【雑談】おすすめはおすすめできない

どうも! ゆらゆらです!

以前、よくある質問として「趣味は何ですか?」を取り上げました。

そして、それに付随して──コンビニでパスタを買った時に付いてくる先割れスプーンのように、反応に困る質問があります。

それが──「おすすめの本は?」です。

・おすすめとは

おすすめ──お勧め、お薦め、お奨め。

なまじ活字に慣れてきてしまったがゆえに、おすすめとは一体なんなのか考えてしまいます。

お勧め──『勧』という漢字が含まれていることから、教え導くといった意味合いがあります。この場合、無知蒙昧な輩を先導しようという傲慢さを感じます。

お薦め──こちらが一般的に使われる『おすすめ』なのでしょう。自分の価値観をもって適切に評価したものを推し進める。つまり、布教活動です。

お奨め──枕詞としてよく使われるおすすめですね。「僕のお奨めは、これこれをこうすることかな」のように。最終決定権はあくまでも相手依存ですが、職場の上司にこう言われれば、もうそれは強迫めいたものを感じます。

・おすすめはおすすめできない

さて、今回は『趣味』についての『おすすめ』を問われているので、この場合のおすすめは──お薦めなのでしょう。

しかし、自分のもつ価値観が、その他大勢と似たり寄ったりかは疑問で、僕は舗装された綺麗な道を歩いているつもりが、他人にしてみれば雨上がりのぬかるんだ、歩くだけで衣服が汚れてしまう道に見えているかもしれません。

逆もまた然りで、その上で僕は正しい道を見極めなければならないのです。

一期一会の間柄なら、僕のおすすめする至高の一冊を伝えて終わりです。無駄に思考する必要はないのです。

でも、これが学校、ひいては職場ように、継続的空間共有を行っていかなければならない間柄だと、話が変わってきます。

俗物的なコメディー映画を好む上司が、職場では厳格な態度をとるように、誰にだって関知されたくない事柄の一つや二つあるものです。

自分の趣味嗜好をひけらかしたところで、僕の評価、評判に差異は発生しなのかもしれませんが、杞憂も外連味も、自己防衛の一環、精神安定の一環として、とても大事です。

なので「おすすめの本は?」と聞かれた際、僕は「太宰治の『人間失格』ですかね」と、答えることにしました。

ちなみに『人間失格』を僕は読んだことがありません。

そこも含めて、自分への皮肉が効いている、良い返しだと僕は思っています。

それでは! ゆらゆらでした!

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