松永ねる
11日前
13

絶対に、たい焼き

 たい焼きを買った。  今日はどうしてもたい焼きだった。そういう日があってもいいと思う。  プリンだとかバームクーヘンだとか、たくさんの誘惑を退け、たい焼きにた…

松永ねる
12日前
20

音楽と人

 ライブのチケットを買おうか悩んでいる。  最近のわたしは、べしょっとしている。  食事も睡眠も充分で、仕事に行けば良い人をきちんと演じることができるのに、家に…

松永ねる
13日前
15

東京の炎

「気をつけて帰んなさいよ」と言われて、にんまりした。  オフィスが入っているのは古い3階建てのビルで、よく大家さんがお掃除している。  すっかり顔馴染みで会えば挨…

松永ねる
2週間前
10

新しい答え

 本を買った。  気持ちとか体力とか、少し余力が出てきて、最初にしたことは友達に会うこと。その次がゲームで、それから仕事帰りの寄り道。  そして、本を買った。 …

松永ねる
2週間前
19

#旅の準備

 君が実家に帰るというから、キャリーケースを渡した。  これは10年ほど前、友だちの結婚式にいくときに買った。  もう、人生初めての旅行らしい旅行で、「旅行といえばキャリーケースでしょう」と言って、慌てて買った。行き先は宮古島で、結婚式用のワンピースやあれこれも持たなきゃいけなかったから、どうしても必要だった。  買ったはいいのだけれど、遠出の機会が少ないうえに、たいていはリュックですませていたから、こいつを使う機会はほとんどない。  先日、実家に帰るときにキャリーケース

身軽な時間

 家から遠く離れたスターバックスに来ている。  何をしているかって、ぼおっとしている。  ここへは、花を見に来た。  水槽のあぶくと、花を。  わたしはnoteを毎日更新するということを自分に課していて、書きだめするほどの情熱や計画性もないので、仕方がないので今日もこうして書いている。仕事のある日は、仕事のあと。眠るまでのどこかの時間で。あるいは、目覚ましをかけて眠る。23時に起きるように。  家にいると、何かしなくちゃな。と思う。  正確には「何かすべきタスクを放置し

東京は灯されて

 今日は仕事をして、買い物までした。えらいなあ。  必要なものを買いに行くって立派な家事だし、めんどう。からだが重い。誰かが当たり前に、悩む前にさくっと終えてしまうことに、わたしはずいぶんと時間がかかる。  今日も仕事に行ってえらい。買い物までしてえらい。きちんと、褒めたい。  ドトールの、さらりとしたコーヒーを飲みながら、今日のエッセイを書くことにした。今日もきちんと、コーヒーが美味しい。  本日は最寄りのドトールから、日常(あるいは思考)の切れ端をお届けしているのだけれ

いつか劣化するとしても

 KALDIのコーヒーキャニスターがかわいい(ハロウィン限定のやつ)  我が家でも、コーヒーミルを導入した今年2月からキャニスターを使っている。いろいろ調べたけれど、シンプルにハリオのやつを買った。  KALDIで新しく買おうか悩んで、それからうちのキャニスターをもう一度見たけど、うちのやつはうちのやつで、確かに可愛かった。蓋が黒くて、軽くて、過不足なくて、君と過ごしている日々は確かに幸福だった。  確かに幸福だった、ということを人はすぐに忘れてゆく。  洋服もピアスも

希望のドーナツ

 人生ってのは、予定と違うことばっかりだ。  予定のわたしだと、もう少し遠くまで電車に乗って、バスに乗って、遊びに行くつもりだったのに、からだがずとんと重たい。こういうときにはまっすぐ帰っても眠るだけで、それはそれで大変な寂しさなので、からだを引きずれるようならば寄り道をするようにしている。  バスに乗る元気がないことを悟ったあとは、情けない気持ちだった。  今日もうまくいかない。  それでも自分を励まそうと、いくつかの案とルート検索をしたけれど、うまくハマらなかった。わ

今日の晩ごはんは月見バーガーだから、書き終わるまで家に帰らない

 毎日noteを更新している。  基本的には毎日書いていて、ときどきピアノを弾いたり、ときどき23時と26時に更新して、そのあとの24時間をサボったりする。  けれども、基本的に毎日書くことを基本にしている。  毎日書く理由はいくつかあって……というほど、どれも大したことではない。  無職で、下がった自己肯定感をなぐさめるため。というのが最初の理由だった。言い訳が欲しかった。  今でも根本的な部分はそこから動けていないと思う。言い訳のため。有り難いことに嬉しいことはたくさ

【往復書簡】 手紙を飼う

▼前回の手紙  前回の手紙から、1ヶ月半ほど空いてしまった。  お元気にしていますか?というのはズルいか。  先月遊んでからも、まもなく1ヶ月くらい? 夏がしぼんでゆく気配を感じているよ。  あなたに、手紙を書こうと思った。何度も  手紙というのはいつもそうで、書こうと思って、ずいぶん思って、ようやく最後に書く。  手紙を書くということ自体は愉快だし、書き始めれば……っていうのは、多くの事々と同じで、わかっているのだけれどなかなか手につかない。  善いこと、というのを

なんでもいいもの、よくないもの

 むかし、美容院が嫌いだった。  最近は決してそんなことはないのだけれど、思い通りの髪型にならなかったり、その場では良くてもあとで手入れが大変だったり、理由はいろいろあったけれど、「どうしたい?」と問われるのが嫌だったからかもしれない。  いつも頼んでいることは、毛量を減らすことと、前髪を切ること。  あとはよくわからなくて、目立つところにある白髪は隠したいけれど、髪色を尋ねられると困る。たぶん、好きな色と似合う色は違うし、わたしが分身して2色試せるとしたら好みくらいは選べ

【20240910】 苦いものは、苦いまま

 いつか、書きたくなるものだと思っていた。  気力が満ち溢れて、選ばれた人間みたいに、書きたくて仕方がなくなるような妄想をしていた。  けれども、そんな人間ではなかった。  少なくとも、わたしは。  むかし、バンドをやっていた頃に働いていた会社で、シルバーアクセサリーを作っている同僚がいた。  あの頃は、10時から19時までキッチリ働いて、初めてのデスクワークで、サボり方もわからなくて、なんていうか会社全体が真面目な雰囲気だった。あの人の履いていた、穴の空いたジーパンとは裏

宝の地図

 かばんを覗いたら、新宿御苑の地図が出てきた。このあいだ行ったときのやつ  ひとりのときは、地図を片手に歩くのが好きだ。RPG風に探索したり、目的地に向かったり、ただただ眺めて頷いたりする。  わたしはそれを会社で見つけた。  そして、今からが現実的に無理でも(閉園の時間に間に合わないから)、明日にでも新宿御苑に帰れることに気がついた。有り難いことに、出勤も退勤も、時間はわたしに一任されている。だから本当に、明日にでも行ける。  そのことが、わたしを勇敢にさせた。  わた

ワンピースを、いくつかと

 時折する想像がある。  定期的に訪れる、という意味では病と言っていいかもしれない。  あるいは、癖、とか。  YouTubeを徘徊していたらルームツアーの動画を見つけて、それが妙に素敵だった。  お部屋そのものは、よくある賃貸で、それはわたしの部屋にも、友だちの部屋にも見えるような規模感だったのにも関わらず、デスクにも棚にもお気に入りのものが、きちんと飾られていた。  わたしだってお気に入りを飾っているはずなのに、なんていうかゴチャッとしている。  そのルームツアーは「

ズルと贅沢

 会社をちょっと早めに切り上げて、散歩に来た。  最近ちょっと忙しくて帰りは遅めだったし、今日はちょっと手が空いた。やらなきゃいけないことはたくさんある。でも、ズルと贅沢こそ、今すべきではなかろうか。  ズルっていうのは、あんまり得意じゃなかった。  根が真面目というわけでもなく、「明日もサボりたいのに、今日サボっちゃったら明日は頑張らなきゃいけない」なんて思っていた。明日は本当に具合が悪くなるかもしれないしね。  本当に体調不良で過ごしていたこの数年は「具合の良いときには

絶対に、たい焼き

 たい焼きを買った。  今日はどうしてもたい焼きだった。そういう日があってもいいと思う。  プリンだとかバームクーヘンだとか、たくさんの誘惑を退け、たい焼きにたどり着いた。あんこか、クリームか、あんクリームか、たいそう悩んだけれど、あんこにしてみた。  たい焼きを食べるには帰り道を迂回しなくてはいけなくて、何を食べるか選ぶのは楽しくもあり、決められない自分を疎ましく思ったりもする。  けれどもいま、鞄の中にはたい焼きがある。  それは、大げさに言えば叶えた夢のひとつであ

音楽と人

 ライブのチケットを買おうか悩んでいる。  最近のわたしは、べしょっとしている。  食事も睡眠も充分で、仕事に行けば良い人をきちんと演じることができるのに、家に帰ると覇気がない。眠いのとちょっと違う。何もしたくない。  まるで、咲かない蕾をぶら下げた植物みたいに。  水も栄養も日光も充分なはずで、去年はこれで綺麗に咲いたのに、今年はなんだか全然ダメ。みたいな。べしょっと。  ライブのチケットを買おうか悩んでいる。  一万円のチケット。  わたしにはずいぶん高価で(ライブの

東京の炎

「気をつけて帰んなさいよ」と言われて、にんまりした。  オフィスが入っているのは古い3階建てのビルで、よく大家さんがお掃除している。  すっかり顔馴染みで会えば挨拶をしたり、天気のことを話したり……気さくに声をかけてくれることが、実は嬉しい。それは、もう決して新たに手に入れることができないような、滲み出るような懐かしさだった。 「気をつけてね」と言われることは、ままある。わたしも言う。  けれどもこの、「気をつけて帰んなさいよ」の格別さたるや。  ああ、わたしもこんな言い

新しい答え

 本を買った。  気持ちとか体力とか、少し余力が出てきて、最初にしたことは友達に会うこと。その次がゲームで、それから仕事帰りの寄り道。  そして、本を買った。  Switchでできるスナフキンのゲームをやってみたら、なかなかおもしろくて、ムーミン好きの友達にプレイしたら「原作通りだ」と言っていたので、原作が気になっていたところ  寄り道した本屋に、ムーミン全巻セットが売っていて、うっかり買ってしまった。  約6000円。  ずっと欲しかったゲーム「プリンセスピーチ」とほと