エフ=宝泉薫

痩せ姫と芸能、美や死についてつらつらと。

エフ=宝泉薫

痩せ姫と芸能、美や死についてつらつらと。

マガジン

  • 痩せ姫の光と影2010

    アメブロ「痩せ姫の光と影」記事選集その1。 その前身となったクルーズブログ「痩せ姫へのオマージュ」の記事も含まれています。

  • 2084年

    小説。 舞台は60年後の日本。

  • 何処までもやせたくて

  • 痩せ姫百景

    哀しく美しく、そこに咲く彼女たちの、輝きと翳りの風景

  • かすみ嬢の居場所

最近の記事

  • 固定された記事

痩せ姫本、重版の告知と目次紹介

2016年の晩夏に出版された「痩せ姫 生きづらさの果てに」 (エフ=宝泉薫 KKベストセラーズ)が重版されます。 参考までに、目次を紹介。 ・・・・・・ まえがき 痩せ姫として生きるあなたへ――つらさが伝わらないつらさ 死に近い場所で見える風景――もうひとつのまえがき 第一章 不完全拒食マニュアル 制限型 「私は切手をなめることさえしません。切手の糊のカロリーについて知っている人はいないと思いますけど」 排出型1 「一回コツをつかめば、自転車の運転みたいに無意識にで

    • 「自殺ブンガク選 名文で死を学ぶ」

      6月に上梓した本。クルーズ版では、購読者限定で紹介したけど、こっちでは、初めてちゃんと触れるかもしれない。芥川や太宰といった作家の、自殺を扱った文学作品を集め、僕が案内的なエッセイを数本、添えてます。(比率的には、僕の文章は全体の9分の1くらいです) そんなに多く刷ってるわけじゃないので、クルーズ版に書いた情報から探して買ってくださった、何人かのブロガーさん、改めてありがとうございます。あと、まったく知らない方が、ブログで感想を書いてくださってる記事も、二つほど見つけて、嬉し

      • 「悲しみよりもそばにいる」島崎路子

        「悲しみよりもそばにいる」(島崎路子・88年) マイナーな曲で、すみません。昔、共編著として関わった、80年代アイドルポップス名盤レビュー集(91年)に、この、ほとんど売れなかったシングルをかなり強引に入れた。 で、バブル期の浮ついた日本にあって「恋愛の純粋性を真剣に希求した作品」として、映画「星空のむこうの国」(小中和哉)とか、漫画「ONE 愛になりたい」(宮川匡代)と並べて論じてる。サウンド的には、全盛期の原田知世や晩年の岡田有希子なんだけども、とりあえず、タイトルだけで

        • 顔のわりに小さな胸も~「Over」

          早朝覚醒してしまったので、何か記事をと思ったのだけど、旅先なので、資料が乏しく、本格的なのは書けそうにない。あと、あまり暗いテーマにも行きたくない気分で。わりとお気楽な、フェチ系のものでお茶を濁すことにした。 ミスチルの、知る人ぞ知る的名曲「Over」。自分をふった女性に対する思い出を、つらつらと語りつつ、なんとかしてふっきろうとする気持ちを、歌ってる。男女問わず、ウケそうだなと思うのは、欠点っぽい部分を並べながら「数えあげりゃキリがないんだよ」「すべての要素を愛してたのに」

        • 固定された記事

        痩せ姫本、重版の告知と目次紹介

        マガジン

        • 痩せ姫の光と影2010
          0本
        • 2084年
          4本
        • 何処までもやせたくて
          94本
        • 痩せ姫百景
          4本
        • かすみ嬢の居場所
          71本
        • ダイエット大好きJK・水内姫那
          13本

        記事

          飲みやすい豆乳ランキング

          1 ミルクのようにやさしいダイズ(大塚チルド食品) 2 豆乳飲料 紅茶(紀文) 3 豆乳飲料 麦芽コーヒーカロリー50%オフ(マルサンアイ) 4 ひとつ上の豆乳 豆乳飲料 紅茶(マルサンアイ) 5 豆乳飲料 ココア(紀文) 6 ひとつ上の豆乳 豆乳飲料 洋梨(マルサンアイ) 7 有機豆乳 無調整(マルサンアイ) 8 おいしい無調整豆乳(紀文) 9 豆乳発酵ヨーグルト(オリヒロブランデュ) 10 おいしさスッキリ いちご(ソヤファーム) ※「週刊文春」9月9日号〝今週のBEST

          飲みやすい豆乳ランキング

          私も星になれるかなぁ

          前記事「食べることは大変なこと」(原題「明日の為に食べる」)に寄せられたコメント。日付を見たら、2013年の7月なので、記事から3年近くたってからのコメントだ。 ・・・・・・ こんばんは 赤毛のアンに 「明日は常に新しく、そしてまだ失敗のない一日。そう思うとなんだか素敵じゃない?」 というセリフがあります とても彼女らしいなぁと思いました 私が病気というカテゴリーにいれられてもう4年目になります 4年も、 もう4年もたってしまいました 私は15になりました 体重は4年前

          私も星になれるかなぁ

          食べることは大変なこと

          「食べる。誰もが食べる。毎日毎日食べる。食べなくては生きていかれない。食べるというのは、明日も生きる為の重要な仕事である。おなかが空くから食べる、だけじゃない。食べた途端に皆、明日も生きます、と神様に、自分に約束してしまうのだ」 (如月小春『私の耳は都市の耳』より) 20代で拒食症を経験した、劇作家のエッセイ集にある文章。 「思春期を長くひきずりすぎて大学を卒業しても心がモラトリアムで、明日何をすればいいのかわからなくて、世の中全てが黒くておそろしいかたまりに思えて、そして

          食べることは大変なこと

          見えない涙~「アオゾラペダル」

          「アオゾラペダル」(嵐)のビデオクリップが、感動的な理由。最大のツボは、ヒロインの佐藤ありさが泣くシーンにある。 といっても、涙は映らない。告白が実らず、それでも平静を装いながら、仲間との花火に参加していたものの……自分の線香花火が消えた瞬間、こらえきれなくなり、首を落とし、泣き崩れるような仕草になる。そのまま、泣き崩れてる彼女を、女友達が、肩を抱き、髪を撫でたりして、慰めるだけで、流れているであろう涙は、最後まで映らない。 原案を担当した二宮和也のアイデアなのか、演出家のプ

          見えない涙~「アオゾラペダル」

          「アオゾラペダル」の佐藤ありさ

          「アオゾラペダル」(嵐)のビデオクリップより。 3枚組のベストCDを買うか、こっち(2枚組ベストクリップ集)を買うかで迷った結果、やはり、この映像を手元におきたくて、こっちを選んでしまった。 このMVは物語としてもよくできていて、見るたび、高校の最後か、大学の初めあたりに戻りたくなる。立場的には、櫻井より松潤のほうに感情移入しちゃうんだけど。 (画像、粗くてすみません。ありさちゃんは、こんなにキレイなのに……) (初出「痩せ姫の光と影」2010年9月) 最近、夫のサッカー

          「アオゾラペダル」の佐藤ありさ

          母親、治療者、患者の関係

          アメブロ巡りをしていたら「ぷっち」さんという方が、自身の経験に裏打ちされた、すぐれた摂食障害論を書いていた。 親(特に母)と患者が向き合うことが、有効だとされてるけど、親が通院や入院だけを優先して、患者を治療者に委ねてる限り、向き合うことにはならない。それは、患者にとっての治療者への敵意も増幅させてしまう、と。 ぷっちさんの場合、母親が治療者に、 「ぷっちさんは、あなたのお子さんなんですよ」 と言われたことで、目が覚め、本気で患者に向き合おうと決意。それが、患者に伝わることで

          母親、治療者、患者の関係

          痩せ姫と歌姫

          森口博子が数年前、激痩せしてたことを、覚えてる人は、どれくらいいるんだろう。今日の「はなまる」で、「30代は、本当につらかった。いろいろあって、死ぬかもと思ってました。オバサン扱いされるのも、イヤだったし…」と、振り返っていた時期と、それはたぶん重なるはず。摂食障害、と診断されるところまではいかなかったにしても、加齢や成熟といった問題と、彼女もまた葛藤してたのではないか。 「40代が、こんなに楽しいとは思わなかった」 とも言っていたので、今はふっきれてるのかな。 あと、改めて

          痩せ姫と歌姫

          「しあわせ未満」太田裕美

          「はなまるマーケット」に森口博子が出てて、小3時の「ちびっこものまね」での秘蔵音源が紹介されてた。 おおっ「しあわせ未満」(太田裕美・77年)ではないか。 「しあわせ!」とは言い切れない、同棲の現実を切なく哀しく描いた作品で、個人的には「木綿のハンカチーフ」を抑えて、一番好きな太田裕美ナンバー。(詞・松本隆 曲・筒美京平) ♪ハタチまえ ぼくに会わなきゃ  君だって 違った人生 白い夏 裸足の君に 声かけて 名前きかなきゃ 良かったよ という歌い出しから、もうグッときてし

          「しあわせ未満」太田裕美

          明菜、りえ、朋ちゃん

          華原朋美が、意識朦朧状態で病院に搬送された、というニュースに、なんともいえない複雑な気持ち。Jポップが生んだ(ソロの)アイドルベスト3は、広末涼子、松浦亜弥、そして朋ちゃんだと思うんだけど、そのなかで一番思い入れがあるのが、彼女だし。こういう報道によって、なんとか頑張って生きてるんだなと感じたりする、というのも、なんかビミョーだ。 そういえば、昔、ファッション系女性誌で大々的なアンケート企画をやったとき「中森明菜、宮沢りえ、華原朋美、このなかで一番不幸なのは?」という設問を入

          明菜、りえ、朋ちゃん

          「スタア」三島由紀夫

          「太宰と三島と拒食とマッチョ」②の前に――。箸休め的な意味で、僕が三島の短篇でもけっこう好きな「スタア」について、ちょっと書いてみる。 といっても、今、旅先なので、文庫本が手元になく、文章を引用しながらの本格的レビューは、無理なのだけど。かえって、ネタバレしにくくていいかな。 いわゆる、芸能小説であり、これほど「芸能性」というものの本質に、迫り切った作品は、おそらくない。人間の仮面性やら、演技的生き方というものに、三島が狂おしいほどの関心と、天才的洞察力を持っていて、それが結

          「スタア」三島由紀夫

          太宰と三島と拒食とマッチョ①

          「ああ、汚い、汚い。女はいやだ。自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしりするほど、厭だ。金魚をいじったあとの、あのたまらない生臭さが、自分のからだ一ぱいにしみついているようで、洗っても洗っても、落ちないようで、こうして一日一日、自分も雌の体臭を発散させるようになって行くのかと思えば、また、思い当たることもあるので、いっそこのまま、少女のままで死にたくなる。ふと、病気になりたく思う。うんと重い病気になって、汗を滝のように流して細く痩せたら、私も、すっきり清浄

          太宰と三島と拒食とマッチョ①

          ユッコ、ヒロスエ、ついでにあやや

          岡田有希子のデビューアルバム「シンデレラ」のいちばん好きなところは、後半の「憧れ」から「ソネット」へという3曲の流れなのだけど、その心地よさに陶然としていると、ラストに置かれたデビュー曲「ファースト・デイト」の重苦しさに、打ちのめされることになる。 竹内まりやが〝何か〟を感じてしまって書いたとしか思えない、上昇と下降が交錯するような、不安な旋律。あの悲劇に、彼女がどれくらいショックを受けたのかは不明だが「ファースト…」から13年後、広末涼子のデビュー曲として書かれた「Maji

          ユッコ、ヒロスエ、ついでにあやや