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「趣味が人間観察っていうひとは、表参道みたいなところにいくんだろうなって思う」と、目の前の彼女はまじめだった。 対比として「町田じゃなくて」という、その違いについてもよくわかる。とある友人は、「町田の方が教材が売れる」と言っていたので、町にはそれぞれよさがあって、どちらかといえば表参道のほうがいろんなタイプの人がいる気がする。 表参道には、わたしもいる。 なぜだか縁のある街で、今ではTシャツにジーパンで歩けるし、そのままラフォーレだってヒルズだっていける。ラフォーレの
ときどき、ぐわりと落下する。 それは、予期されていることもあれば 今日のように、よく晴れた昼下がり。 乱反射する日差しを浴びて、そして焼かれてゆく。 優しさも明るさも、ときとして凶器に成り得る。 すうっと手を伸ばそうとしているのか、 あるいは、手を伸ばす”フリ”をしているのか、その区別すらつかない。 ただ、落ちてゆく。 静かに、誰にも気づかれずに。 自分ではどうすることもできないから、やはり手を伸ばすべきなのだろう。 さて、どこへ こういうとき
「そういえば、ピアス開けた?」と問われて、少し考えた。 そういえば、彼女にはまだ話していなかったかもしれない。二年前の秋に開けた、左耳のピアスのこと。 「開けたよ。左に、もうひとつ」 最初のピアスを開けたときに、手助けしてくれた友人だった。 大丈夫だよと励ます彼女の耳には、10個近くだか、10個以上の穴が開いていた。まだ増殖し続ける穴を見ながら励まされて、わたしもピアスを開けることに決めた。 ファーストピアスを外すときは、もうひどい騒ぎで 硬くて自分で外せなくて
「最初は、1,000円でもいい。 お金を稼いで、そのことを実績報告していきましょう!」 あんじゅ先生の、かろやかな声を覚えている。 4月の面談でのこと。 「実績報告って、書けることないよ〜〜〜」と思ったわたしですが 趣味でやっているものから、趣味に課金していただいたものもあって 今月も、わたしの文章や手仕事に、1円以上の値段がついていたりするものもあって…… そうあるのです。 わたしも、作ったものが。 あとは「作った」と胸を張る勇気だけで その勇気も、た
「ねえ、今日暑くない?」 今まさに、ヒートテックの上にスウェットを羽織ろうとしている男に、声をかける。 今日は、Tシャツ一枚でいいんじゃない? 少なくともわたしはそれで、家を出るつもり。 男は「そんなに暑い?」と訝しげではありながらもスウェットを脱ぎ、窓を開けた。 「ほんとだ……」と驚き顔で戻ってくる。 なんだよそれ。地球初めての渡航者か。 「あれだね」 わたしは深く頷いた。 「KYだね」 この世には、みっつのKYがあるらしい。 空気読めない 漢字読め
わたしは、ねる。 昨日、エラそうに人の悩みに回答した女。 実は、漫画家でもないのに、漫画家”あんじゅ先生”のオンラインサロンに入っているわたし。(あんじゅ先生が好き+同年代で尊敬してるから) ▼あんじゅ先生 今日は、サロンの個別面談をしていただきました! 参加は希望者のみ。ってことなんですが、前回お話させていただいてハイパー元気が出たので、今回も申し込みさせていただきました。 前回の面談は、12月。 休職中で、お先真っ暗。とりあえず死んでない。だけの状態
夢を見た。 占い師に「相性を占おうか」と尋ねられて、答える前に目が覚めた。 夢の中では、もう会えない友達や、はじめしゃちょーがわたしの彼氏だったりすることがあるけれど、そのときはめずらしく、現実世界の同居人が隣りにいた。 声には出さなかったけれど「占ってもらわなくて結構です」と答えるつもりだった。 そりゃあ、かつて……限界を迎えそうなときには占ってもらったことがある。 「あなたは水で、彼は木だから。彼にとって、あなたはいたほうがいい(水を与える)ような関係だね
久し振りに、予定をドタキャンした。 昨日の日中は元気だったのに、夕方くらいから急に様子がおかしくて、そのあとはふらふらしていた。 この感じは、明日も怪しいなァ。なんて思っていたら、うまく起き上がれなかった。あと30分だけ眠ったらよくならないかなぁ、とか願いながら。「今日はキャンセルで」という連絡が、なかなか送れない。 懐かしいな、と思った。 休職前はそういうことが多くて、「いけるかな?」「ムリかな?」「気のせいかな」を繰り返して、いちいち決断が大変だった。 不
「よく眠れている?」という問いにも 「食欲は?」の確認にも、「問題ないです」と力強く答えた。 いつもは無愛想なおじいちゃん先生が「声にハリが出てきたね」と言ってくれて、嬉しかった。 「ひましてない?」と尋ねられた、その理由は今でもよくわからない。 前回「元気になるといろいろやっちゃって、また具合悪くなって」という話をしたからだろうか。6割で稼働しろと言われた。 「6割稼働にしたら、ひまになっていないか?」とか、「また忙しくしてんじゃないだろうね?」という確認だったか、わか
今日の午後、嫌なことがあった。 言葉足らずで、相手に期待して 自分の気持ちをうまく話せなくて、「もういい」って投げ出した。 それは、投げ出したとも言えるけれど、「最初に掲げた目標」には忠実だったから 投げ出したのは「理解されること」であって、業務は遂行した。 結果、自分の不甲斐なさで傷つけて、傷つけられただけ。 傷つくのが得意で、自分の痛みを話すことは得意ではない。 だから先に「傷ついた」と相手に言われてしまうと、その事実に「ごめん」となってしまう。 「わ
なんだ、そういうことか。 と、思った。 よく晴れた、四月の午後。 これから、駅まで友達を迎えにゆく。 空は、季節をすっ飛ばしたことも素知らぬ顔で、能天気に晴れ渡っている。 「この家が残るといいね」と、彼女は言った。 このまま仕事に復帰できなくて、収入がなくなって、家賃を払えなくなったらどうしよう。と、ずっとずっと思っている。飽くことなく。 「それが難しいんだよ」とは、言えなかった。 「そうだといいんだけどね」と、他人事みたいに笑った。 本当に、そうだといい思っ
「最近は、どう?」 ソファーの、隣に座る友達に声をかけた。 この子は、2,3ヶ月に一度は会っていて、前回の悩みは仕事のことだった。 どうしようもない上司については「期待をせずに無視する」ということに決めたらしい。それでいいと思う。 人は、「どうして先に言ってくれなかったの?」ということに腹を立てるし、それを細分化してゆけば、結局のところ、相手に期待をしているということだと思う。 進化の反対は、退化ではなくて変わらないこと。 好きの反対は、嫌いではなく無関心。
相変わらず、"ライザのアトリエ"ばかりやっている。 実はゲームが、すごぉぉぉく好きで いわゆる「熱しやすく冷めやすいタイプ」であるわたしは、一度”熱中”してしまうと、もう寝ても覚めてもあなたのことばかり考えてしまう。 そう、ちょうどいま。わたしの脳裏にはライザの太ももと、次に採取したい素材と、錬金術のレシピのことばかり。 こんな感覚も、すごく久し振り。 最近クリアしたものは、マリオRPG。これはスーパーファミコンのソフトのリメイクで、むかし何度もやったし、夢中
眠れない夜がある。 それは、昼寝のしすぎかもしれないし、はしゃぎすぎて眠る体力も失ってしまったからかもしれないし、嫌なことばかり考えて眠りから遠ざかっているのもあるかもしれなくて わたしはわたしのことを、よく知らない。 眠りたい気持ちの反対側に、身体はしずしずと流れてゆく。 眠ることを、時折諦める。 「目をつむっているだけでも、体力は回復するからね」 むかし、好きなひとがそう言っていた。 もう会えないから、嫌いにもなれないひと。 オレンジの灯りの部屋で