エフ=宝泉薫

痩せ姫と芸能、美や死についてつらつらと。

エフ=宝泉薫

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マガジン

  • 痩せ姫の光と影2010

    アメブロ「痩せ姫の光と影」記事選集その1。 その前身となったクルーズブログ「痩せ姫へのオマージュ」の記事も含まれています。

  • 2084年

    小説。 舞台は60年後の日本。

  • 何処までもやせたくて

  • 痩せ姫百景

    哀しく美しく、そこに咲く彼女たちの、輝きと翳りの風景

  • かすみ嬢の居場所

記事一覧

固定された記事

痩せ姫本、重版の告知と目次紹介

2016年の晩夏に出版された「痩せ姫 生きづらさの果てに」 (エフ=宝泉薫 KKベストセラーズ)が重版されます。 参考までに、目次を紹介。 ・・・・・・ まえがき 痩…

エフ=宝泉薫
1か月前
9

青空エロス(太宰と三島と拒食とマッチョ②)

クルーズ版でのやりとりを通して「青空エロス」という言葉が出て来た。青空と青い海をバックに、ビキニを着たグラドルがニッコリ、みたいな世界を、そう呼んでみたのだけど…

エフ=宝泉薫
4時間前
2

ゆうゆ(と、中山秀征、高井麻巳子)

① 先日「スタア同窓会」という特番のおニャン子クラブ編で、欠席にも関わらず、注目を浴びてしまったゆうゆ。出席した元おニャン子たちが、司会の中山秀征に〝つまみ食い…

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「お星さまは知っている」②

前にも書いたけど「シャキーン」で流れてるこの曲について、もう一回。検索ワードをチェックすると、この曲で僕のブログにたどりついてくれる人がすごく多くて。気になっち…

1

彷徨える少女

(コメ返記事なのだけど、すでにとりあげた痩せ姫小説についての追加的な分析にもなっているので、載せてみる) レベンクロンの「少女」シリーズがいいのは、もちろん、心…

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榎本加奈子「P.A.」

ドラマ「P.A. プライベートアクトレス」に合わせて作られた写真集。榎本加奈子がかつて、漫画チックなコスプレ系ドラマで、持ち味を発揮できたのは、少女漫画を地でいく…

4

「天使になりたかった少女」

「天使になりたかった少女」(キム・アンティオー 主婦の友社)。発売前に新聞の書評で知って、出たらすぐ買おうと思ってたのだけど、昨日ようやく入手して、一気に読んだ…

8

ルノワールとジャコメッティ

前の記事(「巨乳の生物学的意味」)に、こんなコメントが寄せられた。 「胸。やはり女性としてのシンボリックなものなのですね。丸みを帯びた女性らしいライン、曲線以外…

5

巨乳の生物学的意味

「週刊文春」10月14日号(今日発売の前のヤツ)で、動物行動学者の竹内久美子が、人間の女性の「おっぱい」について書いている。 これによると、20年ほど前、胸の大きさと…

1

ある芸能人の話

彼女は、十代でトップスターになりました。ハーフならではの容姿、明るいキャラクター、それはもっぱら、CMやバラエティ番組で生かされ、セクシーな写真集も話題を呼びま…

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ちゃんと食べてる?

今朝の「てっぱん」で、ヒロインが電話越しに、 「ちゃんと食べとる?」 と聞かれてた。 尾道から大阪に出てきたものの、就職するはずの会社が倒産し、住むところもなくな…

5

「初恋」村下孝蔵

村下孝蔵が1983年にヒットさせた「初恋」。 昨日、クルーズ版でこの曲にちらっと触れたら、「大好きな曲です」というコメントをいただけて。作って歌った人もこの世にいな…

エフ=宝泉薫
2週間前
2

もうひとりの「鏡の中の少女」

「鏡の中の少女」(レベンクロン)の主人公・フランチェスカは、いわゆる制限型の拒食症なのだけど。続篇の「鏡の中の孤独」には、嘔吐によって痩せる排出型の拒食症の少女…

エフ=宝泉薫
2週間前
1

レベンクロン「鏡の中の少女」

(拒食文学の定番というべき、この作品について、3年ほど前に、gooブログで書いた文章を再録してみました) 「鏡の中の少女」(S・レベンクロン 集英社文庫)。続編の…

エフ=宝泉薫
2週間前
8

振袖がない腕~「秘密」の志田未来

昨日から始まったドラマ版の「秘密」。バス事故で母が死に、娘が生き残るものの、じつは娘の体には、母の心が宿ってしまっていて…という、幻想的なミステリーだ。 志田未…

エフ=宝泉薫
2週間前
3

二宮和也の妄想

水曜の「はなまるマーケット」で、嵐の二宮和也が「妄想」について語ってた。 「失恋を引きずるかどうか」というテーマに対して、「引きずらない」「片想いが多いからかも…

エフ=宝泉薫
2週間前
4
痩せ姫本、重版の告知と目次紹介

痩せ姫本、重版の告知と目次紹介

2016年の晩夏に出版された「痩せ姫 生きづらさの果てに」
(エフ=宝泉薫 KKベストセラーズ)が重版されます。
参考までに、目次を紹介。

・・・・・・

まえがき

痩せ姫として生きるあなたへ――つらさが伝わらないつらさ
死に近い場所で見える風景――もうひとつのまえがき

第一章 不完全拒食マニュアル

制限型
「私は切手をなめることさえしません。切手の糊のカロリーについて知っている人はいない

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青空エロス(太宰と三島と拒食とマッチョ②)

クルーズ版でのやりとりを通して「青空エロス」という言葉が出て来た。青空と青い海をバックに、ビキニを着たグラドルがニッコリ、みたいな世界を、そう呼んでみたのだけど。
そこでふと、思い浮かんだのが、三島由紀夫の「潮騒」。古代ローマやギリシャで謳歌されたような、開放的なエロスを、本来、閉鎖的なエロスをよしとしてきた日本の風土に持ち込み、清新な印象を与えた傑作だが、映画化されたりすると、ビミョーにマヌケだ

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ゆうゆ(と、中山秀征、高井麻巳子)

ゆうゆ(と、中山秀征、高井麻巳子)


先日「スタア同窓会」という特番のおニャン子クラブ編で、欠席にも関わらず、注目を浴びてしまったゆうゆ。出席した元おニャン子たちが、司会の中山秀征に〝つまみ食いした相手〟として、話題をふり、当時のエピソードが暴露されたりしたわけだけど、なんとなく気の毒になった。
彼女は(いや、たぶん中山も)結婚を本気で考えてただろうし、だからこそ、引退して、夫にも一般人を選んだ以上、テレビでネタにされるのは、やや

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「お星さまは知っている」②

前にも書いたけど「シャキーン」で流れてるこの曲について、もう一回。検索ワードをチェックすると、この曲で僕のブログにたどりついてくれる人がすごく多くて。気になっちゃう曲なんだろうな。

歌われる願いは、四つ。

おんなのこ→しかられずのんびりできるおばあちゃんになれたら
おばあちゃん→なんねんたってもはなやかなさくらのきになれたら
さくらのき→いつでもかわいがられてるおにんぎょうになれたら
おにんぎ

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彷徨える少女

(コメ返記事なのだけど、すでにとりあげた痩せ姫小説についての追加的な分析にもなっているので、載せてみる)

レベンクロンの「少女」シリーズがいいのは、もちろん、心の治療の専門家だというところが大なんですが、同時に、悩める、あるいは彷徨える少女、というものへの、良質な好奇心によるものが、見逃せない気もします。「鏡の中の孤独」の帯に〝青春小説〟というフレーズが記されていて。摂食障害というテーマを扱うこ

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榎本加奈子「P.A.」

榎本加奈子「P.A.」

ドラマ「P.A. プライベートアクトレス」に合わせて作られた写真集。榎本加奈子がかつて、漫画チックなコスプレ系ドラマで、持ち味を発揮できたのは、少女漫画を地でいくような非現実的体型が、漫画チックな絵空事に現実感をもたらした、ということが大きいんだろうな。
バレリーナに扮した回では、最小サイズの衣裳でも合わず、特注しなくてはならなかった、という話に、ドキドキした覚えが。マラソンランナーに扮したときは

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「天使になりたかった少女」

「天使になりたかった少女」

「天使になりたかった少女」(キム・アンティオー 主婦の友社)。発売前に新聞の書評で知って、出たらすぐ買おうと思ってたのだけど、昨日ようやく入手して、一気に読んだ。
読後の印象は、なんとも不思議な感じ。あの「鏡の中の少女」みたいに、現実的なタッチではなく、幻想的な空気も含まれているので、読み終えたあと「あれっ」とか「へぇー」みたいな気分になる。でも、その分、いろいろ考えさせられ、イマジネーションもか

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ルノワールとジャコメッティ

ルノワールとジャコメッティ

前の記事(「巨乳の生物学的意味」)に、こんなコメントが寄せられた。

「胸。やはり女性としてのシンボリックなものなのですね。丸みを帯びた女性らしいライン、曲線以外の何者でも無いです。丸みとくればルノワールの裸婦とでも言いましょうか」

そこで思い出したのが、ルノワールとは真逆の芸術家だ。
ジャコメッティ。
その彫刻が表現する「丸み」のない「直線」的な体は、拒食症者の姿を形容するときに、よく使われる

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巨乳の生物学的意味

「週刊文春」10月14日号(今日発売の前のヤツ)で、動物行動学者の竹内久美子が、人間の女性の「おっぱい」について書いている。
これによると、20年ほど前、胸の大きさと乳の出方に相関関係があるのでは、という研究がされたが、これが無関係。その後、乳が「尻」と「腿」の脂肪から作られることがわかり、胸とは無関係、という謎が解けた。
そして、数年前には、胸の大きさと妊娠しやすさの相関をめぐる研究が行われ、胸

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ある芸能人の話

ある芸能人の話

彼女は、十代でトップスターになりました。ハーフならではの容姿、明るいキャラクター、それはもっぱら、CMやバラエティ番組で生かされ、セクシーな写真集も話題を呼びました。
しかし、二十歳を境に、その運命は激変します。国民的ヒーローとの婚約。それは順風満帆な芸能人生を歩んできたかに見えていた彼女が、さらなるステップアップをしていくための転機にも思えましたが・・・
わずか二ヶ月での破局。その実態が、彼女に

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ちゃんと食べてる?

今朝の「てっぱん」で、ヒロインが電話越しに、
「ちゃんと食べとる?」
と聞かれてた。
尾道から大阪に出てきたものの、就職するはずの会社が倒産し、住むところもなくなって、路頭に迷ってるはずのヒロインは、その時点で、危機を脱し、美味しい食事にありついていたから、その問いかけに、
「ちゃんと食べとるよ」
と、明るく答える。
そのシーンを見ながら、僕の小説「何処までもやせたくて」の最初の一文が「ちゃんと食

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「初恋」村下孝蔵

「初恋」村下孝蔵

村下孝蔵が1983年にヒットさせた「初恋」。
昨日、クルーズ版でこの曲にちらっと触れたら、「大好きな曲です」というコメントをいただけて。作って歌った人もこの世にいない今、時代を超えて生き続けている、ということを素晴らしく思う。
痩せ姫的連想でいえば、大学時代、カーペンターズのファンだったサークルの先輩が、村下のファンでもあったな、とか、村下は中森明菜のファンで、彼女が激痩せやら自殺未遂やらで、凋落

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もうひとりの「鏡の中の少女」

「鏡の中の少女」(レベンクロン)の主人公・フランチェスカは、いわゆる制限型の拒食症なのだけど。続篇の「鏡の中の孤独」には、嘔吐によって痩せる排出型の拒食症の少女も出てきて、物語上、重要な役割を果たす。
パラパラと読み直してたら、
「一度でも嘔吐をやめさせるのは並み大抵のことじゃない」
と、主治医が言うシーンが目にとまり、それは同時に、本人がいくらやめたくても、やめるのは並み大抵のことじゃない、とい

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レベンクロン「鏡の中の少女」

レベンクロン「鏡の中の少女」

(拒食文学の定番というべき、この作品について、3年ほど前に、gooブログで書いた文章を再録してみました)

「鏡の中の少女」(S・レベンクロン 集英社文庫)。続編の「鏡の中の孤独」とともに、摂食障害を扱った小説としては、最も有名な作品といえるかもしれません。
十数年前、初めて読んだときは、ちょっと衝撃を受けました。というのも、軽い気持ちで始めたダイエットから拒食に陥り、なぜやせたいのか、自分ではわ

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振袖がない腕~「秘密」の志田未来

振袖がない腕~「秘密」の志田未来

昨日から始まったドラマ版の「秘密」。バス事故で母が死に、娘が生き残るものの、じつは娘の体には、母の心が宿ってしまっていて…という、幻想的なミステリーだ。
志田未来扮するヒロインの女子高生が、母の心を宿してから初めて登校する朝、夏の制服からのぞく自分の腕を見て「振袖がない」と喜ぶ場面があった。
父(というより、彼女の感覚的には夫)に向かって、
「ここ。触って、ほら。こんなに細いの!」
と。志田未来は

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二宮和也の妄想

水曜の「はなまるマーケット」で、嵐の二宮和也が「妄想」について語ってた。
「失恋を引きずるかどうか」というテーマに対して、「引きずらない」「片想いが多いからかも」としたうえで、
「基本的に、妄想しちゃってるので。電車に乗って、あっ、可愛いな、ってコがいたら、そのコが降りるまで、僕、ひと通り恋愛してますから。別れは必ず来るじゃないですか。失恋っぽくなるわけですよ、空気も。僕のなかだけですけどね」

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