![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147048595/rectangle_large_type_2_c09239833ced6e11bdb3e567acefb041.png?width=1200)
ルノワールとジャコメッティ
前の記事(「巨乳の生物学的意味」)に、こんなコメントが寄せられた。
「胸。やはり女性としてのシンボリックなものなのですね。丸みを帯びた女性らしいライン、曲線以外の何者でも無いです。丸みとくればルノワールの裸婦とでも言いましょうか」
そこで思い出したのが、ルノワールとは真逆の芸術家だ。
ジャコメッティ。
その彫刻が表現する「丸み」のない「直線」的な体は、拒食症者の姿を形容するときに、よく使われる。そういえば「嘔吐」を書いたサルトルも、現代人の実存的葛藤を具現化する芸術として、その彫刻を絶賛したんだっけ。
だとすれば、ルノワールのそれは、失われゆく原始的なものへの憧憬、もしくは郷愁として、今は見ることもできるかな。
「巨乳の生物学的意味」のなかで、母乳は尻や腿の脂肪から作られる、という研究事実を紹介したけど、このニ作品が表現した女体を比べると、母乳の量に圧倒的な差がありそうだ。
(初出「痩せ姫の光と影」2010年10月)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?