筆折れば名無し【読書・書評】

出版業界に棲み着く犬。純文学からライトノベルまで。夢は書評家。それっぽく書いてることも…

筆折れば名無し【読書・書評】

出版業界に棲み着く犬。純文学からライトノベルまで。夢は書評家。それっぽく書いてることもありますが、面白半分で読んでください。画像は国立国会図書館所蔵。引用は主従関係に基づく。非アフィリエイター。

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記事一覧

【文学フリマ】遺産と希望と、戦果報告

筆折れば名無しです。 文学フリマ東京38に、初めて参加しました。 そのときの興奮や驚きは以前記事にてご紹介しましたが、 今回は、「文学フリマ」というイベントそのも…

【レポート】文学フリマの歩き方

はじめて文学フリマに行ってきましたー! めちゃくちゃ遠いし、人で溢れかえっていました 文学フリマ処女を喪失した私がド素人ならではの視点から、 「これだけわかれば安…

4月に読んだ本をオススメ度でまとめてみた

⚠️:Not アフィリエイト。アマゾンリンクは書影の代替措置です。 4月! 新生活、新社会人、新しい職場! ということで新しい環境の人にも役立てられるようにビジネス書…

2024年3月読んだ本

・下町ロケット ・下町ロケット ガウディ計画 ・下町ロケット ゴースト ・下町ロケット ヤタガラス ・オレたちバブル入行組 ・オレたち花のバブル組 ・ロスジェネ…

読んだ本 2024年2月

先生も小説を書くんですよね? 非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか? ブラジャーで天下をとった男 ひげを剃る。そして女子高生を拾う 1-5 巨大…

【女子高生を拾う=道徳的?】ライトノベルは気持ち悪い性欲文学なのか

問題提起社会人が女子高生を拾う・匿うストーリーは”気持ち悪い”のか? 社会通念や法律に照らし合わせれば、未成年を匿うことは誘拐にあたります。 その視座に立てば、…

【検証】読者は情報弱者なのか:『土偶を読む』な!

サントリー学芸賞を受賞!! NHKで取り上げられる! 全国紙で掲載! このような売り文句で発売された書籍はさぞ”良書”なのでしょう。 しかし、それが大学生の手抜きレ…

【感想】ひげを剃る。本編完結まで

私の感想は、「あ~……」でした。 ヒロイン・沙優の物語としてみれば、面白かったです。 しかし主人公・吉田の物語としては残念という印象です。 違和感を感じたのは吉…

2024年1月の読書録

『デート・ア・ライブ』1 『デート・ア・ライブ』2 『デート・ア・ライブ』3 『誰が勇者を殺したか』 『マスカレード・コンフィデンス』 『三傑のサッカーは世界を揺…

狂人の真似とて大路を走れ!~逆張り人生論~

狂人になれなかった凡人 誰のことでしょうか? わたしのことです。 なにかオリジナリティがほしい。 他の人と違うことがしたい。 なにか秀でたものがあればそれも簡単…

短期記憶がカスなせいで、おみくじで凶をひいた

おみくじ1回100円って、ソシャゲのガチャより安い。 おみくじ10連で1000円と考えると人間のがめつさに驚くわけだが、新年ガチャで爆死した私は、神社でおみくじを引き…

本には人を救う力がある デート・ア・ライブ感想

あけましておめでとうございます。 今年もぼちぼち本の記録を増やしていきたいと思います。 新年一発目にはどんな記事がいいだろうかと思いましたが、 原点に立ち返って、…

2023年12月の読書録

『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉 I』 『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉 II』 『友愛のポリティックス 1』 『トーテムとタブー』 『自我論集』(再読) …

2023年11月の読書

『存在論的、郵便的』 『現代思想』2004年12月号 『現代思想』2015年2月臨時増刊号 『現代思想』1999年3月号 『エロス論集』 『自我論集』 『生きることを学ぶ、終に…

YouTube言語行為論

わたしはすべての著作権をフリーにする男、著作フリオです。 というのは冗談で、今日は「引用」について話したいと思います。 ちなみに私の記事はすべて著作権フリーです…

【ひろゆきVS.デリダ】ひろゆきを脱構築する

みなさん、ひろゆき氏をご存じですか。 2チャンネルの創設者で、現在もネットやテレビなどのメディアに出演しています。 もはや「それってあなたの感想ですよね」など…

【文学フリマ】遺産と希望と、戦果報告

【文学フリマ】遺産と希望と、戦果報告

筆折れば名無しです。

文学フリマ東京38に、初めて参加しました。

そのときの興奮や驚きは以前記事にてご紹介しましたが、
今回は、「文学フリマ」というイベントそのものにたいする所感をだらだら書いていきます。

(⇩ 文学フリマの歩き方を初参加目線で説明しました)

さっそく本題に入ります。
私が文学フリマに参加して感じたことは、

① 90年代のオタク文化のレガシーがここにあったという興奮と懸念

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【レポート】文学フリマの歩き方

【レポート】文学フリマの歩き方

はじめて文学フリマに行ってきましたー!
めちゃくちゃ遠いし、人で溢れかえっていました

文学フリマ処女を喪失した私がド素人ならではの視点から、
「これだけわかれば安心! 文学フリマの歩き方」を説明していきます
次の文学フリマに行きたいと思っている方のご参考になれば幸いです。

⇩〈文学フリマ〉観についてはこちらの記事もあります。

「1日で周りきるのは無理!」

文学フリマ初体験のわたしが一番伝え

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4月に読んだ本をオススメ度でまとめてみた

4月に読んだ本をオススメ度でまとめてみた

⚠️:Not アフィリエイト。アマゾンリンクは書影の代替措置です。

4月! 新生活、新社会人、新しい職場!
ということで新しい環境の人にも役立てられるようにビジネス書を気持ち多めに読みました。もちろんラノベ・小説・コミックもたくさん読みました。

総合部門BEST5小説部門今月はライトノベルが多めです(なんせKADOKAWAの還元祭りがあったものですから……)。けど、以前から気になっていた本を消

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2024年3月読んだ本

・下町ロケット

・下町ロケット ガウディ計画

・下町ロケット ゴースト

・下町ロケット ヤタガラス

・オレたちバブル入行組

・オレたち花のバブル組

・ロスジェネの逆襲

・銀翼のイカロス

・銀行総務部特命

・不祥事

・かばん屋の相続

・花咲舞が黙ってない

・ルーズヴェルト・ゲーム

・ノーサイド・ゲーム

・心に、光を。

・これが恋だというのなら、誰か好きの定義を教えてくれ

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読んだ本 2024年2月

先生も小説を書くんですよね?

非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?

ブラジャーで天下をとった男

ひげを剃る。そして女子高生を拾う 1-5

巨大生物ばかりの異世界をパルクールと足場スキルで無双する

これ描いて死ね 1-4

僕の心のヤバイやつ 1-9

『サトコとナダ』から考えるイスラム入門

2.5次元の誘惑 1-5

その淑女は偶像となる 1-4(再読)

龍とカメ

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【女子高生を拾う=道徳的?】ライトノベルは気持ち悪い性欲文学なのか

【女子高生を拾う=道徳的?】ライトノベルは気持ち悪い性欲文学なのか

問題提起社会人が女子高生を拾う・匿うストーリーは”気持ち悪い”のか?

社会通念や法律に照らし合わせれば、未成年を匿うことは誘拐にあたります。

その視座に立てば、気持ち悪いという感情を理解することは不可能ではありません。

しかし、そのことと「道徳的に正しい」ことは完全に一致するのでしょうか。

本記事では、倫理学を用いることでこの問題に取り組みたいと思います。

結論を先に述べると、

JKを

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【検証】読者は情報弱者なのか:『土偶を読む』な!

【検証】読者は情報弱者なのか:『土偶を読む』な!

サントリー学芸賞を受賞!!
NHKで取り上げられる!
全国紙で掲載!

このような売り文句で発売された書籍はさぞ”良書”なのでしょう。

しかし、それが大学生の手抜きレポート並だったら…?

そんなことがあるのです。

『土偶を読む』

世間で話題となりベストセラーとして大型書店で展開され、
権威ある新聞=毎日新聞、朝日新聞に掲載され、
権威ある公共放送=NHKで紹介され、
権威ある賞=サントリー

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【感想】ひげを剃る。本編完結まで

【感想】ひげを剃る。本編完結まで

私の感想は、「あ~……」でした。

ヒロイン・沙優の物語としてみれば、面白かったです。

しかし主人公・吉田の物語としては残念という印象です。

違和感を感じたのは吉田の一貫性のなさですね。
なんというか彼は全く成長しない。というより退化しているのではないか、と思ってしまいました。

1、2巻までは彼の男らしさは非常に魅力的だったんですが、3巻以降の彼は「?????」となる行動ばかりしていて消化不

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2024年1月の読書録

『デート・ア・ライブ』1

『デート・ア・ライブ』2

『デート・ア・ライブ』3

『誰が勇者を殺したか』

『マスカレード・コンフィデンス』

『三傑のサッカーは世界を揺らす』

『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』1

『ヘーゲル 人と思想』

『Airbnb story』

『完全教祖マニュアル』

『ねぶた祭』

『公園で高校生達が遊ぶだけ』

『あのねこのまちあのねこのまち 壱』

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狂人の真似とて大路を走れ!~逆張り人生論~

狂人の真似とて大路を走れ!~逆張り人生論~

狂人になれなかった凡人

誰のことでしょうか?

わたしのことです。

なにかオリジナリティがほしい。

他の人と違うことがしたい。

なにか秀でたものがあればそれも簡単でしょう。

天才的な数学センス、笑いのプロフェッショナル、卓越したバイタリティ。

何一つ持っていない私は、狂人っぽいマネをすることしかできませんでした。

(このせいでどれだけ高校時代を犠牲にしたことか……)

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短期記憶がカスなせいで、おみくじで凶をひいた

短期記憶がカスなせいで、おみくじで凶をひいた

おみくじ1回100円って、ソシャゲのガチャより安い。

おみくじ10連で1000円と考えると人間のがめつさに驚くわけだが、新年ガチャで爆死した私は、神社でおみくじを引きにいった。

まずはお参り。神様への挨拶はマナーです。

お賽銭って実は、昨年のお礼を示すものらしい。

ということで5円玉を投げて良縁を祈願するような真似は、情報強者の私はしない。
あるいはさぞかし良い出会いがあったんでしょうね(

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本には人を救う力がある デート・ア・ライブ感想

本には人を救う力がある デート・ア・ライブ感想

あけましておめでとうございます。
今年もぼちぼち本の記録を増やしていきたいと思います。

新年一発目にはどんな記事がいいだろうかと思いましたが、
原点に立ち返って、本という、人生を変える魔法についてお話したいです。

といっても、
「本は素晴らしい」とか「本は心の薬だ」とか、
そういった薄っぺらい言葉は使いたくありません。

だから極めて個人的な、n=1の
私にかけられた、そして一生とけることのな

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2023年12月の読書録

『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉 I』

『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉 II』

『友愛のポリティックス 1』

『トーテムとタブー』

『自我論集』(再読)

『エロス論集』(再読)

『フロイト、性と愛について語る』(再読)

『フロイト、無意識について語る』

『フロイト、夢について語る』

『幻想の未来/文化への不満』(再読)

『人はなぜ戦争をするのか』(再読)

『メタサイ

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2023年11月の読書

2023年11月の読書

『存在論的、郵便的』

『現代思想』2004年12月号

『現代思想』2015年2月臨時増刊号

『現代思想』1999年3月号

『エロス論集』

『自我論集』

『生きることを学ぶ、終に』

『雄羊』

『歓待について』

『シボレート パウル・ツェランのために』

『有限責任会社』

『メモワール ポール・ド・マンのために』

『人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス』

あとがき
サムネは

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YouTube言語行為論

YouTube言語行為論

わたしはすべての著作権をフリーにする男、著作フリオです。
というのは冗談で、今日は「引用」について話したいと思います。

ちなみに私の記事はすべて著作権フリーです。
出典明示なしでも、パクリも全然オッケー。

もちろん私が文化庁の定める引用から逸脱したことはありませんよ。

この記事における引用は、文化庁の定める引用の範囲内です。

You Tubeでこういった文章をよく見かけます。
それ自体は何

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【ひろゆきVS.デリダ】ひろゆきを脱構築する

【ひろゆきVS.デリダ】ひろゆきを脱構築する



みなさん、ひろゆき氏をご存じですか。

2チャンネルの創設者で、現在もネットやテレビなどのメディアに出演しています。

もはや「それってあなたの感想ですよね」などのスラングは小学生でも使っている始末。知らないひとのほうが少ないでしょう(←なんかそういうデータあるんですか)

そして彼といえば論破のイメージがありますよね。

「なんかそういうデータあるんですか」
「それってあなたの感想ですよね」

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