ゆらゆら

どうも。自分の楽しいをかき集めてます。

ゆらゆら

どうも。自分の楽しいをかき集めてます。

最近の記事

  • 固定された記事

【布教活動】西尾維新編【第一回】

・企画の趣旨 どうも! はじめまして、ゆらゆらです!    第一回と銘打ったこちらの企画。実際これが最初で最後になる可能性を十分にはらんだ、見切り発車にも見切りをつけられるなんともお粗末な企画ではありますが、不定期に投稿していければなと思っております。  主に僕好きな作家・作品・映画を、皆にも知ってもらいたい、ただその一心であります。  記念すべき第一回は、僕の人生に多大なる影響を与えた『西尾維新』の作品を三つほど紹介できればなと思います。  それなりの文章量になってし

    • 【感想】大人の読書感想文【六人の嘘つきな大学生】

      ・著書 六人の嘘つきな大学生著者 浅倉秋成 出版 KADOKAWA ・感想 僕には友達が一人もいない時期がありました。  いえ、厳密に言えば友達はいましたが、中にはいませんでした。  高校生の頃、少々拗らせてしまった時期が僕にはありまして、結果としてそれが原因で、高校生活において僕には友達と呼べる人物が一人もいませんでした。  環境のせいではありません。今に思えば、周りの人たちは、多少乱暴な生徒もいましたが、だからといって事件を起こすわけでもなく、こんな僕にも声をかけ

      • 【雑談】おすすめはおすすめできない

        どうも! ゆらゆらです! 以前、よくある質問として「趣味は何ですか?」を取り上げました。 そして、それに付随して──コンビニでパスタを買った時に付いてくる先割れスプーンのように、反応に困る質問があります。 それが──「おすすめの本は?」です。 ・おすすめとはおすすめ──お勧め、お薦め、お奨め。 なまじ活字に慣れてきてしまったがゆえに、おすすめとは一体なんなのか考えてしまいます。 お勧め──『勧』という漢字が含まれていることから、教え導くといった意味合いがあります。

        • 【雑談】書店は目で食べる食物繊維

          どうも! ゆらゆらです! 先日、自分へのご褒美(何故ご褒美をあげようと思ったかはわからないが)を買うため、よく行く書店へ向かいました。 気温が上昇してきた今日この頃、それでも朝はまだまだ冬の影がちらつき、防寒着に身を包みざるを得ないです。 でもそれは出勤日であって、書店に赴いたのは休日──冬の影が太陽に照らされ、その身を引くまで僕は布団に二度、三度顔を埋めていました。 薄手のロンTにダウンコートを羽織ったラフな格好で、大都会にそびえる大型書店に着いた僕は、まず初めにコ

        • 固定された記事

        【布教活動】西尾維新編【第一回】

          【雑談】本好きと本屋好きと……。

          どうも! ゆらゆらです! 『読書家』と言っても様々で、僕のように物語を主体とした作品を好む人もいれば、情報収集、もしくは啓蒙を主体とした作品を好む人もいます。 僕の友人はまさに後者で、いわゆるビジネス本はかなりの本数読んでいるようです。 ・『本好き』さて、初対面の方によくされる質問「趣味はなんですか?」に、僕は上手く答えられた試しがありません。 僕の返答としては「基本インドアなので、家でゲームしたり本読んだり映画などを見てます」と、多少の逃げ道を残しつつ、相手の返し次

          【雑談】本好きと本屋好きと……。

          【感想】大人の読書感想文【火のないところに煙は】

          ・著書 火のないところに煙は 著者 芦沢央 出版 新潮社 ・感想 学校、職場、家族の中に、このような人はいませんか? 「某さん、ちょっといいかな?」 「はっ! びっくりした」  と、声をかけた人間に罪悪感を与える人間を。  ……そうです、僕がその人間です。  思考の集約による弊害──なんて言い方をすれば、クリエーティブで仕事にストイックな印象がつきますが、実際僕の集中力はお粗末なもので、目の前の業務を行いながら、頭の中では 「突然大声出したらどんな反応されるんだろ

          【感想】大人の読書感想文【火のないところに煙は】

          【感想】大人の読書感想文【十角館の殺人】

          ・著書 十角館の殺人 著者 綾辻行人 出版 講談社 ・感想 それがいつからだったのか……。  小学生の頃には……、いや、もしかしたら中学生の頃にも感じていなかったように思う──人が死ぬ作品に対する嫌悪感。  嫌悪とは少々言葉が強いですね。苦手とこの場では言い換えておきましょう。  子供に生と死の意味を問うのは酷であろうが、子供ながらに考えを巡らせたことがあります。  天国と地獄があり、徳を積めば天国、悪行を重ねれば地獄に行く。仲の良い友人と死んだあとも楽しく遊ぶため

          【感想】大人の読書感想文【十角館の殺人】

          【感想】大人の読書感想文【空飛ぶ馬】

          ・著書 空飛ぶ馬 著者 北村薫 出版 東京創元社 ・感想 時々、子供の頃を想起させることがあります。特に、自分よりも歳が一つ二つしか違わないのに、自分よりもしっかりしている、もしくは、自分よりも歳が一つ二つ下なのに、礼儀正しい人を見ていると、過去の自分に罪悪感が沸くのです。  中学生だった当時、教育実習生が立派な大人に見えました。今に思えば、まだ初々しさが残る、どこにでもいる大学生だったはずの彼ら彼女らを、僕は担任や両親と同等の存在として認識していたのです。  高校でも

          【感想】大人の読書感想文【空飛ぶ馬】

          【感想】大人の読書感想文【ななつのこ】

          ・著書 ななつのこ 著者 加納朋子 出版 東京創元社 ・感想 日常生活に潜む些細で大きな不思議。僕自身、出勤時にいつも通る道、いつも使う電車、いつも通う職場があり、人の波、天気、職場の雰囲気に差異はあれど、異変はそうそう感じません。    それでも時折、あれは一体なんだろう? 何をしているのだろう? と、感じる瞬間があります。  雨の日、ビニール傘を二本持つサラリーマン。  電車のホームで腰を落とし、下向く若者。  信号が青に変わっても渡らない女性。  目を奪われるそん

          【感想】大人の読書感想文【ななつのこ】

          【小説】意図ある【あとがたり】

          ・あとがたり 好きこそものの上手なれ、とはよく言ったもので、酷く一般的で非の打ち所のない言葉だと思います。好きだから上達が早いとはいうものの、個人差は生じるもので、上達速度が緩やで、徐行のように周りを気にしながらの成長に、ポジティブな感情は果たして存在するのか。大器晩成型というには遅咲きで、蒔かれた場所を疑い、肥料を疑い、自分を疑う。まぁ、自助努力不足と一喝されればそうなのですが、素直に受け入れられるものでもありません。好きと得意は違うもの、これも酷く普遍的であり、皆さんも一

          【小説】意図ある【あとがたり】

          【小説】意図ある告白【4】3/3 完

                    5  学校での全工程を終え、本来なら真っ直ぐ家路につくのだが、家とは比べるべくもない、クラシックが会話を妨げない程度にかかった喫茶店に来ていた。内装はレトロで、ここだけが現代から切り離された雰囲気を醸し出している──タイムスリップした気分だ。店のマスターは白髪にほどよく伸びた髭、堅物そうではあったが、こちらの注文に笑顔で応えてくれた。平日だからだろうか、客がほとんどいない。  少し経営状況が不安ではあったが 「このお店、私が小学生くらいの時からあるんです

          【小説】意図ある告白【4】3/3 完

          【小説】意図ある告白【4】2/3

                    3 「先輩、何やってるんですか?」  一学期ももう終わりに差し掛かっている。風が体を通り抜ける季節はとっくに過ぎ、まとわりつくような熱気が体を侵食する。 「何やってるんですか? じゃあない。見てわかるだろ。文集に乗せる文章を捻出してるんだよ。文章を考えるのには膨大な時間と労力が必要だ」  今年の文化祭は、皆で話し合った結果去年と同じレビュー本は継続させ、プラスでコラムを掲載することとなった。部員数五名とはいえ、実質三人で一冊の文集を作らなくてはいけない関

          【小説】意図ある告白【4】2/3

          【小説】意図ある告白【4】1/3

          4章 意図ある告白           1  清水ゆりはクラスメイトであり部長だ。  清水と初めて出会ったのは文芸部の部室。俺の通う高校は入学してすぐのタイミングで部活説明会が執り行われる。中学時代は部活に所属していなかった──それに起因しているわけじゃないが、高校でも特別部活動に興味はなかった。俺には関係ないくらいの気持ちで説明を聞いていたため、各部活の趣向を凝らした演出を、失礼ながらさっぱり覚えていない。  いや、忘れてしまったと言った方が正確だろう。  何故なら、俺

          【小説】意図ある告白【4】1/3

          【小説】意図ある告白【3】3/3

                    6  教室の窓から「もう一本!」という張り上げる声が聞こえた。野球部のものと思われるその声は、次の日には使い物にならなくなるほどに、ひときわ大きい声だった。  夏の日差しが教室を温める。さすがは進学校、部室一つ一つにも冷暖房は設備されているが、この場の誰もが、熱さなんて感じていない。汗の一粒すら、額に流れることはなく、重苦しい空気だけが流れている。  俺の話は聞き終えた清水は、感想の一つも言わず、じっと机を見つめていた。こちらからアクションを起こすべなの

          【小説】意図ある告白【3】3/3

          【小説】意図ある告白【3】2/3

                    5 「ねえ葉月。子供が大人になるって、どういうことだと思う?」  中原は突然、そんなことを聞いてきた。 「それはあれだろ、子供が大人しくなったら大人ってことだろ」  我ながらつまらない返事になってしまった……。いつものこととはいえ、もう少しあったように思う。  俺のこんな返しにもこいつは 「なるほど、いいこと言うね。さすがは葉月だ! つまり、子供が夢を見るのを諦めて、現実に目を向け始めたその瞬間から、大人の階段を登るってことだろ。だったら、葉月はもう立派

          【小説】意図ある告白【3】2/3

          【小説】意図ある告白【3】1/3

          3章 昔話をしよう           1  坂下四葉とは腐れ縁だ。腐れ縁も腐れ縁、腐り過ぎるくらいに腐敗している──標榜は腐り、痛み分けに終わった。いや、再起不能にまでされたのだから、痛み負けと言っていいだろう。衝突の絶えない関係に、周りからあらぬ噂がたってもおかしくないが、そんなハエすら寄せ付けないほどに、俺たちは腐りきっていた。  坂下との付き合いは小学生からで、一度も同じクラスになることはなかったが、坂下の名前だけは俺のクラスにまで轟いていた。  俺の耳に入ってき

          【小説】意図ある告白【3】1/3