二宮和也の妄想

水曜の「はなまるマーケット」で、嵐の二宮和也が「妄想」について語ってた。
「失恋を引きずるかどうか」というテーマに対して、「引きずらない」「片想いが多いからかも」としたうえで、
「基本的に、妄想しちゃってるので。電車に乗って、あっ、可愛いな、ってコがいたら、そのコが降りるまで、僕、ひと通り恋愛してますから。別れは必ず来るじゃないですか。失恋っぽくなるわけですよ、空気も。僕のなかだけですけどね」
わかるわかる! と思ってしまった。
彼の妄想好きについては「現実に(恋愛)するより、よっぽどいいんだもん」という発言を「Jポップ批評」で引用したことがあるけど、妄想観がさらに深化したみたいで、嬉しい。アイドルの能力というのは、大衆の疑似恋愛妄想をいかに受け止められるかにかかってて、嵐の強味は、こういう妄想を知る者がいることなんだよね。
彼にはぜひ、福永武彦の妄想小説「一時間の航海」を読んでほしいな。今、手元にないので、詳しく紹介できないけど、電車ならぬ船を舞台にした、一方的失恋物語(だったと思う)。
妄想チックといえば、綿矢りさの新作もちょっと気になるところです。

(初出「痩せ姫の光と影」2010年10月)


妄想といえば、中島敦の小説「幸福」も思い出す。ふたりの男の夢と現実が逆転して、そのふたりの運命まで逆転してしまう奇妙な物語。まぁ、そんなことはフィクションの世界でしか起きないけど、僕もまた、魅力的な痩せ姫に出会うたび、ひと通りの恋愛を妄想してることはいうまでもない。

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