もうひとりの「鏡の中の少女」

「鏡の中の少女」(レベンクロン)の主人公・フランチェスカは、いわゆる制限型の拒食症なのだけど。続篇の「鏡の中の孤独」には、嘔吐によって痩せる排出型の拒食症の少女も出てきて、物語上、重要な役割を果たす。
パラパラと読み直してたら、
「一度でも嘔吐をやめさせるのは並み大抵のことじゃない」
と、主治医が言うシーンが目にとまり、それは同時に、本人がいくらやめたくても、やめるのは並み大抵のことじゃない、ということでもあると思った。
次に読むときは、この〝もうひとりの「鏡の中の少女」〟に感情移入してみようかな。
なお、どういう意味で「重要」な役割を果たすのかは、ネタバレになるので、今日は書かないでおきます。
パラパラ読みのおかげで、他にもいくつか、印象的な場面や言葉を、再発見できた。そのうち、書くかもしれません。


(初出「痩せ姫の光と影」2010年10月)


排出型の痩せ姫・ディアドレ。こちらも魅力的に描かれていて、体操クラブで腕立て伏せに苦戦していたり、街でフランチェスカに見かけられたり、という場面が印象に残る。もしかしたら、排出型のキャラのほうが当事者の共感を集めやすいのでは、とも思う。

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