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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児… もっと読む
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2018年12月の記事一覧

デザインチームでよりよいコミュニケーションをおこなうための工夫

デザインチームでよりよいコミュニケーションをおこなうための工夫

本記事はコネヒト株式会社Advent Calendar 2018の11日目のエントリーです!

こんにちは。コネヒト株式会社デザイナーのなっぴーです。最近どんどん寒くなってきました。Advent Calendarも11日目です。クリスマスの足音を感じますね。

私は6月にコネヒト株式会社に入社し、今月で半年が経ちました。
私が入社する前は、デザイナーのきよえしさんがお1人(!)でママリのすべてのデ

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自分のことは、自分がいちばん理解できていないというお話。

自分のことは、自分がいちばん理解できていないというお話。

目のまえの人は、自分自身の鏡である。

今日はそんなお話をしてみようと思います。さて、説明の必要もなく、これを読んでいるあなたは鏡の存在を知っていますよね? 自分自身の顔や姿を正確に映し出すものであり、左右を逆にした形でこちらの世界が鏡に映りこみます。

いまではそこらじゅうに溢れていて誰もが普通に使っていますが、よくよく考えてみるとすごい道具だと思うのです。たいそう大げさな話ですが、人類の起源を

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村上春樹が発見した「空気を読む」の英訳とは?

村上春樹が発見した「空気を読む」の英訳とは?

先日、村上春樹さんのラジオを聴いていると、ようやく「空気を読む」にピッタリの英語訳を発見したと喜んでいた。

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僕の素朴な疑問。これはつい最近になって解消された僕の疑問です。「空気が読めない」って言いますよね。でもそれを英語に訳すとどうなるのかなと、ずっと考えていたんです。いろんな辞書を引いてもなかなかそれらしきものが出てきません。でも、この

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「相互監視」と「抜けがけ禁止」は日本のカルチャーです

「相互監視」と「抜けがけ禁止」は日本のカルチャーです

昨日の朝日新聞の技能実習生の記事が話題になっています。

まったくひどい話ですが、率直に言ってなんの驚きを感じません。「今日も日本は平常運転」という印象です。例えばこれ、AKB48の恋愛禁止といったい何が違うんでしょうか? また、日本全国に数知れずあるブラック企業も相当ひどい話ですが、それらの企業が槍玉に上がり、厳しく罰せられたという話も聞いたことがありません。

考えてみればブラック企業も長時間

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コミュニケーションのしくみ

コミュニケーションのしくみ

世界のすべての課題は、コミュニケーションの問題に帰着する。

そんな格言があると思うほど、世の中にコミュニケーショントラブルは多い。かくいう私も多々失敗を重ねてきたわけであるが、最近徐々にコミュニケーションというものを体系的に理解できてきた気がするので、それをまとめてみる。

端的に表現すると、コミュニケーションは以下の図で表せる。

(自分が聞き手の場合は自分と相手が逆になるだけ)

自分が話

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青山住民が考える児相問題と「青山」のふしぎ

青山住民が考える児相問題と「青山」のふしぎ

 この度、南青山児童相談所関連のニュースを見て考えたこと、思ったことをお話させていただきます。note初投稿なので至らない部分はご勘弁。長く、拙筆ですがぜひ最後まで読んで拡散お願いします。※一部表現の訂正を行いました ※新聞に封入されている広報などで児童相談所計画は示されており、私も当時それを確認してはいますが、その後南青山へ決定してからの告知チラシ等は一切投函などがなく認識していませんでした。

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南青山の児童相談所騒動に決定的に足りないもの

南青山の児童相談所騒動に決定的に足りないもの

小さいころ、児童相談所に連れて行かれたことがある。妻以外の誰かにはじめて打ち明ける話だけど。

例の南青山の騒動で、利用者(と言っていいのかわからないけど便宜上)の子供の側からの声がほとんどないのが気になった。

もちろん当事者の子供が声を上げることなんて難しいし、自分がそうだったときのことを思い返しても、周りの子も大人たちも多くの人は児童相談所とは無縁に生きていて、その空気感は誰もわからないのが

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他人にアイデアを口頭で伝えるときに意識していること(関西大学の学術講演会で感じたこと)

他人にアイデアを口頭で伝えるときに意識していること(関西大学の学術講演会で感じたこと)

先日、関西大学で学術講演会をやってきました。500人収容のホールがほとんど上から下までいっぱいに近い感じだったので、300人から400人程度は入ってくれてたように思います。おそらく主催の関西大学の社会学部の教員のみなさんが学生をしっかり動員してくださったのだろうなあと恐縮しっぱなしでした。また、日本各地、1人は北海道から、1人は沖縄から、仕事の合間にわざわざ講演に立ち寄ってくださったかたもいました

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マンパワーは足し算では動かない

先日、タイムラインにジョーク動画が流れてきた。

動画そのものはネタ動画だ。が、人的リソースの運用ミスを、端的に表現している。

一人で素早くできる作業が、共同作業になった瞬間にグダグダになる。いくつかの条件がそろうと、マンパワーの追加は生産性に貢献しなくなる。

・状況が刻々と変化し、リアルタイムのチューニングが必要になる
・作業者の間で、多くのインタラクションが発生する
・インタラクションその

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「当たり前」は誰かにデザインされている

「当たり前」は誰かにデザインされている

誰かがやってのけたことは簡単に見える、という話。

「モノマネは最初に見つけた奴が偉い。モノマネのモノマネは誰でもできる」と、以前モノマネ芸人の誰かが言ってたけど、万事そうなんだろうと思う。

誰かが作ったフォーマットのコピーは簡単で、当たり前に見える。その当たり前である「オリジナル」のフォーマットを作った人は、実は膨大な量の情報の取捨選択を行なっている。
例えば、モノマネ芸人のホリさんが木村

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「人に期待しない」の正しいやり方

「人に期待しない」の正しいやり方

「おれは人に期待していないから」と言いながらめちゃめちゃ期待してるじゃねえか、と思った話。

「人に期待しない」というのは人生を軽やかにする方法としてよく聞く言葉だ。だけど、その使い方や捉え方にもやっと違和感を覚えることもよくある。

「どうせ俺をバカにしているんだろう」「どうせ何を言っても口だけだろう」「どうせ俺が困っても助けないだろう」と、「どうせ」のオンパレード。そして「それが俺にはわかって

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あなたを応援したくなる5つの要因とは? 進化心理学で考察

あなたを応援したくなる5つの要因とは? 進化心理学で考察

近頃「応援」とそれに類する言葉が非常に注目されている。評価、信頼、サポートなどキリがない。

esportsやスポーツ、アーティスト、クリエイター、アイドルといった個が立つ業界だけでなく、会社員であっても応援される時代となってきた。

応援されたい理由、応援されることのメリットはいくらでも思いつく。応援の経済圏で生きていけるなら、それはとても素敵なことだろう。だが、応援するにはきっかけや動機が必要

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